不思議なもんでね〜。
書店の店員だから、一般の人よりも本について知っているのは確かだが…、
いったい年間に何万冊の書籍が発行されていると思っているのか?
いくら本屋の店員でも、その全てを把握するのは無理というものだぞ。
まぁ、こっちも店員の端くれだ。書籍の内容とか、出版社とか、著者名とか言ってもらえれば探しようはある。
が。
お客さん「あのな〜。本探しとるんじゃが〜。」
店員「はい、どのような本をお探しですか?」
客「あれよ、あれ。昨日テレビに出とった、なんとか言う女優が最近出した本よ。」
もうこの時点で危険な匂いがぷんぷんします。
本を探すときに「アレ」なんてセリフが出てくる段階で厄介事確定です。
店「本の題名は分かりますか?」
客「いや、わからんな〜。」
これくらいはまだ良い、他にも探す方法はある。
店「では、出版社はどこかわかりますか?」
客「知らん。」
店「著者の名前はわかりますか?」
客「だからよ〜。昨日テレビに出てた女優が書いた本だって。」
店「女優と申されましても…名前が分からないことには…。」
客「あ〜何だっけなぁ?名前…。 憶えてないや〜。 あんた昨日テレビ見んかったんか?」
あいにく仕事してました。
っていうか、そもそも見てたとしてもテレビに出てくる女優さんの中からその一人を言い当てるのは不可能に近い。
客「有名な女優じゃけ〜、知っとるじゃろ?」
テレビに出るほどの女優さんだったら、大抵は有名なのでは…?
店「本の内容はどのようなものですか? エッセイとか、自伝とか、小説とか・・・。」
客「いや、知らん。」
………ホントにその本、欲しいのかぁ〜?
わざわざ探して買うくらいなら内容くらい把握しておけって(笑)
もしかして頼まれ物か?
店「お探しの本は、どなたかの頼まれ物ですか?」(←日本語おかしいとかいうツッコミは無しでよろしく)
客「いや、わしが読むんじゃが。」
店「・・・・・・。」
聞くんじゃなかった。
店「お探しの本はこういったハードカバーの文芸書ですか?それとも文庫ですか?あるいは新書サイズのものでしょうか?」
客「さぁ・・・。」
店「本の値段はわかりますか?」
客「わからん。」
ひとこと言っても良いですか?
あんた、
俺に喧嘩売っとんのか?
出版社も著者名も題名も大きさも内容も価格も(もちろんISBNコードも)分からないようなものをズバリと見つけられるんなら、こんなとこ(書店)で働いたりせずに秋のTV特番で超能力捜査でもやっとるワ!
どんなお店にも困ったちゃんは来るものです。はぁ…。 |