ルパン三世
第21話 ジャジャ馬娘を助けだせ!

キャラクター
ルパン三世 山田康雄
次元大介 小林清志
牧田リエ 平井道子
銭形警部 納谷悟朗
ジョージ滝川 富田耕生
ケン牧田 作間 功
部下A
部下B 青野 武
ラジオ・アナ
警官
 この台本中の、リエ(N)は、本人の心情でナレーション代わりにしています。
モノローグ(M)と同じなのですが、実際のモノローグと区別するために(N)としました。

1 SE-01 ルパン三世 その1  オープニング
ルパン(N) 「俺の名はルパン三世。かの名高き怪盗ルパンの孫だ。
世界中の警察がオレに血まなこ。ところがこれが捕まらないんだな。
自分で言うのも何だけど、狙った獲物は必ず奪う、神出鬼没の大泥棒、それがこのオレ、ルパン三世だ。

次元大介、オレの相棒。早撃ち0.3秒のプロフェッショナル。クールなガンマン。その上義理堅く、頼りになる男。

13代目石川五右衛門。いにしえの大泥棒石川五右衛門の末裔。居合い抜きの達人。何でも真っ二つにしちまう怒らせると怖い男。

銭形警部。ご存じ銭形警部の子孫、警視庁の敏腕警部。オレを捕まえるのを生き甲斐にする、オレのもっとも苦手なとっつぁんだ。

謎の女、峰不二子。女盗賊か、女スパイかこのオレにも判らない謎の女。いつも酷い目にあうけど憎めないんだなぁ。オレはかわい子ちゃんに弱いからねぇ

さてさて、これら一癖も二癖もある連中に囲まれて、今回はどんな事件を巻き起こしてやろうかな?」
2 SE-02 馬の走る音 BGM
リエ(N) 「あたしは、牧田リエ。今、パパのお友達の滝川のおじさまの滝川牧場へ遊びに来てるの。
ここに来てから、乗馬もみっちり、ちょっとしたお嬢様ね。
あっ、サブちゃんだ、よおし、サブちゃんの上を飛び越え、私の乗馬の腕をみせつけてやるわ」
部下A 「はっ」
部下A 「うわぁぁぁぁ」
リエ 「あははははは」
部下A 「あんにゃろぉぉぉ」
部下B 「よせ! 大事な人質だ!」
リエ(N) 「ここの人はみんな良くしてくれるけど、街にいるパパの事が気になるなぁ」
ジョージ滝川 「ははは、突然家に帰りたいなんて、さては街の風が恋しくなったな?」
リエ 「ううん、パパの事が心配なの・・・」
ジョージ滝川 「ケンの事が?」
リエ 「パパはおじさまより年でしょ? それにリエがいなければ、ご飯だってひとりで作るのよ」
ジョージ滝川 「大丈夫、ケンはリエちゃんが考えているほど弱虫じゃない」
リエ 「わかってるわ・・・・・・。
ずっとひとりで外国で暮らしてたんですものね」
ジョージ滝川 「だったらもっと遊んで行きなさい」
リエ 「お気持ちは嬉しいけど、やっぱりパパの所へ帰るわ」
ジョージ滝川 「どうしてもかね?」
リエ 「ええ」
ジョージ滝川 「いや、しかしね・・・・」
ルパンの声 「帰りたいって言ってるんだ、素直に帰してやったらどうなんだ?」
ジョージ滝川 「誰だ!」
3 SE-03 BGM
ルパン 「ルパン三世」
ジョージ滝川 「なに、ルパン!」
ルパン 「そッ、ケン牧田に頼まれてその子を迎えに来た」
リエ 「パパに頼まれて?」
ルパン 「そこにいるおじさまはね、キミの考えているようないい人じゃないんだ・・・」
ジョージ滝川 「でたらめだっ!」
リエ(N) 「ルパン三世・・・。知ってるわ、大泥棒。そのルパンがパパに頼まれて迎えに来た?
そんな事信じられる訳ないじゃない。絶対ウソよ。
滝川のおじさまも居るもの大丈夫よ。 でも、ルパンは容赦なく私を捕まえた」
リエ 「おじさまぁぁぁ!」
ジョージ滝川 「娘をはなせ!」
ルパン 「撃てるものなら撃ってみな」
ジョージ滝川 「待て!」
リエ(N) 「ルパンは素早く、私を抱えたまま窓から飛び降りた。あまりの事に私は気を失ってしまった」
ジョージ滝川 「おーい 誰かそいつを捕まえろぉぉぉ!」
部下A 「止まれ!」
部下B 「あああ」
4 SE-04 タイトルコール
次元(N) 「ジャジャ馬娘を助けだせ!」
次元 「何やってんだ、さんざん待たせやがって」
ルパン 「次元ん、この子を押さえといてくれよ・・・・、いよっ」
