伝説の弁当
掲載日 2003年3月12日
情報提供者 AKILA

皆さん、『サバ弁』って御存知でしょうか?

確かに古今東西『サバ弁』と名のつくものはたくさんあるでしょう。

そんな中でもこの『サバ弁』、一部の人々の中ではもはや伝説となりつつあります。



今を去ること五、六年前…。


弁当を棚に並べていた私の目が、ある一つの新商品にとまりました。

それが私とこの弁当との出会いです。





一目見て思いました

「売れそうにない…」







その名は「鯖弁当」

B6サイズの器に入っているのは敷き詰められたご飯と焼きサバのみ!

他にもおしんこが2切れほど入っていたような気もしますが、それにしてもあまりにもシンプル!

きんぴらゴボウぐらい入ってても良いんじゃないのか?

製造ミスか? と思いましたが、納品された弁当全てが同じ内容。

思わず弁当の底を覗き込んでしまったほど…。

値段も既に記憶にないのですが、380円ぐらいだったと思います。

そのとき一緒にいた相棒とも、

「これは売れねーだろ?」

「この内容でこの値段は高いよなぁ」

と話しておりました。








こんな商品、考えた企画部もすごいが、

販売を許可した経営陣もある意味すごい。




と言うか、『消費者を馬鹿にすんなよ』って感じである。












そして翌日…

弁当はナマ物ですから、時間がたてば売り場から古いお弁当を撤去しなければなりません。

「あのサバ弁、さぞや売れ残ったんだろーなー…」

と思ってオーナーに聞いてみたところ、なんと、


前日の夜10個仕入れた弁当のうち10個全部が売れ残ったらしい。










………………………………………………………。












(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)
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売れ残り率『100%』!(笑)









販売率『0%』!(笑)










すげェぜ! コレは!!





いまだかつて、仕入れた数全てが売れ残ってしまった新商品などあったでしょうか?










そんなすごい記録を打ち立てたサバ弁の快進撃はまだ止まりませんでした。

さらに翌日、納品された弁当を棚に並べていると、そのサバ弁が見当たりません。







どうやらカット(発注打ち切り)されたようです。








通常、どんっっっっっなに売れない弁当でも、新発売から一週間は納品されてくるもの。

別にそういう決まりや制約があるわけではないのですが、新発売から一週間というのは商品がとてもよく売れる時期なのです。



いまだかつて、新発売からたったの2日で発注を止められた弁当があったでしょうか?






マンガに例えるなら、

新連載2回目にして連載打ち切りのようなものです。







売れ残り率100%という数字に発注担当者もさすがに目を丸くしたのでしょう。

これ以後、サバ弁が店頭に並ぶことはありませんでした。



あまりにも短期間で消えた商品のため、そのコンビニで働いていた人でさえ、この弁当の存在を知らない人がいるようです。

ちなみに私がこの冬まで働いていたお店(同じチェーン)で聞いてみたところ、店長をはじめとして全店員がその存在を知りませんでした。

ただ、さすがにSV(詳しくはコンビニ用語集を参照)は知っていたようで、この話をすると

「あったねー。そんな商品が。一部の地域では売れてたんだけどねぇ……。」

苦笑いしておりました。

その表情を見る限り、私は触れてはいけない部分に手を出してしまったようです。

やっぱり全国的に売れてなかったんでしょう(^ ^:)






閃光のように現れて、数々の不名誉な記録を打ち立てた後、
風のように去っていった伝説の弁当…。




















そんなサバ弁を、今ここに



再現してみました!




こりゃ売れねーわ。(笑)

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