1月3日、和気〜吉永間の車窓から

2日の寝台特急「なは」で西鹿児島を発った。九州新幹線の3月一部開業にあわせて、「なは」は、新大阪〜熊本間に縮小されてしまう。西鹿児島駅(3月には鹿児島中央駅に改称)に寝台特急は来なくなってしまうのだ。だからこれが、西鹿児島から寝台に乗り込む最後だろう。今回は、デュエットの二階。朝6時50分、岡山で目覚め、丸くカーブしたガラスの窓から、明るくなり始めた景色を眺める。山陽では、どうしても瀬戸内海側を眺めるが、個室で海側が通路なのでマウンテンビューである。でも、そのためか景色が新鮮に映る。吉井川に連れ添うように長い距離を走ると、和気の町だ。和気を過ぎて、白い屋根の目立つ集落がいくつも右から左へと流れはじめた。寄棟の草屋根にトタンを被せたものだろう。まだ暗さの残る風景のなかで、家々が存在を主張しはじめたようで、美しかった。急いでスケッチブックを開き、カメラにも協力してもらって、イメージを写し取った。

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