侍ジャイアンツ
第21話 出たぞ! ハイジャンプ魔球 

キャラクター説明  
性別 キャラクター 性  格   
番場 蛮  主人公  熱血  富山敬さん
八幡太郎平  番場の先輩  気が弱いが、熱心  納谷六朗さん
  三原監督      北川国彦さん
眉月 光  ヤクルトの選手 番場のライバル イケメン・天才  井上真樹夫さん

コーチ 
アナウンサー  野球中継アナ     佐久間功さん
 
主審
 
     
解説者   野球解説者    鈴木奉明さん
  医者
川上監督 
     
  美波理香  番場が恋する女性、
番場を気に掛けている。
武藤礼子さん
   場内アナウンス      
  その他 特殊名称など  
 
 
           

5:1

(ラジオ)からの音声(エフェクト推奨)

侍ジャイアンツ 第21話 「出たぞ! 新魔球」
この作品は

1973年10月7日から1974年9月29日まで、
毎週日曜日19:30〜20:00に曜日よみうりテレビの制作により日本テレビ系列で放映のものです。
Aパート
001 アナウンサー 「48年度ペナントレースの開幕、ここ後楽園球場は巨人・ヤクルトの第1回戦。

先発の堀内、初回たったの3球で2点を失うという大番狂わせ・・・」
アナウンサー
(ラジオ)
「まさにV9を狙う巨人軍の、今年の苦しい先行きを占うような立ち上がりと言えましょう」
解説者
(ラジオ)
「毎年巨人は投手難と言われてるんですが、今年ほど苦しいことはない・・・・」
八幡 (上の解説者にかぶって可)
 「番場! 今の球、もう1球投げてみいや!」
005 番場 「うおぃ 先輩! 見ててくれ、今度は変化させるぜ」

「それぃ!」
八幡 「う、う〜ん、ダ、ダメだ、理屈通りの回転はしちょるんだが、少しも変化はしちゃせんぞ」
番場 「ちぇ、ま〜だダメか、くそ〜」

「おいボールよ、頼むから今まで誰も投げたことのない変化をしてくれぇ
オレはありったけの情熱をぶつけてるんだぜぇ〜」
アナウンサー
(ラジオ)
「堀内また打たれたぁ〜!
4対0 ついにピッチャー交代です」
番場 「それぇ〜!

(疲れ気味) 先輩、どうだった? 少しは変化したんじゃねぇか? えぇ〜? (息切れ)」
010 八幡 「いやぁ〜 変化しちゃせん。回転もさっきより少ないようじゃ」
番場 「(息切れ) 「くそぅ、まだ駄目かぁ〜」 (息切れ)
八幡 「番場、もうこんな練習はやめじゃ」
番場 「えぇ」
八幡 「こうして新しい変化球に取り組んでから、お前の身体はガタガタじゃぁ、
無理なボールの握り方、ひねり方、無茶な投げ方が少し過ぎる。
そのためにイースタンリーグさえ出られんコンディションじゃいか〜」
015 番場 「へへへ、イースタンリーグなんかどうだっていいさぁ〜 ハッ」
八幡 「イカン!
おい番場、悪いことは言わん、今ある変化球の中から、シンカーでもシュートでも二つ三つ身に付けるんじゃ、
そうすれば、剛速球じゃち、少しの改良で十分威力を持つ。
それでイースタンで立ち直りさえすれば・・・、」
アナウンサー
(ラジオ)
「あぁ! 眉月打ちました! ボールはグーンとレフトへ伸びた、入りますか? ホームランか?
入ったぁ! ホームランです。
目の覚めるようなホームランが出ました、8対1」
解説者
(ラジオ)
「みごとですねぇ これで巨人は息の根を止められましたね」
解説者 「しかし、巨人の投手陣は不甲斐ないですよ、堀内が崩れ、新人玉井がダメ・・・
020 解説者
(ラジオ)
 秋元から関本へのリレーがこれまた総崩れ、こんな投手陣ではたしてV9は狙えるんですかねぇ〜」
番場 「へへへ、これじゃ川上のおっさんも打つ手無いよね」
八幡 「おい、番場よ、お前も早く役に立つんじゃ、
こんな無駄な特訓はやめて、さっきも言うた通り・・・、」
番場 「断っとくけどねぇ先輩、
オレは人の使い古した変化球なんて、死んだって投げないぜ」
八幡 「ぬっ、お前って奴は・・・」
025 アナウンサー
(ラジオ)
「中日球場の試合が終わりました、中日が逆転勝ちですねぇ
新人、大砲万作の大活躍です」
解説者
(ラジオ)
「いいですね、中日の大砲、ヤクルトの眉月と今年は大型新人の出現で、セ・リーグはおもしろくなりそうですねぇ」
番場 「くっそう〜 眉月、大砲に負けないためにも、どうしたって新しい変化球が欲しいんだい、なぁわかってくれよ八幡先輩!」
八幡 「まっこと困った奴じゃぁ、一旦言い出したらどうしようもない。
よっしゃ! こうなったら地獄の底まで付き合うちゃるぞ!」
番場 「ありがとう〜、そんなら直ぐ始めようぜぇ!
ほぅ〜、先輩はいいお人や、ほんまにほんまに神様やぁ! フフ!」
030 八幡 「ちぇ


