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不定期ゲーム批評
第2回「正義の味方」


 みなさん。こんにちわ。2回目の不定期ゲーム批評ですが、私は現在ゲーマーではありません。ゲーム稼動率月1回程度と激烈に少なくなってます。はっきりいってまともにゲームして批評している人にはおこがましいコーナーなのです。その点を踏まえてお読みください。(くどい!)
 また、月2本くらいはレクチャーする予定ですが、多くなる月もあるし、更新が遅れる場合もありますのでそこらへんはご容赦ください。


  さて、今回はそんなゲーム稼働時間が極端に少なくなった私がひさびさにやったゲームです。PS2です。新しいですね。弟といっしょにふらっと外に遊びに行ったのですが、本来はPS版のDQ4を買うつもりがこのゲームに変わってしまいました。その他、BUSINなども買う候補でしたが、今となっては本作を購入したのがよかったと思います。というのも、DQ4もBUSINも結局プレイはして、大変面白かったです。しかし、この2作はもともと評価が高めだった上にかなり正統派のゲームなのではっきり言うと批評に使うには面白みに欠けます。そして、本作ですが、ネタだらけで批評することが多すぎて逆に困ります。ついでに某雑誌での本作の評価をいっておくとゴールド殿堂入りを果たしていたので、実は本作自身も評価は非常に高いことを付け加えておきます。

1、手にとってみる
 まず、店頭で手にとって見る。黒い背景に特撮ヒーローもののコスチュームが丁寧に折りたたまれ、その上にマスクがのっている。まず、少年に夢を与えているのか、それともネタバレ的な表現なのかよくは分からないが、非常にマニアックなパッケージだ。
 裏を見てみる。売りの文句は「戦え!この町の平和と視聴率のために」
それを見て、一体なんのゲームかある程度検討はついてしまうのだが、どうやらこのゲームはプレーヤーが特撮ヒーローものの主人公を演じながら視聴率を稼いでいくゲームのようだ。そのほかにも、コスチュームやヒーロー名を自由に決められるなど、売りはたくさんあるみたいだ。ぼくはそのときいまいちぱっとこなかったが、弟はいたく気に入って結局買うことにした。

2、取扱説明書
 プレイを始める前に取り扱い説明書を手にとってみる。そこには、なんと新番組「正義の味方」日曜朝7:00〜番組制作資料(製作4部)などと書かれている。表紙のレイアウトもクリーム色で特に飾り気などなく、あくまで取り説ではなく、スタッフ(主人公役のあなた)に対する製作資料という形を取るつもりなのだ。中を開くと見開きで番組の販促資料風の項目がある。本文は台本風に手書きでだめだしや注文、連絡事項、催促などを赤入れしてあり、とにかくプレーヤーを自分たちの土俵に引き込もうという努力が見える。無意味に、「9:00渋谷カラオケ」とか、「和泉さんに確認のこと!!」と赤入れしてあったり、一番すごいのは「幕の内27ヶ、西岡くんより支給」何の意味があるんだこれ?
 しかし、それはそれで、台本を装っていてもしっかり取扱説明書の体をなしているところが製作者の執念を感じる。この時点で僕はすでに弟が買おうといった意見は正解であると悟る。ゲームが非常に楽しみになってきた。

3、ヒーローエディット
 ゲームを立ち上げる。説明書(もとい製作資料)の見開きと同じ構図が現れ、正義の味方のロゴが出る。スタートを押す。
 早速ヒーローエディット。まずはコスチューム選択。宇宙刑事ものやスーパーヒーロー、人造人間にロボコップ、少年探偵風のものなどさまざまある。パーツは頭、体、手足、そしてカラーをそれぞれ別々に選択できる(もちろんめんどくさければデフォルトのコスチュームでもよい)。適当に決めると次は名前を決める。名前は自由に選択可能かというと、実はそうでもない。大事なキャッチ部分とヒーロー名とに分けて選択する。まず、キャッチ(宇宙刑事だとか太陽戦隊など)を決める。前半部分と後半部分に分けて選択する。前半部分には高速、光速、太陽、時間、流星、宇宙などの定番があり、後半には、超人や戦隊、忍者、王子、大使などが並ぶ。さらに言うと、実は後半部分は指定しなくてもよい。つまり、前半を光速のみにすると、「光速!!○○」などとなる。僕はキャッチを「光速!!」、ヒーロー名「ギガスラッシャー」として、スタートしてみた。
 実は余談だが、このキャッチが全く自由に決められないのには理由があって、このキャッチのカテゴリーによって、主人公のヒロインが変化するように出来ている。選択幅は大変広いため、あまり気にはならないが、巧妙に作りこまれた設定がヒーローものを見て育ったうちらの世代を泣かせる。

