[震災後100日を過ぎて]
こうして、御影高校避難所のスタートとなったが、はたして私たち教職員がこのような非常時にあってどのような対応ができるかという点について、さまざまな思いがよぎる。震災後3日間の出来事は異常というべきものであり、あらゆる混乱はかつてない経験であり、そして毎日毎日の出来事への対応は教師の仕事とはいえないものであった。しかし、学ぶべきことも数多くあった。人のやさしさ、神様のようなボランティアの青年、日本全国から寄せられた善意、互いにいたわる共同生活、垣間見る人生、この3ヶ月間の出来事は語り尽くせない。いま避難者は300名を割った。少しずつであるが仮設住宅に入居することとなり去っていく人々との別れがある。仮設住宅を待ち切れず民間のアパートを探し去っていく人々との別れもある。一人一人が避難所を出てからの生活に備えながら、新しい出発をするべき時がやってきた。御影高校避難所の世話役になってしまった私は、新年度になって正常化された授業とともに本来の職務に戻った。3月末までのように、避難所のお世話が中心の生活から離れていくことが、避難者の問題は避難者自身が自主的に解決を図りながら進めていくことにつながると
考えている。そして、避難所が解散する日も近い。一抹の淋しさも感じるこの頃である。