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岩槻を歩く

岩槻 「時の鐘」

 
 さいたま市PTA協議会の総会が、今年は岩槻で開かれました。元岩槻市が新たに岩槻区としてさいたま市に仲間入りしたのです。岩槻の街は小学生の頃の記憶しかなかったので、総会の日は朝から家を出て、午後の総会の前に街歩きをしてきました。
 岩槻は城下町でもあり日光御成街道の宿場町でもあります。また人形の街としても有名です。駅前に降り立っただけでは、全く特徴のないどこにでもある街といった印象ですが、表通り、裏通りと歩き回ると、かつての賑わいを偲ばせる建物に出会うことができます。市宿通りぞいにいくつか残っている商家、旧岩槻警察の郷土資料館、藩校だった遷喬館、趣のある住宅など。それぞれなかなかいいのですが、スケッチをしようとすると、引きがなかったり、隣の建物が良くなかったりでなかなかポイントがきまりませんでした。そんななかで、ゆっくり描くことができたのが、上の絵、「時の鐘」でした。もっと高いものを想像していたのですが、周りの二階建ての住宅より屋根だけ高い程度。かつてはほとんど平屋だったでしょうし、この場所は西に岩槻城(水郷に浮かぶ平城だった)を見下ろす大地の端にあたっているので、遠くまで鐘の音が響いたにちがいありません。今でも朝と夕に撞かれているそうで、寛文11年(1671年)に設置され享保5年(1720年)の改鋳とありましたので、330年あまりに渡って、時を刻み続けていることになります。このあたりにも岩槻の歴史を感じました。
 その岩槻城の跡地が広大な公園になっていて、その一角の丘にある市民会館で総会が行われました。下の写真は、会場の窓から、岩槻城跡の広がりを見晴らしたパノラマです。(スケッチ・写真・文;青山恭之)

市民会館より岩槻城跡を見下ろす