4月のはじめ、草津に行ってきました。山間に突然現れる大温泉街の真ん中に、上の写真、「湯畑」があり、とめどなくお湯が湧き出ています。その、ぽっかり空いた求心的な空間が、まるでイタリアの広場のように感じられました。旅館やホテル、お土産屋さんなどが、ファサードを広場に向け、観光客たちが、記念写真を撮ったり、周囲を三々五々ぶらついたり、あるいは足湯につかったりと、空間を楽しんでいます。あちらの広場では、中心的存在として教会が建っていますが、ここでは、お湯こそがこの街の中心なのです。(下のパノラマ写真は、クリックすると大きな画像が開きます)
湯畑を囲む石柱に、ここを訪れた著名人の名前がたくさん刻まれていますが、そのなかに建築家ブルーノ・タウトの名前を見つけました(下左の写真)。さらに、湯畑を中心に街路が展開し、例えば、下右の写真のような、木造3・4階で、せがい造りの旅館が軒をせり出すように並んでいます。
夜は湯畑がライトアップされ、まだまだ寒い時期でしたが、浴衣姿のお客さんたちがそぞろ歩いて、いい雰囲気。
さて、我々が泊まったのは、「草津ホテル」です。創業は大正2年で、桃山建築風の豪快な建築でした。
隣接して、「片岡鶴太郎美術館」があり、彼の作品に感心させられました。建物の設計は、泉幸甫氏とのことでした。
それにしても、草津の湯の力強さは、すばらしいものでした。正に名湯! (文・写真;青山恭之)
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