立ち読み
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掲載日 | 1997年11月 |
情報提供者 | AKILA |
1時間くらいの立ち読みはざらで、水曜日の夜にはジャンプ、マガジン、サンデーの3冊をすべて読破していく。強者(つわもの)もやってくる。 (1冊くらい買えって) 20代前半であると思われるジャージ姿のその男は、店に入ってくるなり、まっしぐらに本棚の前へ行く(猫まっしぐらの某CM顔負けである) そしてのっけから壁に背をもたれ、持久戦の構えを整えると、おもむろにマガジンに手を伸ばし、巻頭のグラビアから目を通し始める。 (だから買えっつーの) その姿と、時たま漏れるこらえきれない笑い声に、情熱を越えた彼の漫画に対する愛情が見え隠れし、そんな彼に私は恐怖を感じるのだった。 やがて3時間ほどかけて数々の漫画を読み終えた彼は、さすがに立ち読みだけで帰るのに良心が痛むのか、缶ジュースを1本買って今日も早朝の町へ去って行く。 私にとっては2800円のこの時間は彼にとってはいったいどれだけの価値があったのだろう? そんな彼にあえて一言、言わせてもらいたい。 |
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