16世紀のギター(ギターラ)は、当時、同じギター属のビウェラと切り離せない関係があります。当時のビウェラは6対か7対の弦で、標準的な6対のチューニングは、1弦をぎりぎりまで高く張り、4度−4度−3度−4度−4度といった構成になっていました(時代により、違う調弦法もありました。)。このビゥエラは、当時、裕福な階層に広がっており、それとは逆に一般の民衆に伴奏楽器のように使われた小さな楽器をギターラと呼んだようです。その小さなボディに合わせた弦長と、当時の弦の未発達な製作技術の為、ギターラに5〜6弦はつけられなかったようです。ちなみにギターラの調弦は4度−3度−4度で、現代の1〜4弦の関係と同じです。音域は9度か10度しかありませんでした。
何故、複弦を使っていたのかというと、当時の弦の質の問題で、オクターヴ重複によって、上声の響きを豊かにする必要があったということです。
1596年にアマートの小冊子「5コースのスペイン式ギター」が出版されたといわれますが、この少し前にマエストロエスピネルによって第5弦が低音に追加されたとのことです。この頃から、個々の和音をアルファベットで表し、ラスゲアードでかきならす単純な奏法がギター音楽の発展をリードしていきました。「ガチャガチャかき鳴らす」ギター奏法は、このスペイン式の5弦ギターから始まったそうです。調弦は4度−4度−3度−4度です。
楽器の発展の方向として、より音を大きく、音域を広くという演奏者の欲求を基にした6コース単音弦ギターは、弦を製作する技術が発展する18世紀を待たなければなりませんでした。


 ↑5コース復元ギターです。