4、ゲームスタート
 テストプレイ開始。軽快な最近風のロックギターサウンドで演出されるヒーロー主題歌はなかなかのもの。主題歌開始時にはお約束の朝7時の時報が入っているなど芸が細かい。これはかつてカプコンから発売していた「キカイオー」にもいえることだが、子供が時報が鳴るのを今かと待ち望んでいる姿を思い返させる。ニヤリとしてしまったのは僕だけではないだろう。続いて主題歌の構成、これもとにかく分かっている。光り輝き反射するビルの上での図はお約束だし、ヒロインの出てくるポイント、敵さんの出てくるポイントなどどれをとっても抜かりがない。すげーぞ、このゲーム!と思わず呆れている間もなくゲームはスタート。画面の左上には7:00:00と書いてあり、次第に時間は経っていく。このゲームは実際に登場人物たちと演じる自動イベント部分とアドリブ部に分かれていて、自動イベント発生時も時間は流れる。30分という短い間にいかに多くのアドリブ(おばあさんを助けたり、迷子を届けたり)をして視聴率を上げるかが勝利へのポイントになってくる。もちろん、敵さんとの戦闘も非常に重要だがこれは後で説明する。

5、アドリブ部分
 ゲームはいたるところに潜む登場人物から情報を入手し、最終イベントである敵さんとの戦闘に勝つことが目的となる。町の人物はみんなサクラみたいなもので、一人一人が情報を持っていて、それは直接的にその話(ステージ)の攻略にかかわっているものから、全然関係ないもの、最終ステージやラスボスについてのもの、いわゆる伏線であったり、はたまた主人公とヒロインの恋愛に関するヒントであったり、多岐にわたっている。アドリブ部分は一回の自動イベントから次の自動イベントまでの数分単位のものだが、その話(ステージ)でのトータル時間は半分近くを占める。意外と重要なこのアドリブ部分は、まずその話のタイトルとなる話題の情報収集を行い、つぎに発生する自動イベントの発生場所を特定することが先決となる。そうしてからは、後は自由だが、基本的には主人公に惚れている小夜子(さよちゃん)と主人公が好きなヒロインである結城やよい(やよいさん)との恋に関するエピソードを探していくことを僕はお勧めする。また迷子をお母さんの元に届けるとか、逃げた猫を全部捕まえてくるなどの人助けミニゲームも視聴率稼ぎにつながるのでやってみるといいだろう。戦闘が自動イベントを中心に間に挟まるし、ストーリーの主題が見えない場合も稀にあるので、こまめなセーブで力いっぱい楽しみたいところだ。

6、宣伝
 時間が15分経過するころには、宣伝に突入するためのキャッチが挟まる。このとき、通常のアニメセルビデオみたいに宣伝突入時と終了時の2回を連続で再生するのではなく、なんと立派にCMが挟まる。もちろんCMで紹介されている会社や施設は架空のものだが、実際のテレビの臨場感を演出するには一躍買っている。本題を生かすためにここまで飾りに力をかけてくれるともはやこいつらはバカだ。と真剣に思う。しかし、このバカさがいい。第1話は当初無事にクリアすることは出来なかった。しかし、それについても全く不快感はなく、たまには真剣にバカしてみるかと思わせられた。すごいです。