次元 「おっ、何だ? これは・・・」
リエ(N) 「揺れるクルマの中、男達の会話が聞こえるわ」
5 SE-05 BGM
次元 「一体これはどういう訳だい?」
ルパン 「訳は後で言うよ」
リエ 「うぅぅ〜ん」
ルパン 「気がついたなお嬢さん」
リエ 「あっ」
ルパン 「さっきは手荒な事をして失礼」
リエ (まるで聞いていない、暴れる)
「あぁぁっ、お、下ろして〜っ!
下ろしてよ!!」
ルパン 「あっ、いてっ!!」
リエ(N) 「私は夢中で暴れた、こんな大泥棒に誘拐されて、どこかに売られちゃうと思ったから、必死だったわ」
ルパン 「おい次元!
しっかり押さえとけ、運転できないじゃんかよぉぉ」
リエ 「おろしてったらぁぁ〜!!
いやだ、おろしてっ!」」
次元 「文句があるんなら自分でやってみろってんだ!」
リエ 「はなせぇぇ!」
6 SE-06 銃声
リエ(N) 「その時、後ろから銃声が聞こえた」
次元 「くそ〜っ、撃ってきやがったぜ」
リエ 「おじさま」
リエ(N) 「おじさま・・・あたしを助けに来てくれたんだわ。よーし、あたしはクルマのサンルーフから飛び出し、おじさまに助けを求めたわ」
ジョージ滝川 「待て待て、撃つなぁ」
リエ 「おじさまぁぁ!  あっあぁぁぁぁ」
リエ(N) 「もう、このひげの男! あたしをクルマに引きずり入れて銃でおじさま達を狙ってる、おじさま、あぶない!」」
7 Se-07 銃声 クルマ大破
リエ 「おじさま・・・」
滝川・部下 「わぁぁぁぁぁ」
次元 「やったぁぁぁ!
うわぁぁ」」
8 SE-08 BGM
リエ 「よくもやったわね!!」
次元 (引っ掻かれる)
「うわぁぁぁ、あーうぅぅ、あっ痛い、アイタタタ!」
ルパン 「うわぁうわぁ」
リエ(N) 「あたしはおじさまのカタキとばかりに車中で暴れに暴れたわ。ルパンは運転を誤り、クルマは土手から落ちて転がった。
ルパンとひげの男は気を失っていた。逃げるのは今だわ」
ルパン 「おい、次元起きろ! 娘がいなくなった」
9 SE-09 BGM
次元 「どうしてオレたちがあんなジャジャ馬探さなきゃならねえんだ?」
ルパン 「恩返しさ」
次元 「なに、恩返しだぁ?」
ルパン 「あの子はな、オレのオヤジ・・・・、つまりルパン二世の相棒だった男の娘なんだよ」
次元 「オヤジの相棒の娘か・・・・、そいつをなぜ?」
ルパン 「人質にとられていたのさ」
次元 「人質?
しかしそうは見えなかったけどな」」
ルパン 「あの子の父親は、ケン牧田と言ってな、かつては世界一とうたわれた金庫破りだった・・・・・。
しかしオレのオヤジが死んで、ケン牧田もそれっきり金庫破りから足を洗った。
そしてあのリエという一人娘と田舎町でひっそりと暮らしていたんだ。
ところがそれに目をつけたのが・・・・」
次元 「あの牧場の大将って訳か」
ルパン 「ジョージ滝川。かつての仲間のひとりだ」
ジョージ滝川 回想 「どうだケン、でっかい仕事だぞ」
ケン牧田 「断る! ルパン二世が死んだ時、金庫破りのケン牧田もこの世から消えた!」
ジョージ滝川 「オレがこれほど頼んでもか?!」
ケン牧田 「くどいぞジョージ」
ジョージ滝川 「じゃぁお前のかわいいリエがどうなってもいいんだな?」
ケン牧田 「リエ・・・
リエをどうしたんだ!」
ジョージ滝川 「ふっふふふふ、いやなに、遊びに来たいと言ってたんで、今オレの牧場で預かっているんだ」
ケン牧田 「貴様! たくらんだな!
頼む、リエを返してくれ・・・・、その代わり欲しい物はなんでも渡す」
ジョージ滝川 「ははは、いい心掛けだ」
次元 「で、娘は何も知らないのか?」
ルパン 「知らない、父親が泥棒だった事もな」
次元 「いつまで隠しておくつもりだ?
ルパン 「一生さ」
次元 「やれやれ」
ルパン 「いくぜ!」
次元 「うん? 何処へ?」
リエ(N) 「丁度いいところに、おじさまの山小屋があったわ。ルパンたちが来る前に、警察へ連絡しなきゃ」
リエ (電話している)
「そうです、ルパン三世です。え? 現在位置? チョット待って下さい。 
えぇーと今いる場所は・・・・。」

