2.ネックの構造

クラインギターのネックはローズウッド製です。これは、密度の高いハードウッドで作ったほうが、弦振動を吸収せずに、ブリッジを、より、ハードに振動させるという考え方によります。
グラファイト板が入っており、細くてもネック自体が反ることは、ほとんどありません。
トラスロッドも、しっかり入っています。
ネックのジョイントは、デタッチャブル方式のスライドジョイントです。
高精度で作られたボルトオンは、タブテイルに劣らないという考えです。
ネックの厚みは、エレキのようにローからハイまで変わらず、ほぼ均一です。これにより、ネックの質量も均一になります。
スライドジョイントは、ボディ側に作られた溝にほぞをかませて、ボルトでジョイントします。L45.7は4箇所ボルトがあるようですが、S39.6は私の確認では、3箇所でした。ただし、ほぞの精度が非常に高い為、ボルトは補助的なものだそうです。
ネック側にアルミ製の金具をつけて、それにボルトでしっかりととめてあります。
フレットとトップの間には、微妙な隙間を意識的に作ってあります。これは、ネック起きがおこった時の調整用です。
とてもすっきりしたヒールレスネックですが、弦を張ると、その張力でネックとボディのつなぎ目のヒール下にあたる部分に、ほんの少し、隙間が空きます。これも計算された構造だそうです。
指板の仕上げは絶品で、おそらく、これを「弾きにくい」と思う人は、とても少ないと思います。私がこれまでに弾いてきたギターの中で、最も弾きやすいギターです。