’77SomogyiClassic


’77年のソモギのクラシックギターです。
トップヨーロピアンスプルース、サイドバックハカランダ、somogyi氏らしい透明感のある音色のギターですが、とても味わいも深いギターです。
このギターでないとは思いますが、somogyi氏が同じ’77sのクラシックギターをCarmel Classic Guitar Festivalに出品し、それまであった大きな自信を失い、ギター製作家をやめようかと悩まれた時期の作品です。
しかし、私自身の印象では、このギターの音は著名なクラシックの製作家に劣らないものであると感じています。
結果として、クラシックギターの製作家から、鉄弦を中心とした製作家へシフトするきっかけとなった年の作品ということです。
 
ロゼッタの装飾は、クラシックらしい手の込んだものです。模様の組み方に、今のセグメントロゼッタのデザインと通じるものを感じます。
サイドバックのハカランダは、とても見事なものです。
 





ブリッジの装飾も、ロゼッタと同じものが埋め込まれています。

 
ヘッドは、既に“Magic Darts”と呼ばれる尖りヘッドの原型ができています。’79年のクラシックにも同様のヘッドを確認しました。somogyi氏がギター製作を始められて、比較的すぐにデザインし取り入れられたシェイプなのでしょう。
最近のものは、クラシックも含めて、もっと尖ったデザインとなっています。
 
ネックは異材を挟んだメイプルでしょうか。挟まれた材を含めて、はっきりとはわからないでいます。
残念なことに、私はこのクラシックギターの音を出しきれていません。鉄弦をフィンガーピックで30年以上も弾き続けてきてしまい、クラシックの音出しの基本ができていないためです。クラシックから入ったプレーヤーの出す音を聴くと、うらやましくなります。猫に小判状態を脱却したいのですが・・・。