さぁ、今日のところはあと少しにしておけ、もうだいぶ疲れちょるき、ええかや?」
番場 「わかった、わかった、疲れちゃいるが、眉月、大砲なんかに遅れを取ってちゃ、そうのんびりはやってやれないのよ、

今度は、今までと逆に捻りを加えてみせるぜ、よぉ〜く見ててくれよぉ〜!」
八幡 「よっしゃ、ただ、あまり無理するなや!」
番場 「ああぁっ!」
八幡 「番場!」
035 番場 「痛てててて・・・、痛て、痛て・・・・」
八幡 「だ、大丈夫か!

どげんしたぁ、蛮!
投手にとって命の次に大事な利き腕じゃいか

待っちょりやぁ、直ぐに救急車を呼ぶきのぉ〜」
八幡 「せ、先生、どんな具合なんですか?」
解説者
(医者)
「う〜ん、そうね、思ったより症状は軽いほうだが、ここ2、3日はあまり無理な筋肉の使い方をしないことじゃな・・・」
八幡 「2、3日・・・」
040 八幡 「わかったな蛮、無理がいかんじゃ、無理が・・・」
番場 「わかってるよ、そのくらいのことは〜ぁ」
眉月
(声)
「危ない! よけてくれ〜!」
八幡 「番場! 危ない、上から何か落ちてくる!」
番場 「ん?」
045 八幡 「凄い、スパナがボンネットにめりこんじゃる。あの高さからなら当然ではあるが・・・、

ほ? どがいした番場?」
番場 「み、見えた・・・、新しい、ボ、ボールが・・・」
八幡 「何が見えたがじゃ?」
番場 「ほんのチラっとだが・・・、新しい球だ! 球だ〜!

直ぐ多摩川に行って練習でぇい」
八幡 「ま、待て! 馬鹿をするな!
お前の腕はしばらくはなぁ・・・」
050 番場 「わかってらぁ〜い! 
でも、そんな暇はないぜぃ、
一刻も早く新魔球を完成さして、1軍のマウンドに立つぞぉ〜!」
八幡(N) 「いまはオレも本気で番場の新魔球実現に掛けてみる。
腕の痛みをものともせず、前に進もうとするお前の姿に、オレは野球の地獄を見たぞ!」
番場 「ええぇぃ 先輩! どんどん高くしてくれ〜ぃ」
八幡 「よっしゃぁ〜!
     番場  「ヒョイと、
(失敗して)あぁぁぁぁっ〜  くっそう〜」
 055    八幡  「こらぁ! 立て! もっと高くする!」
番場 「やいやい、もっと、ゆっくり回せょ、やけになってぶん回しやがってよぉ〜、痛てぇ! 効くぅ〜 」
八幡 「こら! 休むな!」
番場 「てぇ、厳しい〜ぃ」
八幡 「こら蛮! 休むな!」
060 番場(M) 「あいつ、いつから鬼になりやがった?」
八幡(N) 「番場の姿に地獄を見た、あの日からこうやって何日か過ぎたが、新魔球に向かっていく番場の気迫、ますます盛んになっていくようじゃ」
番場 「くそぉぉぉ」
理香(M) 「連日続けているあの熱気のこもった練習、あたしには何のためかわからないけど、でもあのバットをよける練習なら、あたしも手を貸すことが出来そうだわ・・・」
八幡 「わぁぁぁ! なんでオートバイが?」
065 番場 「ん? り、理香!

やい理香! なにしやがんでぃ!」
理香 「蛮ちゃん、横によけないでジャンプするのよ!」
番場 「えぇ? これ練習のつもりだったの?」
八幡 「なんじゃ、突っ込むオートバイをジャンプでよけて・・・、あれでも練習のつもりか・・・」
八幡(N) 「それから毎日、振り舞わすバットをよける練習と、オートバイをよける練習で。蛮のジャンプ力、瞬発力は鍛えられていった

そして・・・」
070 番場 「へ・・・、へへへ、や、やったぜぇ」
八幡 「で、出来た! 出来たぞう、番場!