(ルパンが向かって来ていることに気づき)
「ああっ」
リエ(N) 「隠れなきゃ、でも、あの悪党・・・何とかやっつけられないかしら・・・」
次元 「ほぉ〜、留守らしいな」
ルパン 「アレをみろよ」
次元 「なるほど、頭隠して何とやらってやつだ。
・・・・・・・危ない!」
ルパン 「うわぁ!」
次元 「動くな!
リエ 「あぁ」
リエ(N) 「うーん、そこに居ると見せかけ、後ろから狙ったけど、やっぱりダメね。悪知恵の効く悪党にはかなわないわ」
0 SE-10 BGM ラジオ
ルパン (スープを食べている)
「ん、はぁ、食べなよぉ
腹がへっちゃいくさが出来ないだろう?」」
リエ 「ゴメンだわ、泥棒のものなんか!」
ルパン 「まっ、そうムキになりなさんな」
次元 「なーに言ってやがんだ、自分は一体何様だとおもってんだ、おい!」
ルパン 「次元!」
ラジオ・アナ 「特別ニュースを申し上げます。本日10時5分、警視庁に入った情報によりますと、ルパン三世が日高の滝川牧場から少女を誘拐して逃走中の模様です」
リエ 「あたしが連絡したのよぉ」
ルパン 「なんだって?」
リエ 「私が110番に連絡したの」
次元 「なんてことしてくれたんだ」
ルパン 「次元、話しがある、顔かせ・・・・」
次元 「なんだい、話しって」
ルパン 「銭形と滝川のはさみうちじゃ、3人でうろうろするのはかえって危ない
先回りして牧田の親父さんを安心させてやってくれないか・・・
必ず娘は連れていく・・・ってな」
次元 「やれやれ、わかったよ。

