誰が第6コースの発案者であったかについては、幾つかの説があります。
一つは、ドイツのギター作りに関連して、1788年にワイマール公妃アンナ・アマーリアのイタリアから持ち帰ったギターを基にギター製作をしたといわれるヴァイオリン製作家ヤーコプ・アウグスト・オットーJakobAugustOttoによるという説。また一つはスペインのバシリオBasilio神父によるという説です。
現存する最古の6弦ギターはヨアヒム・ティールケの1703年作のものですが、これは後世に6コース目が付け足されたそうです。製作過程からオリジナルのものでは、カディス出身のヨゼフ・ベネディトJosef Benedid作1783年製のギターがあります。ただし、これも、5弦ギターの特徴を残したまま、6弦を追加した物だそうです。
1773年にオルレアンのフランソワ・リュポFrancoisLupos工房で6単音弦ギターが製作されており、これは、ワシントンのスミソニアン博物館にあるが、木製のピンで弦を固定するブリッジがついているそうです。
1773年に6弦ギターが作られているとすれば、1788年以降のオットーの説は早々に否定されていていいような気もするのですが・・・。
イタリアナポリの製作家の説等、他にも説は存在しているとのことで、時期はほぼ重なっているものが多いものの、どれが正しいかは、はっきりとわかりません。
歴史の捉え方として、「6弦ギターの製作」が先にあったのではなく、「6弦の製作」ができるようになったために、多くの製作家が6弦ギターの製作を同時期に行ったということかもしれません。