番場ぁ、よかったな!
このことを一刻も早く川上監督に知らせるんじゃぁ! 電話じゃぁ!」
解説者
(川上監督)
「な、何! 新魔球を発明しただと?」
番場 「はい、それで一刻も早く、お目に掛けたいと・・・」
解説者
(川上監督)
「なるほどわかった、よし! わしは直ぐ、王を連れて行こう、その新魔球がどれほどの物か、確かめさせてもらうぞ」
075 アナウンサー
(王)(M)
「番場の言う新魔球、果たしてどんなボールか?」
解説者
(川上監督)(M)
「新魔球、新魔球と言って、番場は何を見せようというのだ?」
番場 「王さん、お願いしまーす」
アナウンサー
(王)
「ム」
       
番場 「行くぜぇ〜」
     アナウンサー
(王)
 「ム?」
    解説者
(川上監督) 
 「あ、ああぁ〜!」
     アナウンサー
(王)
 「あ、あああぁぁぁ〜!」
080 八幡(N) 「番場はオレの構えるミットにボールを、新魔球を投げ込んだ。
これには王さんも驚き、空振りだった」
    解説者 
(川上監督)
 「な、なん・・・・」
アナウンサー
(王)
「何ということだ、
か、監督! 今のを観ましたか?!」
解説者
(川上監督)
「見たとも」
084 番場 「これが新魔球よ!
ハハハハハハ・・・・」
Aパート終わり
 
 Bパート
001 アナウンサー 「さぁ、9回の裏、ついにツーアウト、
巨人の新浦、あとひとりで2試合連続完封勝ちを、決めるかどうかという場面になりました。
投手難の巨人にあって、おとといの対ヤクルト第2戦を完封した新浦、今日も又崩れそうになりながらもよく立ち直り、無得点に抑えて参りました。
ここで迎えるバッターは、去年の首位打者、若松」
番場 「新浦先輩! あと一人だ、一人! がんばれ! バッター打てないよ!
ほら、ど真ん中、いけいけ〜ぃ!」
八幡 「ははは、番場よ、新魔球を買われてベンチ入りはしたものの、これじゃ出る幕がないのぅ」
番場 「ホントだよ、オレ、眉月とは早く決着着けたいんだけどよぉ〜」
005 八幡 「あぁ、我が巨人軍にとっては喜ばしいが、それにしても番場の出番を作っちゃくれんのか、新浦さん」
解説者
(川上監督)
「こら! お前たちさっさとブルペンで投球練習をやっとけ!」
番場 / 八幡  番場 「はぁ」  八幡「はっ」
眉月
(コーチ)
「何が はぁ だ! 新浦は今危うく崩れそうなのが判らんのかい?
非滅兵器はそんな時遊んでいられるのか?
早うブルペンへ行かんか!」
番場 / 八幡 「ハ、ハイ!」
010 理香(M) 「蛮ちゃん、今日晴れて1軍へベンチ入りと聞いたら、もう居ても立っても居られくなったわ、あたし!

きっと新魔球と言ってたボールが完成したのね」
アナウンサー 「打ちました、若松!

ツースリーから粘ってよく打ちましたヒット!

中尾に第1球! 投げました、 打った!  三遊間!
たちまち1,3塁。 新浦球威がなくなりましたか、土壇場で捕まりました。
9回の裏ツーアウト、あとひとりというところまで追い込んで置きながら新浦・・あーっと! またボール、
さぁ、大変なことになりました、形成逆転、満塁の大ピンチ」
     審判  ボール、フォアボール!」
    アナウンサー 「 さぁ、大変なことになりました、形成逆転、満塁の大ピンチ」
八幡
(三原監督)
「どや、眉月、ここで一発ガンと行く自信があるか?」
眉月 「は?」
八幡
(三原監督)
「おととい、この新浦を攻めあぐねていたんでスタメンから外しておいたが、そろそろ奴を打ち込んでみんかい、 ン?」
015 眉月 「監督、任せてください、彼の決め球を打ち込んで見せます。
理香
(場内アナウンス)
「ヤクルト、東条に代わって眉月、背番号70」
アナウンサー 「眉月の人気は相変わらずです。
しかし三原傭兵は大胆ですねぇ、
いくら苦手とはいえセ・リーグの打率トップ、しかもレギュラーの眉月をですよ、
ベンチへ引っ込めておいといたり、今度は土壇場で出してみたり・・・、」
解説者 「ははは、でもそれは三原傭兵の「妙」というやつですね、
おそらく眉月をベンチに置いて、チクショウ!と気持ちを持ったところで打たせるんでしょうな」
アナウンサー 「あぁなるほどねぇ。
あ、川上監督も立ち上がりました、どうやら新浦をあきらめたようです」
020 解説者
(川上監督)
「リリーフ、番場蛮!」
アナウンサー 「驚きました、オープン戦で一度しか投げていない番場を、この場面で起用とはね・・・、」
解説者 「う〜ん、わたしにもこの傭兵はわかりませんな」
眉月(M) 「くそう、川上監督はオレを何だと思っている。
ロッテに打ち込まれた番場でも、オレには通用するとでも考えているのか?」
番場 「いよ〜ぅ、みんな期待しててよ〜、ハハハ」
025 理香(M) 「いなせの眉月くんとは、新魔球の門出にうってつけの舞台ね」
眉月(M) 「フフフフ、こうなったら、このオレにも通用しないということを、思い知らせてやるだけさ」
番場(M) 「それよ!