じゃ、成功を祈るぜ」
ルパン 「まーかしとけって」
リエ(N) 「次元と呼ばれていたひげの男はいなくなった。トラクターに私を乗せ、出発した。ルパン・・・何考えているのかしら?」
= SE-11 トラクター ヘリコプター
リエ 「あたしを何処へ連れていく気?」
ルパン 「もちろん、キミのパパのところへさ、あの山越えて野を越えて、鉄橋の向こうまでね」
リエ (疑いの目)
「・・・・・」
ルパン (ヘリコプターの音に)
「うん?」
リエ 「あぁぁ、助かったわ。
おじさまここよぉぉぉぉぉぉぉ!」
リエ(N) 「ああぁ、助かった。おじさまがヘリコプターで助けに来てくれたわ」
ジョージ滝川 「よし近づけろ

よし、縄ばしごをおろせ」
ルパン 「きぃぃぃぃ」
リエ 「もう少しよぉぉぉぉぉ!

あーん」
ルパン 「うふふふふ」
ジョージ滝川 「ええぃ、かまわんルパンを撃ち殺せ!

うん?」
^ SE-12 BGM
リエ(N) 「正面からは、あたしの呼んだ警官隊が助けに来てくれたわ。ルパン観念なさい」
ルパン 「コイツはいけねぇや」
銭形 「待てぇぇぇぇぇぇ!
神妙にその娘をこっちへ渡せぇぇぇ!」
ジョージ滝川 「遠慮するな、サツにリエを渡しちゃならねえぞ!」
リエ(N) 「あぁ、おじさまダメよ! その人は変な顔をしてるけど、警察の人よ。ルパンの仲間じゃないわ、撃たないで」
銭形 「くそうぉ ルパンの手下か?」
ルパン 「よーし、今だ!」
銭形 「待てぇ!」
リエ(N) 「だから、おじさま、その人は味方よ、撃ってはダメ」
銭形 「くそう〜っ」
リエ(N) 「おじさまが間違えて警官隊を止めていたスキに、ルパンはあたしを連れて山林鉄道の機関車へ」
ジョージ滝川 「ルパン奴、何処に隠れおったか・・・・・・・・」
ジョージ滝川 「うん? あの森林鉄道は使ってない筈なのに・・・」
¥ SE-13 機関車
リエ(N) 「次から次へと、おじさま達の追跡をかいくぐり、まんまとあたしをこんな所まで連れてきて・・・・・。
なかなかやるわね。あ、いやだ、あたし何考えてるの?」
ルパン 「汽車ポッポとはいい物があったぜ。
このまま行きゃじき鉄橋だ。橋の向こうじゃ親父さんがまってらぁ・・・・・
まだわかんねぇのか?」
リエ 「あたし、泥棒とうそつきは、だーーーーーーい嫌いっ!」
ルパン 「フン、 滝川の正体はさっき分かった筈だ。折角来た警官をマシンガンで邪魔したのは何故だと思うんだよ!」
リエ 「おじさまには何か訳があったのよ! ・・・・・・きっと仕方なくやったのよ」
ルパン  「まぁいいさ、おとなしくしてくれりゃそれでいいんだ」
リエ(N) 「そう、警官とルパンの手下を間違える訳はない・・・・。でも、わたしはおじさまを信じたかった・・・・。
おじさまのヘリコプターが向かって来た。おじさまはきっとあたしを助けてくれる、きっと・・・・・・。でも・・・・・・」
Q SE-14 ヘリコプター
ルパン 「うん?  来たな・・・・」
リエ 「おじさま・・・」
リエ(N) 「おじさまの部下、サブちゃん達が機関車に飛び移って助けに来てくれた。でもその形相はいつものサブちゃん達の顔じゃない。
マシンガンなんか持って・・・なんでマシンガンなんかあるの?
