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不定期ゲーム批評
第3回「ブリガンダイン」


 みなさん。こんにちわ。3回目の不定期ゲーム批評です。人間というのは不思議なもので、ゲームをバンバンやっていたころは、「これだけゲームが面白いと自分は一生涯ゲームをやってくんだろうな。」とか思っていたんですが、実際歳とともにやる量が減る傾向にあります。家族のものからも私はもうゲームは卒業したものと思っているみたいです。
 しかし、それでもときには夜を徹してまでやってしまうゲームもあったりするわけで、そんな学生時代に周囲とは別に一人ではまっていたゲームも存在する。
 そういったゲームにこそスポットを当ててみたいなと思ったりする今日この頃です。


  というわけで、本作の紹介に突入します。ゲームタイトルは「ブリガンダイン」、発売元はイースリースタッフさんです。まず、私の一押しであるといっておきながら、始めにこのゲームを購入したのは、例によって弟で、僕ではありません。変わったゲームであるが、絶対に僕ならはまるはずだと弟に言われ、話を聞きました。戦略と戦術の両方の側面を持つシミュレーションなのだが、立派にファンタジーな世界観であるという。果たしてどのようなゲームなんだろうか?

1、戦略(大陸マップ)
 弟がまずプレイしているところを横で見る。ぱっと見ると三国志の戦略ターンのような大陸マップがある。通常のファイアエムブレムのようなただステージと会話のみでつながれるシミュレーションではない。主人公は5つの国の君主のうちから一人を選び、互いに大陸の覇権をかけて争いあうことになる。大陸マップ(戦略)ではいくつかのフェイズに分かれる。大きく分けると編成フェイズと戦闘フェイズに分けられる。簡単にいってしまうと、編成フェイズは通常の戦略シミュレーションの内政・外交などにあたり、戦闘フェイズが戦争ターンにあたる。それでは編成フェイズから見てみよう。

2、編成フェイズ
 大陸マップが画面に映る中、何をするのか?ブリガンダインの世界では、マナと呼ばれる不思議な力が存在し、これによってモンスターを召還し、モンスターを戦わせて相手の領土を取っていくこととなる。武将(モンスターを操る者)の数は限られており、要するに、このモンスターが通常の戦略シミュレーションの兵にあたる。編成フェイズでは毎月各拠点から得られる「マナ」のエネルギーによってモンスターを召還し、敵の領土へ攻め込む。マナは通常の戦略シミュレーションの金と同様に大事なものなので、できるだけ多くのマナを得られる拠点を取りたいものだ。また、各拠点から召還できるモンスターの種類はその拠点の特性(海とか山とか)によって変わってくる。戦略的に有利なモンスターが召還できる拠点を手に入れることも大事になってくる。
 ゲームを始めたら、とりあえずこの編成フェイズになる。、ある程度は初期の状態でモンスターが配置されているが、それでは心もとないので、とりあえず抑えている拠点すべてのマナを利用してモンスターを召還し、兵力を増強しよう。さらに武将もめちゃくちゃな配置になっているので、攻めたい国をある程度見越しておき、攻め込む拠点周辺に強い武将と有益なモンスターを編成しておこう。この武将を配置し、モンスターを召還し、各武将に振り分けることから、編成フェイズと呼んでいるので非常に重要な作業だ。

 さて、これでは単なる解説になってしまうので、売りのポイントを話しておこう。まず、モンスター。モンスターは通常の戦略ゲームの兵と違い、レベルがある。モンスターは召還時に名前がデフォルトでつけられているが、これも召還時に変更可能。グラフィックは意外とコミカルだったり、かわいかったりするので、名前つけにもセンスがいるし、クラスチェンジしていかついモンスターのなっちゃっても、苦心して育てたモンスターには、なんともいえない愛着が湧いてくる。ものすごい怖い顔をしたティアマットとかに、「ドラすけ!がんばれ!!」とか「よっしゃー、さすがドラすけだな!」とか思わずなでなでしてやりたくなる気分はなかなかのものだ。次に武将たち。このゲームは戦略性の高いゲームだが、一般の硬派なシミュレーションと違い、編成フェーズになると結構ペラペラとよくしゃべる。その会話が、そろそろだれだれと結婚してもいいのでは?、とかだれだれとだれだれが仲がいいだのと下世話なネタがバンバンと飛び出る。ようするにファイアエムブレムやラングリッサー系のストーリー展開も十分に詰め込まれている。また、編成フェイズにはクエストと呼ばれる武者修行モードがあり、武将をクエストに出せばいい人材や、財宝、はたまた武将自らがパワーアップして帰ってくるなどこのクエストにもストーリーが豊富でよい。また、編成モードで織り成されていくドラマはプレーヤーが展開していく戦略によって千差万別であり、1回の冒険で終わらせるには惜しいほどのバリエーションがある。

