「住まいと街をめぐる」−建築家とその仲間による作品展−
6月25日から29日まで、埼玉県立近代美術館の一般展示室にて、「住まいと街をめぐる」−建築家とその仲間による作品展 が開催されました。アトリエ・リングからは、青山と永田が別々に展示を行いました。
この展覧会は、さいたま市の建築家、植木秀視氏と松澤静男氏が、この1月にさいたま市役所の市民ギャラリーで行った展覧会が発端でした。この展示を見に行った時、植木さんから僕らに声がかかり、メンバーを募って、活動を広げていきたいということでした。結局、幸田章氏、根岸一男氏が加わって6人の展覧会からスタートしてみようと、動き出したものです。この活動については
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をご覧下さい。来る7月13日に行われるセミナーの情報も見ることができます。
24日が美術館のメンテナンス休館日にあたってしまっていて展示は5日間に限られ、週末には雨にも降られましたが、450名を超える人々に見に来ていただきました。土曜日には、ギャラリートークも行われ、一般の参加者の方々との質疑応答もありました。上の写真は、会場風景のパノラマ合成です。(クリックすると大きい画像が開きます。)各自の展示の様子を、展示の流れにそって紹介します。
まず、永田博子。テーマは、『ここちよく生きるための住まい』です。アトリエ・リングで設計した代表作6軒を、パネルと模型で展示しました。パネルの内容は、過去に発表したものに、彼女のエッセイなども加えて構成しています。
次のコーナーは、植木秀視氏の『キューブからの発想と住まい』という展示。壁面に取り付けたキューブを覗くと、中に住宅の写真などが見えるというユニークなプレゼンテーションでした。木材のキューブを使った家具は、子どもたちにも人気でした。
壁面の中央を飾ったのは幸田章氏。『街・敷地・そして家族との対話から生まれる住まい』と題して、自邸を中心に、住宅その他のパネル・模型が展開されていて、さらに、学生時代に造った家具など、充実していました。スケッチブックのカラーコピーからは、彼の世界が伝わってきました。
根岸一男氏のコーナー。彼は『小さな子どもたちの大きな家』というテーマで、保育園の設計事例を中心に紹介していました。「保育園は、施設というより住宅の視線で造られなくてはならない」という主張は説得力をもっていました。
松澤静男氏は、一貫して木にこだわって設計活動をされている方です。今回の『「木の家」そして環境』という展示でも、パネル・模型の他に、産地・樹種を明示した様々な木を会場に並べ、また、木を大胆に使った椅子やテーブルも注目を集めていました。
最後の青山恭之は、会場の中央に700角の展示台を7つ並べ、その上に「中山道浦和宿の今」と題した展示をしました。浦和橋から六辻交差点までの航空写真を千分の一スケールで長々とパネル化し、現在も残っている宿場の名残を感じさせる建物や、スポットの写真を60点選んで、航空写真の場所と対応させました。これは、「うらわ建築塾」の活動の一環として位置づけています。(文・写真・スケッチ;青山恭之)