さる10月20日、日曜日、埼玉住まいの会主催のイヴェント「飯能の秋を楽しむ」が、飯能
の杣の家体験住宅(フォレスト西川)で行われました。午前中は山の話・スライド、昼はそば
打ち体験、そして午後は音楽というプログラム。
 そこで音楽ですが、プロの演奏家に来てもらって・・・ではなく、森のなかで参加者が演奏
して楽しむ事を考えました。演奏の場所は、フォレスト西川主催の夏のイヴェント「ぐるり丸
ごと森の中」で、手作りのベンチやテーブル(のようなもの)が点在している雑木の森の中。
幸い、音の出る木や竹はいくらでもあるので、各自適当な「楽器」を手にしてぐるりと集まり
ました。
 僕が用意した曲は、木や竹等をを単純なリズムで打ち続けることで、森との一体感を得よ
うというもの。ひとりがゆっくりしたリズムを刻み始め、次の人がその間にリズムを打って、
だんだん人数が増えるにしたがってリズムが細かくなっていき、全員がリズムを刻むと、音
がぐるりと一周する。それがしばらく続いて、今度はひとりづつ抜けていくと、ちがったリズ
ムが現れて、しまいにひとりに戻るという構成で考えたのです。スティーブ・ライヒの「ドラミン
グ」のようなことを簡単にできなきいかと考えて作った曲なのですが、いざみんなで、ぶっつ
けで演奏をはじめてみると、始めはなかなかリズムが揃わない。それぞれの楽器の演奏の
しやすさ・しにくさ、もあったでしょう。でも何回かやるうちに、みんながリズムを刻んで音がぐ
るりと回る状態はできてきました。
 その時の、木々を打ち鳴らす素朴な音が小雨に濡れる森に染み込んでいくような感覚!
尺八の飛び入りなどもあって、いつもと違う「森の時空」を感じることができました。
(絵・文 青山恭之)
 
update021022