欄干の親柱の上にデジカメを置いて撮った夜景。パノラマ合成をしてあります。
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街が消える
■ この夏、浦和駅西口南で、二つ目の再開発が動き出します。正確には、浦和駅西口南第四地区市街地再
発事業という名前がついています。アトリエ・リングから浦和駅までの途中で、日常的に毎日のように通ってい
た街が消えて、新しい超高層住宅が建つのです。先日、再開発組合の知人と、消えてしまう前の街の肖像を
撮りました。上の写真は、この3月に完成した、第三地区の超高層の屋上(高さ約100m)から、今回の地区を見
下ろしたものです。ビルに囲まれて静かな住宅がひっそりと埋もれているような感じに見えました。0.8haの地域
の内側に通っている基準法上の道路は一本だけで、そこに30軒ほどの住宅や商店が建っているので、当然内
側へのアクセスは路地になります。ただでさえ一軒の敷地が小さいので、位置指定の私道をつくってしまうと建
物の建つ場所が無くなります。それで、路地のまま、建物も建て替えられず、ひっそりとした地域として残ってき
たという事です。地域のなかに入っていく路地が2本あるのですが、僕にはそこの奥の記憶がなく、今回おそらく
初めて踏み入ることになりました。そこには、緑にあふれた静かな路地空間がありました。この街がもうすぐ姿を

消すのです。
事業の詳細は、さいたま市のホームページで見ることができます。http://www.city.saitama.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020046&WIT_oid=saitama::Contents::2504 )

上の写真、真中の路地を入ると、奥の奥に、下の写真の空間があります。写真はパノラマ合成してあります。

■ 浦和では浦和駅東口の再開発が大きな問題になっています。こちらは駅前の顔をつくる2.8haの大きな事業
なのですが、商業キーテナントとして決定していた(株)マイカルが倒産してしまって計画がストップ。今はほとんどの建物が撤去され、県都の駅前の一等地がポッカリと空き地になってしまっています。街が消えたまま、周囲の
住民の不安はふくらむ一方です。計画再開のめどがたっていないということなのですが、子供たちの遊び場に開

放しておけないのでしょうか?(文・写真;青山恭之)


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