中国・宏村 | |
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中国、安徽省の南部に位置する宏村。ここには明、清時代の住宅が今も数多く残されている。かつて塩を売って繁栄した商人たちの村だけあって、質素な外観に比べ家の内部は贅沢なつくりだ。天にまで伸びるような高い壁、柱には細かい彫刻、2層分の吹き抜けからはグレーの光が降りてくる。2000年、世界遺産に登録された。建物とそこで暮らす人たちの生活があってこそ、その価値があるのだがこの村も過疎化が進んでいた。「古い家だから生活が不便で、若いものは別のところに住んでいる。今は老夫婦だけ。」訪ねた先のおばあさんの言葉が頭から離れなかった。残したい建物と生活文化も実際に400年も前の家に暮らしている人のみになるとそう簡単なことではない。変わらずに残すことって難しい。それでも長い間、変わらずに建物と家族を守りつづけてきた濃い灰色の瓦は私に力を与えてくれた。門田陵子 |
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update011010 |