18世紀末から19世紀にかけて、ギターは3つの大きな変化を遂げます。
一つはネックと独立した指板が取り付けられたこと。スペイン方式とも言われます。それまで、ガット製のフレットをネックに巻きつける方式をとっていたものが、独立した指板に金属製のフレットを打ちつけ、それをネックに貼りつけるようになりました。これは、耐久性においても、音色面においても、大きな進歩と言えるかと思います。
もう一つはギア式弦巻きです。1820〜30年代のパノルモやラコートには既にギア式弦巻きが使われていました。但し、フラメンコギター等、一部のギターには、今も木製の弦巻きが使われています。
また、見えない部分ですが、さらに大きな改良点として、ベネディトのギターに見られるような「ファンブレーシング」の導入が挙げられます。それまでは、リュートと同様に水平方向の力木しか存在しませんでした。これは、「巻き弦の開発」と同様、「音量のある楽器への指向」と言えるかもしれません。