パン工場

世にも名高いヤ〇ザキのパン工場である。

ここの一番の特徴といえば、そのキツさである。

「ヤ〇ザキのパン工場」といえば、知る人ぞ知るキツいバイトの代名詞なのだ。

私がバイトしたのは G・Wの3日間だけだが、「3日だけにしといてよかった」と、バイトが終わった後、本気で思った

今までいろんなバイトをしてきたが「もう2度とやりたくない」と思ったのはこのバイトが最初で最後である。

なぜキツいのか?

それは仕事の内容が超単純作業だからである。

仕事を覚えるのに時間はかからない。
私の場合、3秒で仕事を覚えた。それくらい単純な作業なのだ。
さすが「1日だけの勤務でもOK」と言うだけはある。

奇しくも私がバイトしたのは5月の連休、そして配属されたのは「和菓子」。

 現場は柏餅一色である。

私の仕事は「機械から流れ出てくる柏餅を柏の葉につける」

それだけである。

それを休憩の1時間を挟んだ12時間、延々と続けるのである。(実働11時間)キツくないわけがない。

5時間も同じ所に立ち、同じ動作を繰り返す。想像してみてください。


最初は気が狂いそうになり、暴れたくなる。しかし、時間がたつとそんな元気もなくなり、「ふにー」と、してくる。


「これはいかん」と、気分を変えるために柏餅の数を数える。


1万個数えた時点でギブアップ。


飯の時間には茫然自失状態。

仕事は単純だが、休む暇がない。飯を食べる1時間以外の休憩はない。

仕事中、話をするバイトはいない(そんな暇はないのだ。よって皆、無言で黙々と仕事をする)

足がしびれても座るどころか、屈伸をする暇すらない(そんな時間的余裕はない)

くしゃみをする余裕すらない(我慢するのだ)

唯一休めるのは、機械に餅が詰まって止まったときだけ。(しかも1、2分)ここでは機械が中心になっているのだ。
俺らは機械以下か!?

・・・・・つらいのだ。

結局3日間のうち2日、合わせて22時間
ずっっっっっとこればっかりである。いったい何個の柏餅をドッキングさせたのか・・・考えたくもない。
その後1ヶ月くらい、柏餅を食べることはおろか、見るのもイヤになったのは当然といえよう。

2日間の柏餅軍団の攻勢から解放されて、3日目に私が配属されたのは「洋菓子」であった。

ここでの仕事は・・・
「バナナの皮をむく」・・・それだけである。

「またかよ、おい」と思いつつも、一生懸命に皮をむく。


ひたすら皮をむく。


「俺は”お猿さん”かぁっっっっ!!?」と、心の中で叫ぶ。


「うっきー、うっきー」と心の中で叫びつつも、
ちょっと楽しかったりする。

結局、3時間”お猿さん”である。

しかし「柏餅」の時と違って「洋菓子」の方は余裕があってずいぶん楽だった。(でも、ギャラはおんなじ♪)


このバイトでムカついた事がひとつ。
ここでは短期のアルバイトは、初日に講習ビデオのようなモノを見せられる。
これは「こういう事はやってはいけませんよー」「こういう風にしてくださいねー」という、注意事項などを手っ取り早く教育するためにあるようだ。
(これがまた「某教育テレビ」で昔やってた「はたらくおじさ○」そのまんま。”クラさん”とか”チョーさん”とかが出てくるやつ。これは笑えます。一見の価値あり。)

で、このビデオのなかで「指示もないのに勝手に判断して行動しないこと」という事、あるいはそれと同じ意味のことを何度となく釘をさされる。

だが、実際に現場に行き指示を仰ごうとすると、「ボケッとしてないで、それぐらい自分で判断しろっ!」と、怒鳴られるのだ。

「勝手に判断するな」とさんざん釘をさしておいたにも関わらず、「自分で判断しろ」というのである。おいおい、俺にどうしろってんだよ。


とまあ、確かにキツいバイトだが、その分見返りも大きい。

結局、3日間で給料は4万円もあった。
しかも週払いだからすぐに振り込んでもらえた。
う〜ん、稼ぐには良いバイトだなぁ。


@がっぽり稼げる
Aパン食べ放題(私の行った工場はそうだった)
B「はたらくおじさ○」もどきのビデオがみれる



@ただひたすらキツい
A自分の存在意義に疑問を感じるようになる
B妙なスキルが身に付く



@バナナの皮むき (LV3)
Aさる      (LV1)