史上最悪のくそゲーをつかむ





「未来神話ジャーヴァス」


タイトーがリリースした11番目のファミコンソフトです。

このソフト、私にとってはいろんな意味で忘れることの出来ないタイトルでした。

とりあえず、買ったその日に壁に投げつけてぶっ壊しかけたのはこのソフトが初めてです。

どれくらいの出来かというと、





・・・(´Д`)・・・

こんな感じです。





20年間以上、私の『心のクソゲーNo1』の地位を維持し続けているだけでも称賛に値します。

加えて『買って損した、金返せソフトNo1』『イラストと画面のギャップひどすぎNo1』を保持し、今もって無敵の三冠王として君臨し続けています。

それまで『エレベーターアクション』などの良作タイトルを世に放ってきたタイトーの地位を、積み木落としの如く崩落させるパワーを持ったタイトルです。

このゲームに比べればクソゲーの代名詞『たけしの挑戦状』でさえ面白いと感じてしまうのは私だけか?(そういや『たけしの挑戦状』もタイトーだったなぁ。笑)






まず、ゲームをスタートするといきなり何の説明もなしにフィールド画面です。(もっとも、コレは当時のゲームにはよくある事ですが)

そしてその中央にポツンとタルが…。

なんだこの樽は?



あれ?

もしかして、これが主人公?



…………。





いやいや、まさか。A(^_^;)

見まちがい見まちがい…。



だって、パッケージの主人公はコレだぞ。



まさかコレはないだろ?



もう一度画面を見てみる。


やはり、画面上にはコレしかいない。







………いやいや、まてまて、取説読んでみよう。








………………………………………。











というわけで、取扱説明書を確認した結果。

困ったことに、

やっぱりコレ

主人公でした。







オイ。

マテ。


なんだ? この『単行本第1巻のドラえもん』みたいなキャラは!?






あ、でもゲーム開始すぐに職業を選べるみたいだ。

3種類の中から職業を選ぶのか…。

職業を変えると見た目も変わるわけね。なるほど。

確かにパッケージのイラストは、見たところ剣士っぽいしね♪

どの職業にしようかな〜?

やっぱ、最初はオーソドックスに剣士でしょう!

見た目もカッコよさげだし!

よし!剣士にてんしょ〜く!!





剣士に転職しました。

え゛え゛っ !?

Σ( ̄▽ ̄;)


パッケージイラストの主人公はカッコイイ8等身キャラです。

確かにこの時代のハードスペックとROM容量では今のようなリアルなキャラを表現するのは無理でしょう。使える色数も4色とか8色程度、一画面中の色数は背景を合わせても16色。1677万色も使用可能な現在のハードと比べるのはかわいそうです。

が、しかしだ。

どうやったらコレがコレになるんだ?

似ても似つかんぞ。

っていうか、むしろパッケージイラスト無かったらこのゲームの主人公は『黒ひげ危機一髪似のおっさんキャラ』と勘違いしてもおかしくないくらい似てない。

子供心ながら、JAROに電話しようかと本気で迷ったくらいです。

これなら初代ドラクエのカニ歩き主人公の方がまだマシです。




そもそもこのソフト、『2MBの大容量+バッテリーバックアップ』というたいそうなキャッチフレーズをひっさげて登場しました。なんせソフト本体にプリントされてるくらいですから…。

参考までにこの時代のゲーム業界事情を。

この時代、ゲーム業界は常に『石不足』という問題を抱えていました。
石、というのは今で言うCPUやメモリのことで、主にゲームソフトに使用するROM(Read Only Memory)の事を指していました。
当時はコンピュータが増加し続けていたのに加えて、ファミコンなどのゲーム機用のメモリ需要が爆発的に増えたため、世界的にROMが不足。
ROMの確保が出来ないために、ソフトの発売が延期になるなどは日常茶飯事だったのです。

加えて当時のROMは、容量が増加したとは言ってもせいぜいメガバイトクラスが精一杯。クリエイター達は少ない限られた容量の中で自分たちのアイデアを表現するために苦心したそうです。


バッテリーバックアップの搭載はというと、確かこのソフト「ジャーヴァス」が2番目か3番目だったのではないでしょうか?(最初に採用したのはどこかのメーカーが出した将棋ソフトだったと思います)
それまでは皆、50文字を超えようかというほどの長ったらしいパスワードを必死でメモ&入力してたのですよ。
パスワードを間違って記録してたときのあの脱力感といったら…。
『半日間頑張って作ったWord文書を保存し忘れてPCがフリーズ→自動保存してなかったので全て消えてしまったとき』の感覚に似ています。


というわけで何が言いたいのかというと、
このソフトの『2MBの大容量+バッテリーバックアップ』というのが、当時としてはものすごい売り文句だった、ということです。

2MBといえばこの時期の最大水準の容量、おまけにまだ導入前例のほとんど無いバッテリーバックアップ。

同じく『2MBの大容量+バッテリーバックアップ』を搭載したドラクエVが発売されたのはこのソフトが発売されたあとの話です。

2MBといったらアンタ、ドラクエVと同じ容量ですよ。

うそでしょ?

一体このソフトのどこに2MB分の内容が詰まってるんですか?

実は使っていない空き容量とかあるんじゃないですか?(笑)

おまけにバッテリーバックアップって…。

そもそもバッテリーバックアップを使用しなければならないほどのセーブデータがあるんですか?(笑)



ゲームそのものの出来?

………まぁ、あえて言うなら「良い所を探すのが非常に困難でした。」とだけ言っておきましょう。

いろんな意味で

『力の入れ所を間違ってます』

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