法師温泉長寿館 僕は特別温泉通でもありませんが、ここの「法師の湯」は、日本でも屈指の名湯だと思います。下の写真の中央です。環境・建築・温泉が密接に関係しあい、他には類をみない世界を造りだしているのです。ぬるめの湯にひたって、底の石の間から、柔らかい泡を伴って湯が湧き出してくる。見上げると100年を経た梁組。極上の時間が流れていきます。左奥に新しい木の外壁を見せているのは、最近増築された、「玉城(たまき)の湯」です。「法師の湯」のデザイン・構造を引き継いだ上で、新しい設備と露天風呂付という楽しみが増えました。 今回泊まったのは、明治時代建造の本館二階、二十番という部屋でした。天井は、はじめは小屋組の下に水平に張られていたのが、いつの時代か一部改装されて、梁が見えるようになっています。部屋の外部に広縁がついているのがおもしろい。それも、長さ四間です。少しずつ手が加えられながら、20年前の安らいだ記憶をうらぎらない、いい湯宿だと思います。(写真・文・スケッチ;青山恭之) 長寿館のホームページは、http://www.matatabi.ne.jp/houshi/ |
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