3、戦闘フェイズ
 戦闘フェイズでは、勝敗が直接領土の数にかかわってくるので、結構重要なものだ。まず、このげームは本当のヘックス(六角形)のマスでできている。そして武将やモンスターの向く方向でダメージが変わってくる。また、各武将には統魔範囲というものがあり、この範囲内でモンスターを操るとモンスターの能力が率いている武将の強さに応じてパワーアップする。これらのシステムはあのシミュレーションの名作「ラングリッサー」に似ている。次にマップ兵器。スーパーロボット対戦のおかげで一躍有名になったマップ兵器だが、このゲームではモンスターの吐くブレスや魔法の一部がマップ兵器としてマップ上の敵に無条件でダメージを与える。範囲の形はかなり豊富にあるので、さまざまな形のマップ兵器を使えるようにモンスター選びは慎重に行おう。基本的な戦略としては、魔法やブレスなどのマップ兵器を使える範囲にうまく近づき、マップ兵器でこちらの損害を最小に抑えた状態で戦士や、ゴーレム、ジャイアントなどの一撃必殺系のモンスターや武将でとどめをさしていくことになる。敵の武将はやはりかなり強いが、武将を抑えてしまえば、その武将の率いるモンスターは撤退(上手くいくとこちらの捕虜)になるのでそういう戦術で攻めてもいい。また、モンスターは4大属性のどれかに属している場合が多いので、地形の属性と合わせてうまく利用していこう。