あっという間に、サブちゃん達はルパンをマシンガンで撃った。」
W SE-15 マシンガン
リエ 「ああっ
きゃぁぁぁぁぁぁ」
リエ(N) 「でも、ルパンはいつの間にかそこにはいなかった」
E SE-16 BGM
部下A 「くそう、服だけだ。やい! ルパンは何処行った!?
言え! 言わねぇと貴様も蜂の巣だぞ!」
部下B 「おいサブ! 大事な金づるだ! 手荒なことはするんじゃねえぞ」
部下A 「うるせぇ! オレは前からコイツは気に入らなかったんだよ!
お嬢さんぶりやがってよ、たかが金庫破りの・・・・・」
ルパン 「やめろ! おしゃべりはそれまでにしな!」
部下A 「え?」
部下B 「ひえーっ! ルパン!」
リエ(N) 「ルパンは素早く身をこなすと、機関車両の後ろへと向かった。それを見たサブちゃん達は、上と下から追った」
部下B 「はさみうちだ!」
部下A 「何? いない! ちきしょう〜!」」
リエ(N) 「ルパンは車両の下へ潜り込んで、サブちゃん達の目をくらまし、サブちゃん達の居る車両を切り離した。」
R SE-17 BGM
ルパン 「あばよ〜!」
部下A/B 「助けて〜っ!」
リエ(N) 「ルパンが戻って来た。なんてやさしい雰囲気な・・・・・。
あ、いやだ、この人ズボン穿いてない」
ルパン 「いよっ、はい一丁あがり」
リエ 「いやぁん」
ルパン 「うん? おお、いけね」
リエ(N) 「金庫やぶり・・・・・」
T SE-18 BGM
リエ 「ルパン教えて、本当の事を・・・、お願い・・・・・・。
パパと滝川のおじさまの間に何があったの?」
ルパン 「なぁに、ありふれた誘拐事件さ」
リエ 「うそよ! サブちゃん金庫破りがどうのこうのって・・・・。
あたし本当の事が知りたいの」
ルパン 「オレは、オーーーー泥棒の、オーーーー嘘つきだかんな、オレのこと真に受け取るとな、ひでーーーー目にあっちゃうんだから」
リエ (仕方なさそうに)
「うん・・・・・」
リエ(N) 「ルパンは何か隠している・・・・。でもこの人、本当に泥棒? 悪人なのかしら? こんなに一生懸命に・・・・・
警察を呼んだのはあたしだけど・・・・・、いったいどうしたら? この先で警官隊が待っているに違いないわ、どうするの? ルパン」
銭形 「いいか、ここで機関車が来るのを待つぞ。
早く来い、ルパン」
リエ(N) 「ルパンが真剣な顔になっている・・・。どうしたのかしら?」
ルパン 「くそお、銭形」
リエ 「どうしたの? 急にスピード上げて」
ルパン 「こっちへ来な!」
リエ 「ん・・・・でもぉ」
ルパン 「早く!」
リエ 「何すんのよぉ」
ルパン 「この先にな警官が非常線を張っている」
リエ 「ええっ?」
ルパン 「強行突破する、その時叫ぶんだ、大声で助けて〜って言うんだぞ」
リエ 「どうして?」
ルパン 「言われた通りにしてくれ」
リエ 「そうよ、ルパンは犯人・・・・、でも・・・・・」
Y SE-19 機関車
ルパン 「行くぞ!」
銭形 「来た!」
リエ(N) 「ルパンは警官隊の検問に突っ込む、怖い!」
銭形 「止まれ〜!     うわぁぁぁあ!」
リエ(N) 「ルパンは非常線を突破した」
銭形 「待てぇぇぇ!」
ルパン 「早く助けてって言うんだ」
リエ 「でもぉ」
ルパン 「オレは犯人だぞ!

