春を迎える庭の、小さな客人たち

まだ寒さの厳しかった3月の初め、我が家には珍しい、野鳥のお客さんがあった。
普段ひまわりの種を好んで食べにくるシジュウカラ・カワラヒワに混じって、一羽のシメがやってきたのだ。
初めてのお客さんは、注意深く他の鳥の様子を伺いつつ、ひまわりの種を得る機会を狙っていた。シジュウカラやカワラヒワより一回り大きい
シメは、バードフィーダーにつかまっての餌とりはちょっと無理だったのか、または相当用心深かったのか、しばらくして、ようやく庭に降り立った。地面に落ちていた種を見つけると、すばやく木の枝に戻ったものの、そこで種をついばむことは無く、くわえたままどこかへ飛び立って行った。渡りの途中だったのか、自然界での食糧が不足して人里にまでやってきたのか・・・。 ほとんどさえずらないと言われる鳥だが、「ツュイーピピピー」と二声ほど鳴いてもくれた。ものぐさバードウオッチャーにとっては、至福のひとときだった。



今年はカワラヒワの数もいつもより多く、これはやはり寒さのための食糧不足? カワラヒワは数が多かった上に、荒っぽい種のついばみ方をすることもあって、例年に無く毎日のように追加の種をいれる羽目になった。くちばしだけで種の殻を破ってしまう技は、おみごと。(左)
シジュウカラも「ひまわりの種大好き鳥」で、足で種を押さえながらつんつんとくちばしで突いて殻をはずすのだが、見ているとこちらの頭が痛くなりそうなほど。(下)
冬からの寒さが続いていた今年の春も、ようやく終止符を打つようで、庭の木につるしてあったひまわりの種をいれたバードフィーダーも、次の冬までおやすみ。(右)

メジロは、甘い物好き。ミカンや花の蜜には目が無い。(下)

お馴染みのスズメは雑食だが、いつかシジュウカラに混じってひまわりの種を食べようとしていたのには驚いた。あのくちばしでは殻を割ることはどう見ても無理そうでしばらくしてくわえていた種を放棄して地面のおこぼれを探していたようだ。(下)

ややもすると見過ごしがちな、でも本当は身近な野鳥たちが、人間に教えてくれることは計り知れない。野鳥たちにしてみれば何気ない日常の姿であっても、見るものの心を和ませてくれることはもちろんのこと、自然の営みの中で自分も生かされていることに気付く大きなきっかけになる。ずっといつまでも、この庭に、きておくれ。
(文・永田博子 写真・青山恭之)

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