4.トップ&ブリッジ

 だるまのような形をしたユニークなボディシェイプで、メイプルバインディングです。
サウンドホールの周りには、クラインギターの特徴ある太陽のようなデザインのインレイがあります。
ホールのエッジにはカーボングファイトの補強があり、これもマークシリーズのサウンドホールリングに共通する特徴の一つです。物理的にホールを守ることと、不必要な共振を防ぐのがねらいではないかと思います。マークシリーズはサウンドホールリングで高さをつけていますが、これは評判が悪く、クラインギターでは厚みはありません。トップ裏にも、カーブしたブレース等と組み合う形でホールの補強がされています。
かなり大きなトップ面ですが、それでもL45.7に比べれば、ずっと小さく、弾きやすいです。ボディも薄いのでとても抱え易く、あぐらをかいたままでも安定して弾く事ができます。
トップ面が広いと低い周波数の振動をしっかり音にすることができるという考えに基くようです。逆にボディ厚は、厚すぎると高音が出なくなるとのことです。ただ、私の考えでは、やはりボディ厚は、ある程度はバランスよくないと、「音の深み」が感じられなくなり、極端になると聞き辛い音に仕上ってしまうような気もしていますが・・。
ブリッジは、インピーダンスマッチングブリッジです。デザイン上のこともあるかと思いますが、クラインギターでは高域側と低域側にブリッジを分けてあり、マークシリーズよりもトップ上の振動の「役割分担」がはっきりとしているようです。けれど、最近のサドル下のピックアップを付属したモデルでは、このブリッジの分割はされていません。クラインギターに後付けでピックアップを埋め込んだ結果が「低音がぼやけてよくなかった」という話しを聞いています。その原因が、この「ブリッジの分割」にある可能性もあると感じています。もちろん、弦高調整のし易さを狙ったセパレートサドルのままでは、埋め込みのピックアップはつけようがないですが・・。
ピンを使った弦留め等、他にも随所にクラインのアイデアが盛り込まれています。