(仕方なく自分でやる)
あれぇぇぇぇ〜 助けてぇぇぇぇぇ」
銭形 「ん? 絹を裂くような女の悲鳴・・・・ルパン奴、逃がさんぞ!
予定通り作戦開始!」
警官 「ハッ、了解!」
U SE-20 機関車 BGM
ルパン 「銭形にしちゃ あきらめがいいな・・・・・・・あら」
リエ 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ルパン 「うわぁぁぁぁ」
警官 「しまった!」
リエ(N) 「警官隊はレールのポイントを切り替え、強制的に機関車を止めようとしたわ、でも機関車のスピードが乗っていて、レールを乗り越え野原に飛び出してしまったの」
ルパン 「ギャハハハハハ、もうやけくそだ、走れ〜!
銭形 「急げ!
あぁ〜・・・・・・・、あの馬鹿・・・森の中をレールもないのに・・・・」
リエ(N) 「きゃぁ、もうむちゃくちゃ! でも、なんでだろう・・・・・・、楽しい・・・・・・。
ルパンもあんなにはしゃいじゃって」
ルパン 「そらぁ〜! そらぁ〜!」
警官 「あっ、出ました!」
銭形 はぁああん? こんな馬鹿な話しがあるもんか!  追え〜っ!」
ルパン 「どうだい、こんな汽車の旅は?」
リエ 「生まれて初めてよ」
ルパン 「ンフフフフ、オレもだよ。それぇ!」
銭形 「橋を遮断しろ! 逃げ道はそこしかない」
警官 「了解! 陸軍に協力を依頼し、第2非常線を張ります!」
I SE-21 戦車
次元 「戦車まで引っぱり出したぜ」
ケン牧田 「私が初めから警察に全てを話して任せればこんなことにならなかったんです」
次元 「おいおい、今更何を言い出すんだよ、そんなことをしたら娘がアンタの昔を知っちまうぞ、おい」
ケン牧田 「私に勇気が無かったんです。そのためにルパンを誘拐犯人にしてしまった。
今から警察に全てを話します」
次元 「ダメだ、そんなことをしてもルパンは喜ばねぇ・・・・・・。
やるとなったら奴は必ずやるんだ。そんな奴さ、ルパンって奴は・・・」
リエ(N) 「いいわ、もう・・・・ あたし、ルパンを信じてみる・・・・・。」
ジョージ滝川 「来たぞ!」
部下A 「出来たぜ!」
ルパン 「うほぉ、がんばってるぅ〜」
リエ(N) 「突然レール上が爆発したわ、滝川のおじさまの仕業ね?」
O SE-22 爆発
ルパン 「はぁぁ?」
銭形 「うわぁぁぁ・・・・。 くそう、ルパン奴〜っ!
くっ、待てぇぇぇ!   あ?」
警官 「ルパンの姿が見えません!」
銭形 「いや、ルパン一流の目くらましだ。あの機関車を追え!」
P SE-23 BGM
リエ(N) 「ルパンとあたしは、バラバラになった機関車と共に、谷下に落ちてしまった」
リエ 「あぁぁ、しっかりしてルパン!」
ルパン 「う、う〜ん・・・・」
リエ 「ルパン! ハッ!」
リエ(N) 「その時あたしはルパンの服から見えてる1枚の写真に気づいたの」
リエ 「パリにいた頃のパパ達の写真・・・・・・。この真ん中の人は・・・・・?」
リエ(N) 「ルパンが気づいた・・・・、どうしよう・・・。とっさにあたしは写真を隠した・・・でも直ぐに気づかれた」
ルパン 「う、うぅぅ〜ん。

