私たちは、さいたま市浦和区の設計事務所です。環境に向き合う住まいづくりを、お手伝いします。
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都市公園としての白幡沼 |
さいたま市南区別所一丁目、大宮台地の崖下に、都市のオアシスのように白幡沼があります。ここから約1キロ北西には別所沼が位置していますが、別所沼が完全に人工の公園化されているのに対し、ここは自然をよく残しています。浦和宿の常盤公園の湧き水が小さな流れとなり、県庁と埼玉会館を隔てる谷を形成し、岸町小学校の下を通って、この沼にたまり、先は笹目川となって荒川まで達するという水系になります。上の写真で左奥が岸町小学校、右の崖の上が浦和商業高校の校舎です。
グーグルアースで見ると、多くの学校や住宅地、高層マンションなどに囲まれながら、ぽっかりと自然が残っていることが解ります。特に冬は、多くの野鳥が訪れます。この冬に撮った写真から、紹介しましょう。
ハシビロガモ(オス);平たい嘴で、水面近くのエサをすきとるように食べます。
オナガガモ(オス);長いしっぽが目立ちます。
ホシハジロ(オス);この個体は、夏の時期もずっとここに居座っています。人がエサを与えているためだと思われ、釣りに来る人々に随分なれています。赤い目がかわいい。
キンクロハジロ;今の時期、いちばん個体数の多い種です。この写真では、そろって首を羽につっ込んで、風をやりすごしているようです。
コサギ;複数で確認したことはなく、一羽でいるところしか見た事がありません。このあたりでは、繁殖していないのかもしれません。
アオサギ;羽を広げると160センチにもなる、日本最大のサギの仲間です。右に写っているコサギと比べると大きさがわかります。緩やかにゆうゆうと飛びます。
キジバト;人がエサをあげる関係でドバトが多いのですが、キジバトも見かけます。ドバトよりは、人に馴れていません。
カワセミ;この写真では、真ん中に、オレンジ色のおなかがかろうじで写っています。左向き。嘴から頭部は、葉っぱの影になってしまって、残念。真冬になってから見かけなくなりました。
メジロ;この時期、サザンカの花の蜜をすいに来る、多くのメジロの声が聞こえます。ただ、動きが早く、葉の茂みの中なので、写真を撮るのは大変。
春から夏はまた、他の鳥たちを見ることができます。白幡沼が、都市の公園として、今の自然を末永く残していてくれることを、切に願っています。(文・写真;青山恭之)