平成12年4月4日〜6日 北海道教育委員会の要請によりEARTHが派遣されました。
派遣者:兵庫県教育委員会事務局
総務課教育企画室 指導主事 小谷 一良(EARTH 事務局)
兵庫県立御影高等学校教諭 浅堀 裕(EARTH 避難所運営班長)
北淡町立北淡東中学校教諭 田中 大善(EARTH 学校教育再開班長)
支援活動
4月4日 北海道教育庁との意見交換
・被災した関係校の現状と避難住民の受け入れ状況の説明を受ける
・教育庁関係課職員に、阪神・淡路大震災時の取組について説明し、その後課題についての意見交換
(学校避難所運営・心のケア対策・学校の早期再開・転入学等)
4月5日 道立虻田高校の仮校長室が設置されている道立豊浦高校訪問
・虻田、豊浦両校の学校長及び教職員と意見交換
(生徒の安否確認の方法・学校の早期再開の手順・教科書、学用品等の教育助成等)
避難所の訪問
・@元ホテルの社員寮、A虻田町立花和小学校、B道立洞爺少年自然の家を訪問
・避難所対応は、どの施設とも迅速に対応できており、運営も軌道に乗りつつあった。
・上記の@Bの施設については、プライバシーの面においても配慮ができていた。
4月6日 道立伊達高校訪問
・今後避難所の開設予定並びに虻田高校の受け入れ予定
・伊達高校長及び教職員、並びに近隣の伊達緑丘高校長も同席して意見交換
(生徒の安否確認方法・学校の早期再開の考えられる手順・避難所開設の基本的な考え方ー学校教育の実施と避難
者の生活・道立虻田高校の受け入れ等)
道立高等養護学校訪問
・本日夕刻より避難者の受け入れ
・同校の校長・教頭・事務長と意見交換
(避難所開設の基本的な考え方ー学校教育の実施と避難者の生活)
支援活動の成果
国の現地対策本部が早い段階から機能し、正確な予知により、1名の死傷者も出さないで避難できている。しかし、虻田町内に存在する多くの学校が使用できず、その再建策や交通遮断による通学不可能な生徒が存在する学校においては、学校の早期再開等の課題や、避難所運営等についてまた、避難している児童生徒を受け入れた学校も含めて、心のケアについての問題を、教育委員会のみならず学校現場の教職員の方々と、この期に意見交換ができたことは、大変意義のあることであった。
有珠山の爆発的噴火が予想され、その山の動きを眺めながらの手探りの対策を検討している時期に、本県の大震災からの教育の創造的復興の取組を紹介することで、被災した者同士の心の分かち合いが生まれ、現地の被災者は孤独感から多少なりとも脱却できる機会となったと思われる。それは、道立虻田高校長の「肩の荷を少し降ろすことができたように思う。と同時に学校再開に向けて何か始める勇気が湧いてきた。」との発言にも表れている。
今回の活動で、本県の防災教育のノウハウが今後役立てられるルートづくりができたことが、何よりの成果であると考えられる。
阪神・淡路大震災を体験し、そこから創造的復興に取り組んできた本県の果たす役割の大きさを痛感した。