へへ、本番になって驚くなよ〜」
解説者
(川上監督)(M)
「フフフ、眉月も三原監督も、腰を抜かさないことだな・・・、

     吉田  「おい、番場! 少しあまいぞ!」
    解説者
(川上監督) 
  (慌てて)
「おっとイカン! 交代だ

キャッチャーも交代だ、吉田に代えて八幡!」
030 眉月(M) 「なぜだ? なぜ吉田さんをわざわざ2軍同様の八幡に代えるのだ?」
八幡 「番場! 嬉しいな、ついに晴れ舞台でお前の球を受けてやれるぞ、頑張ろうぜ」
番場 「あぁ〜、やってやるとも先輩・・・、
(M) あ、そうか、吉田さんはまだ新魔球を捕球したことが無かった・・・」
眉月(M 「きっと何かある」
番場(M) 「へへ、オレの新魔球、ついにひのき舞台へ上がったんだ、夢のようだぜ」
035 眉月(M) 「う〜む、何かある事は確かだが、それが何かわかるすべが無い」
アナウンサー 「お〜っとと、眉月どうしたことか、バッターボックスに入る寸前で立ちんぼ、なぜかまだ打席に入りません」
解説者 「番場の投球練習はとっくに終わっているのに」
眉月(M) 「一体、何があるというのだ?」
番場(M) 「ん? 眉月の奴、どうかしたかな?」
040 八幡(M) 「う〜ん、さすが人一倍野球センスの優れた奴、何かあると慎重になっているぞ」
アナウンサー 「う〜ん、おかしいです眉月、主審に促されてやっと打席へ入りました」
アナウンサー
(審判)
「プレイ!」
番場(M) 「へへ、どうやら覚悟を決めたか眉月、
眉月(M) 「まず、1球投げさせてみよう、対策はそれからだ」
045 眉月 「ハッ!」
八幡 「出るぞ、新魔球!」
眉月 「おおおぁぁぁ!」
理香 「これが新魔球?」
     三原監督  「おお〜ぇ?」
番場 「おりゃぁ!」
050 眉月 「あああぁ」
八幡 「今のはストライクでしょうが!」
アナウンサー
(審判)
「ストライク!」
眉月 「抗議する!