7、戦闘に突入
 順調に情報収集と自動イベントをこなしていけば、番組前半ラスト(CM直前)と後半部分ではかなりの戦闘をこなすことになる。その際、通常のアクションで敵をやっつけるのかというとそうではない。戦闘では、攻撃ターンと防御ターンが交互に訪れる。そのイニシアチブはボタンを連打し一定時間により多く連射した方が先行となる。敵の攻撃にあわせて防御したり、逆に攻撃する場合は相手の防御を見切って技を決める必要がある。本作ではその防御技や攻撃をボタン配置とすばやいボタン入力で行う。右手で押す4つのボタンのうち○、×、□はそれぞれキック、パンチ、投げにあたり、敵のすばやい防御ポーズを見切って、攻撃を入力。防御時には今度はそれぞれボタンがパンチ防御、キック防御、投げ防御となり、敵の攻撃を見切って防御技を入力する。攻撃ターン、防御ターンはそれぞれ入力が終了した時点でアニメーションが流れかっこよいアクションシーンが拝める。プレーヤーのかっこ悪い勝ち方のアクションゲーム風を装うより、戦闘アクションはボタン入力で決め、その結果に従いアニメ―ションを再生するというのはアクション美学に沿うすばらしいものだ。

8、怪人登場、戦闘はいよいよ佳境へ
 一連のザコ(戦闘員)との戦闘に勝利し、順調にストーリーを進めていけば20分ごろには怪人との戦闘になる。そのとき、主人公はあっさりと勝ってしまってはいけない。ヒーローたるもの、一度は怪人に苦しめられねばならぬ。そう、このゲームはHPがそれぞれ10ポイントあるのだが、主人公も怪人も3ポイントを下回らねば必殺技は発動できない。また、必殺技は相手のHPが多いと交わされやすい。ただし必殺技は命中すればHPがいくらあっても即死(爆発)する。仮に敵の攻撃をわざと最初に受け、必殺技を発動すれば戦闘はスムーズに終わるかと思うかもしれないが、敵のHPは十分にあるので交わされてしまう。そこはバランスよく敵の体力を減らし、こちらも受け、必殺技を怪人に決めたいところだ。怪人から必殺技を食らう場合、主人公は相手の技のフォームを見切り、2、3秒という短い間に相手の押したボタンと同じボタンを押さなければならない。両者ともにHPが少ないと、これらの綱渡り的な必殺技の繰り出しが行われるので、怪人戦の前では必ずセーブを行うようにし、怪人に勝てるまで何度も繰り返そう。謝って負けてしまってもゲームは終了にならない。主人公の助っ人でありライバルのヒロインが怪人をやっつけてくれる。ただし、番組は終わらなくても視聴率は落ちるので、目標視聴率が達成されないうちは出来る限り怪人にかつようにしよう。しかも苦しんで(笑)

9、ニュース
 無事に勝利すると、主人公の働くカレー店で、主人公の好きなニュースキャスター「やよいさん」のアナウンスで、ヒーローが怪人をやっつけたことを報道される(ヒロインの場合はその報道)シーンを見る。そして、お約束の「落ち」が入る。続いて小夜子(さよちゃん)のでてくるエンディングテーマが流れ、次回予告が挟まり、番組は終了する。とにかく、本当にヒーローものの懐かしさのすべてを見せてくれたかのような展開でいい。だが、これでもまだ終わらない。

10、番組終了後
 番組終了後、視聴者からのおたよりがもらえる。それはストーリーの展開や、プレーヤーの戦い方ひとつで微妙に変わってくる。小さい子のクレヨンで書いたような絵や、いかにもおたくなおはがきなど千差万別。戦ってきた甲斐がある。さらに、視聴率が大きく変動した時間帯を確認できたり、無事に戦闘員にかつとヒーローカードももらえる。

11、とりあえず終了
 と、とにかく至れり尽せりなこのゲーム。ヒーローファンにこそやってほしい。はっきりいうとかなりおたくなゲームです。作ってる奴の顔をみてみたいもんだ。そんなこのゲーム、発売元はSCEなのだ。今後も期待したい。PS2のゲームもいいと思った。


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 正義の味方 オフィシャルサイトへGO!! 今回はこれでは終わりません。もう少し掘り下げたいので次回以降に続きを書くかもしれません。

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