4、各国説明
 さて、ざっとゲームシステムの説明が終わったところで、各国の説明に行こう。ゲームで描かれていくドラマはこの選択した国によって大きく変わってくる。
a)西アルメキア(君主:ランス)
 本作の主人公だ。えっ!?このゲームは5つの国全部が主人公なのではないのかと思うかもしれないが、この人は見るからに主人公なのです。少年で金髪、凛々しい顔立ちに回りに多くの人材が慕って集まってくるあたりはそれっぽいし、その上、中央アルメキアを追われて、バトストー公国という地域に優秀な武将とともに西アルメキアという国を作って反旗を翻すあたりが、田中芳樹氏の書くアル○ラーン戦記にそっくりだ。そして、ストーリーもそのように進んでいきます。所属する武将は比較的優秀。ただし、国力が若干低いので、武将とモンスターの運用がポイントになってくる。それでもバランスは全体的に取れているので、非常にさくさくと攻略を進めていくことが出来ると思う。
b)レオニア(君主:リオネッセ)
 この国は女性の君主。神託によってただの村娘から突然の君主へと早代わり。といってももともと結構しっかりしたシスターでしたので僧侶系魔法は完璧だ。ストーリーは非常にせつなくて、やはり、この元村娘のお嬢さんとその幼馴染のドラマがポイントになってくる。主人公リオネッセの幼馴染の戦士「キルーフ」はリオネッセに普通の少女として暮らしてほしいと願う。しかし、国柄か戦士系のユニットが少ないためどうしても意に反してキルーフを利用して先陣を切り開いていくことが多くなる。この領土拡大とともに大きくなるリオネッセの存在とキルーフのリオネッセを思う気持ちが複雑に絡み合っていく。お勧めのシナリオだ。だが、護りやすく攻めづらい国柄なので領土拡大は周りの防御が薄いうちから能動的に行おう。難易度は普通だ。
c)ノルガルド(君主:ヴェイナード)
 北方の寒い大地で長年培ってきた国力と頭脳明晰な主人公ヴェイナードの大陸統一がメインテーマとなる。土地柄か非常にクールな主人公。それとエストレガレスという中央を支配する大きな帝国に主人公ヴェイナードの姉エスメレーが后として出ており、このあたりのストーリーがポイントになってくる。姉を人質に取られているという逆境をヴェイナードの権謀術数で乗り越えていく様は一見の価値ありだ。お勧めのシナリオだ。武将は非常に優秀だ。しかし、しょきから国間連絡が悪く、戦略的に難しく、また国力も北方の国だけに手薄。そして、一度エストレガレスに攻め込むと完全に標的にされてしまうあたりなど難易度はかなり高い。とにかく戦略で勝つ国だけあって、プレーヤーも頭を使いそして、ヴェイナード自らが吐くセリフに注意を払いながら、進めていこう。
d)イスカリオ(君主:ドリスト)
 主人公が強い。そしてそのワンマンで乗り切っていく。というのが当初の目的のようだが、はじめの2国から領土を広げていくには武将と、モンスターを増やし、着実に進めていくしかない。さいわい初期のイリアなどは相当強い。ので、ドリストとペアで領地を大幅に拡大。敵に領土を奪われることがあってもかまわないので、敵モンスターの獲得と奪った領地でのクエストなどを繰り返し、武将とモンスターの増強に力をいれよう。ある程度そろえば、初期の国はどん詰まりなのでほっておいて内政重視国にし、ドリストとイリアでバンバン攻めよう。とくに西にあるカーレオンは魔法使い系の武将の宝庫なので、この国を攻め落とすことを目標にしておこう。ストーリーはかなりめちゃくちゃなので、コミカルなシナリオが好きな人にお勧めだ。
e)カーレオン(君主:カイ)
 魔法使いの王国。非常におっとりしたお兄さんタイプのカイと元気いっぱいのカイの妹メリオットの織り成す恋の物語。えっ!?シスコンの人のためのストーリーなのかって?そのとおりです。ラブラブなこの二人の関係はしだいにあかされていきますが、攻略はいたって簡単、まず、西に存在する西アルメキアとは有効関係があり、攻略しないでも全国統一が可能。また、魔法使い系が多いため、マップ兵器が多く武将だけでも十分に優秀なのに、拠点数が多くバリエーションに富むモンスターが召還可能。これといって弱点はない上に、東のイスカリオは君主がいかれているので勝手に自滅するので、エストレガレスのみに気を使えばよい。向こうさんが攻めてきたときに主人公のカイがめっぽう強いので、これを利用して敵ボスを集中砲火し、撤退させ優秀なモンスターを捕虜にしまくろう。あとはそれを使って攻略するだけだ。

6、まとめ
 とまあ、ざっとこのゲームの要所を書いてみたんですが、簡単にいってしまうと、三国志などのシミュレーションとファイアエンブレムやラングリッサーなどのシミュレーションRPGのよいところを集めて出来たようなゲームです。システム○、シナリオグーで、けなすところは全くななさそうに見えますが、難点はやはり敷居の高さにあります。三国志などのシミュレーションはやっぱり難しいし、戦術でもヘックスを利用していて難度が高い。そもそも、通好みのシナリオを多く採用しているところからもある程度ユーザーを選んでいるゲームであるといわざるを得ません。しかし、一度その敷居をまたいでしまうとこの上もなく居心地がよく、またやってみたいなと思ってしまうゲームでもあります。進める人としてはやはり、シミュレーション好きにお勧めします。とくに三国志などの硬派なゲームが好きな人はこういうほえほえしたストーリーはやったことがないはずなので一度やってみたらよいのでは?


 ではこんなところで。最近はジェネレーション オブ カオスというシリーズが出ていますが、その作品が好きな人ならまず買いです。また、本作はブリガンダイン グランドエディション が発売され、難度とシナリオの一部が改変されましたのでそちらも参考にしてください。


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