今の投球はルール違反ではないのか? 主審!」
解説者 「驚きました、前代未聞、奇々怪々、何ですか、今の投球は?」
055 アナウンサー 「ほ、ホントホント、眉月の抗議はもっともですよ、
あ、三原監督がでてきましたね」
八幡
(三原監督)
「きみぃ! こんなバカげた投法認めちゃいかんよ、ボークと言い直したまえ!
あれはルール違反じゃないか!」
アナウンサー 「さぁ、ヤクルト側がルール違反を主張して試合中断、審判団は協議に入りました」
解説者 「驚きましたな、ここでは仮にハイジャンプ投法と言っておきますが、多分ルール違反ですね」
アナウンサー 「ホントホント、こんなのが認められたら世界中大騒ぎですよ」
060 眉月
(コーチ)
「監督、確かにあれは凄いボールですが、本当にルールに触れていないんですか?」
解説者
(川上監督)
「うん、あれを初めて見たときに、わしもそう思った
だから、王とふたりでルールに関するありったけの文献を当たってみた、
その結果・・・、」
眉月
(コーチ)
「結果?」
解説者
(川上監督)
「それが決してルール違反ではなかったのだ」
アナウンサー
(主審)
(マイク)
「え〜、ただいまより審判団、協議の結果を説明致します。
先ほどの巨人軍、番場投手の投球法が、ルール違反ではないかと、ヤクルト側から意見が出されましたが、
ルールには、実際投球する時を除いては、どちらの足も上げてはならないとあり・・・、
言い換えれば、実際投球する時なら、どちらの足も地面から上げていい、すなわちジャンプしてもいい訳です」
    眉月  「ン?」 
     アナウンサー
(主審)
(マイク)
「ゆえに、番場投手のピッチングは、違反ではありません。バッター眉月のストライクワンより試合を続行致します」
065 アナウンサー 「どうやら、ルール違反では無かったようです、驚きました。
巨人の新人、番場蛮、いきなりハイジャンプ投法を引っさげて登場」
解説者 「う〜む、本当に驚きですわ」
アナウンサー 「さぁ、いよいよ試合再開、眉月再び打席に戻ります」
アナウンサー
(主審)
「プレイ!」
番場 「へへ、眉月はあと2球で終わりだぜ」
070 眉月(M) 「番場よ、この新しい投球法、ルール違反してない以上、認めるぜ、
しかしこのボクに負けを認めさせるには、あと2球は最低投げてもらおうか、
初めの1球を分析し、2球目を叩くために」
番場(M) 「フン。いくらおっかない顔したって、この勝負は負けるわけにはいかないのよ」
アナウンサー 「番場、眉月に第二球・・・・」
眉月(M) 「う〜ん、球の速度、落差、角度・・・」
アナウンサー
(審判)
「ストライク!」
075 番場(M) 「眉月奴、おかしなカッコつけやがって! ど、どういうつもりだい?」
眉月(M) 「う〜む、 ジャンプして投げるタイミング、ボールの速度、角度、落差、すべてわかった。
しかし、あのボールの速さは、落差から来る目の錯覚ではなく、本当に速い!
あの踏ん張りの効かない空中から、よくあれだけの・・・・、
番場奴〜!」
アナウンサー 「バッターの眉月も必死,
何とかあのボールを知ろうとする構えですかね?あれは・・・、」
解説者 「いやぁ〜、大したもんです、あの恐るべきボールに対し、自分の目線を変え球威の分析、バットを水平に構えて角度をみるあたり、恐ろしい心機ですなぁ」
080 眉月(M) 「あのボールを少しでも打ちやすくするには・・・、
投手から1番遠いところ、それは捕球する寸前だ。
しかし、かなり低いところで打たねばならん・・・、
・・・・・、とすれば、ゴルフスイングか・・・、

とにかく、やってみるだけだ!」
番場(M) 「へっへ、どうしたい眉月、何やら打つ方法を考えたろうが、オレの投げるのは新魔球だけだぜ。
あぁ? さすが眉月、位置を後ろへずらしたって訳か・・・、
それでもオレの投げるボールは、ただひとつ・・・・・・、」
     アナウンサー 「さぁ番場、次もジャンプ投法か? 
     番場  ・・・・新魔球のみだぁ!」
眉月(M) 「あぁ! あの角度じゃ・・・
でも、ストライクだ!
085 アナウンサー
(審判)
「ストライク! バッターアウト!」
眉月 「おれの・・・、負けだ!」
番場 「ふ、遂にやったぁ!」
アナウンサー 「やりました! 3球三振!
番場リリーフ成功!
恐るべきジャンプ投法、ここに誕生!
眉月完敗!
遂にかすることもできませんでした!」
眉月(M) 「クッ、、、ぅぅぅぅ このお返しは必ずあると思ってくれよ! 番場!」
090 理香(M) 「蛮ちゃん、おめでとう、とうとうやったわね」
八幡 「おめでとう! 番場ぁ〜!」
番場 「やったぜ、せんぱ〜いぃ!
八幡 「番場ぁ〜!
094 番場 「やった、やったぜ! ハハハハ・・・・・、ぃヤッホ〜!」
予告 「ハイジャンプ魔球で眉月を倒した蛮は、次のヤクルト戦に完全試合をやると宣言した。
眉月は魔球打倒を目指して寺にこもり、猛特訓を開始する。
そして、蛮の完全試合達成かに見えた最終回、やっと駆け付けた眉月は魔球の欠点を見抜いた。
さて、次回の侍ジャイアンツ「怒涛の完全試合宣言」をお楽しみに」
Bパート終わり
侍ジャイアンツ 第21話 「出たぞ! 新魔球」 終わり
第  話へ続く