猛獣注意
掲載日 2002年8月10日
情報提供者 「eiji」さん


推定身長  190cm
推定体重  120kg
推定年齢    48才
髪型      パンチ 
オプション サングラス



お客さんは現役グラップラーにヒケをとらない風貌と、何よりも人を何人か食い殺したのではないかと思われる程の容姿を持つ御方です。

しかし、こういう人程盛んに話かけてくれるケースが多いのも事実であり、毎朝来てくれるこのお客さんとコミュニケーションを取るようになったのです。



お客さんは豪気でした。

肉まんを入れていると速攻で「全部」と言い
それを全てレンジで再加熱させられます。



お客さんはやっぱりでした。

空手をやっているそうです。1週間に一度子供達に教えているらしく、鍛錬は欠かさないとおっしゃっていました。

よく笑う人で、結構いい人だと判断するのにそう時間はかかりませんでした。






それが半年程続いて、お客さんに対する緊張感が無くなった頃に事件は起きました。

いつものようにお客さんが店に来て、商品をレジに持って来ました。

ピッ、ピッ…

「あー、眠いわー」

お客さんはそう言って、サングラスを外し、眠た目を擦りました。

「…………」

えっ…手の平い…よな?

血?

いや、まさかね。

いや、けど、どう見てもそれ以外には見えないし…

勇気を持ってお客さんに尋ねてみることにしました。

「あの…手、怪我したんですか?」

「ん?ああ、これか、昨日ダチと呑んでたらよぉー、変な奴らにからまれてな」

疑問1 この人に喧嘩を売れる人はこの世にそういないのでは?

「ったく、勝てるわけないのによぉー。連れと二人でボコボコにしたよ。ああ、連れも空手やってるからな」

疑問2 その人達の無事は?

「こりゃ、返り血だな。洗う暇なかったからな、水貸してくれや」

「ははは…大変っすね」








数日後―――



「いらっしゃいませー」

お客さんが入って来ました。顔見知りの人でした。

この人も常連さん定義に当てはまるお人です。

顔の至る所にアザがあり、眼帯などをしておられ、一戦交えたであろうは

間違いなく、ピンと来ました。

「○○さん、どうしたんですか?」

「ああ、ちょっと前に…」

あの人かも…




















「熊に襲われてな」












あの人だー!(笑)





余りの偶然の一致に、驚きを通り越して笑いが込み上げてきそうでしたがそれでは私の身が危険なので必死で堪えました。





解答1 確かにこの人ならあり得る

「変な奴が多いからお前も気をつけろよ」

解答2 辛うじて無事みたいです

「そうですね、変なの多いですもんね」

「ああ、じゃあな」

二人がこの店で顔を合わさないよう祈りながら――――




さてさて、今日はどんなな客がくるのかなー、と、

少しの期待と大きな不安を想う毎日です(^ 0 ^)


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