こっちへ出しな」
リエ 「この人だぁれ?! アナタのお父さんね、ルパン二世ねっ!?
(写真を取られる)
あっ!」 
ルパン (写真をしまいながら)
「リエ、キミには関係無いことさ。それより顔でも洗おうぜ。
ん? その顔見てみなよ、あははは真っ黒けだ」
ルパン 「おーい、元気だせよ」
リエ 「パパも、滝川のおじさまも・・・・、アナタのお父さんの仲間だったのね・・・・・・・、泥棒だったのね!
だからパパは警察に頼まないで、アナタに頼んだんだわ・・・・・・パパの嘘つき! パパなんか大嫌い!  うぅぅぅぅぅ(泣く)」
ルパン 「冷たいようだが、泣いてるヒマは無いんだ・・・・・・。
隠さずに本当の事を話そう・・・・」
@ SE-24 BGM ビンタ
リエ (泣きながら)
「聞きたくないわ! 泥棒や嘘つきの話なんか!
パパなんか、パリから帰って来なければよかったのよ!」
ルパン 「馬鹿!」
リエ(N) 「ルパンはあたしの頬を打った。
世間知らずで、わがままに育った私の目を覚ましてくれたような気がした・・」
「 SE-25 BGM
ルパン 「パパはね、娘のキミが知っている通りのパパだよ。
パパに八つ当たりするのは、パパに会ってからにしようぜ・・・・・。
さぁ、涙を拭いて・・・、その顔パパが見たらびっくりするよ」
リエ(N) 「ルパン・・・・、そうね・・・・。やっぱり信じて見てよかった。
でも、滝川のおじさま達は・・・・・、あ、ヘリコプター」
A SE-26 ヘリコプター
ルパン 「もう来やがった!」
ジョージ滝川 「リエ〜っ! こちらに走って来るんだ! 来ないとルパンと一緒に撃ち殺すぞ!」
リエ 「いいわよ! 撃ってごらんなさい!」
ルパン 「馬鹿ぁ、奴は本当に撃つ気だ・・・・・、ほうら来た!
S SE-27 マシンガン
ジョージ滝川 「やめろ、弾が無駄だ・・・・。あの空き地へおろせ!」
リエ(N) 「ルパンは森の木々を使って、ヘリコプターを攻撃する武器を、素早く作った。大木の力を利用した、大きな弓矢を作ったの」
ルパン 「来たぜ! ・・・・・・・・・今だ!」
ルパン 「ア・タ・リ!」
D SE-28 ルパン攻撃  爆発
(爆発あと)
リエ(N) 「滝川のヘリコプターは、よろよろ飛んでいって、爆発した」
ルパン 「銭形のとっつあんに、オレのこと聞かれたら?」
リエ 「とっつあん?」
ルパン 「ああ、警部のことさ・・・・・・。言ってごらん」
リエ 「警戒が・・・・厳重なので・・・・私を置いて逃げました・・・・」
ルパン 「そうそう、そう言うんだ。滝川の事は何も言っちゃいけないよ。
あくまで犯人は、このオレなんだぞ!」
リエ 「ルパン・・・・」
ルパン 「さぁ、パパに向かって・・・・突撃!」
F SE-29 BGM
リエ 「ありがとう・・・、ルパン」
ルパン 「フフフ、ほら、行って行って・・・」
リエ 「さようなら・・・」
ルパン 「バイバイ・・・・ンフフフフ・・・・・・(小声で) リエちゃん・・・・」
銭形 「あ〜、アナタがルパンに誘拐された牧田リエさんですね?」
リエ 「はい・・・・・、あたしが・・、リエです」
銭形 「大分疲れてとるようだな・・・。で、ルパンは?」
リエ 「・・・・・・・・・」
銭形 「ルパンは何処へ行ったんです?」
リエ 「・・・・・・・・・・・・・警戒が厳重なので、私を置いて・・逃げました・・・」
銭形 「くそうぉぉ、ルパン奴!  あとは頼む! オレはルパンを追跡するぞ!」
リエ 「ルパン・・・・・・」
リエ(N) 「ルパン・・・・、無事に逃げて・・・。私は追いかけていく警部さんの背中を見ながら、思わずそう考えていた。
振り返ると、橋の向こうにパパの姿が見える」
リエ 「はっ、パパ・・・・・・、パパぁぁぁ!」
リエ(N) 「私は走り寄り、パパに抱きついた。ルパン・・・・・・ありがとう」
次元 「やれやれ、大団円か・・・・・・・。
さて、ルパンを探しに行くとするか」
G SE-30 ED
BGM終了 END