バイト明けの朝
掲載日 1998年12月3日
情報提供者 AKILA

当店では深夜の時間帯、つまり夜勤の人間は朝の5時までが勤務時間となっています。
私もその深夜の人間です。加えて学生であります。

今は昔。
当時3年生の私の時間割には朝の1限からの講義がありました。
朝の5時にバイトを終え、一眠りしてから学校へ向かいます。

がしかし、疲れ切った体がその一眠りを深い眠りへと誘い、本来なら2、3時間のみの仮眠を本格的な睡眠へと変えてしまうのです。
通常ですと目覚まし一つで目が覚めるのですが、この時ばかりはそうはいきません。
目覚ましの音はむなしく響きわたるだけ・・・そして私は講義に遅刻・・・



あまりにも遅刻が続いたため、ある日、私は仮眠を取ることをあきらめ、バイト先からそのまま直で学校へ行こうと考えました。

私はバイト先へ乗っていった車で、そのまま学校へ向かう。
時間は午前6時頃、まだまだ通勤の車は少ない。


快適に車を走らせると眠くなる。


当然だ、寝ていないのだから・・・
車はさらに走り続け今度は河川敷へ出る。(河川敷というよりは川の堤防上の道路と行った方が正しいか?)

この河川敷、主要道路からは少し離れているため、交通量は少ない。そのためか、所々ガードレールの切れているところがある。
虚ろ虚ろに車を走らせる私にとって、この河川敷の緩やかなカーブはやたらと危ない。
もちろん道路の下は川、落ちたりすれば大変だ。


自分では起きているつもりが、気が付けば対向車線にはみ出し、さらに気が付けば川へ向かって猪突猛進状態




命がけである。



対応策として私は眠気覚ましのガムやタブレットを満載し、時には冬だというのに窓を全開にして走ったりしていた。




奇妙な光景である。



そんな生活も3年の終わりと共に終了し、私が今、呑気にこうして話が出来るのも運良く事故を起こさずにすんだからであるが、当時のことを私は時としてふと思い出す。
あのころは「毎朝が死のドライブ」であった、と。


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