原稿の作り方のコツ
1-1.デジタル入稿の利点欠点
最近は原稿用紙を入稿する形式に加え、デジタル入稿が出来る印刷所が増えてきました。
作る側にとっても印刷所にとっても、珍しい方法から普通の方法になりつつあります。
デジタル原稿を作成される際に参考にしてみてください。
☆利点
・作成から納品までの作業時間が短縮できる。
・修正が楽。修正ペン跡も残らない。
・データのやり取りが楽。
・原稿が手元に残せる。
★欠点
・デジタル入稿の場合、高いスペックが要求される。(本体、通信回線、ソフトウェア・・・)
・解像度が低いときれいに出力されない。
・トーンがきれいに出ないことがある。
・割高になることがある。
1-2.入稿できるかどうかの確認
印刷所によってはデジタル入稿できなかったり、手数料が掛かり割高になることがあります。
本のサイズやページにもよりますが、基本製本代と同じくらいの金額になることがあります。
まずは印刷所に「デジタル入稿が可能かどうか」と「その場合手数料が必要か」の確認を行いましょう。
1-3.テンプレートの使い方
一般的な(トンボや断ち切り線がある)同人原稿用紙と同じ使い方です。
「水色」の範囲が実際の完成範囲。
裁断の都合上、背景は「赤いところまで」描き、文字は「緑色」の範囲に収めること。
裁断が2〜3mmずれることがあるので、
この範囲でお願いします。
黒枠不可!
2-1.原寸で作成
紙に下書きしてからデジタルで仕上げをする場合、必ず原寸で行いましょう。
縮小をすると、線が潰れたり、モアレが出て原稿が汚くなります。
取り込んで縮小する方法は、利点はありません。
2-2.スキャナー
一定以上の解像度(350〜600dpi)で、かつグレースケールモードで取り込みましょう。
解像度が低いと、なめらかな線がガタガタになります。
また、カラーモードで取り込んだ場合、作業手順が増えますのでお勧めできません。
2-3.塗りの作業
面倒なトーン貼りの作業を省略できます。
が、トーンに比べて単調になりがちです。
最近はデジタルトーンもありますが、あまり種類は多くありません。
→作業を行う時は「グレースケールモード」で行いましょう。
カラーモードで塗ってから変更すると、どうしても濃くなります。
補正がしにくいので、印刷イメージを掴む為にも必ずグレースケールで作業しましょう。
→濃い色での着色
必要な場所のみにしましょう。濃い色は殆どの場合、印刷時に黒と認識されます。
逆に薄い色の場合、白と認識されることがあります。
→入稿前に試し刷りを忘れずに!(レーザープリンタ推奨)
※トーンのように見せる。
(Photoshop)モードをグレースケールからモノクロ2階調に変更します。
変更の仕方はイメージ(I)→モード→モノクロ2階調の順です。
それが終わったら、イメージ(I)→モード→グレースケールの順で変更しましょう。
(元に戻すボタンは意味がありません)
そうすることで、少しだけトーンのように見えます。
※必ず保存を行ってから試してください。
3.こまめな保存の推奨
パソコンのスペックが低いと、作業中にしょっちゅう止まります。
泣きを見る前にこまめに保存しましょう。
4.色調補正で一気にゴミ取り
ここでは、面倒なゴミ取りの作業についてご説明いたします。
ゴミとは、スキャンした時に、下書きの消し残しや、紙の汚れが出ることです。
ゴミ取りの作業は、スキャンしてすぐに行ってください。(終了間際だと全て手作業になってしまいます。)
一つ一つ消すこともできますが、手馴れていても原稿1枚数十分掛かります。
ゴミを消さないと、どんなに小さなものでも原稿にくっきり残ります。
☆利点
面倒なゴミを一気に削除できます。
線をくっきりと見せることができます。
★欠点
薄いもの(線・塗り)は消えます。
線が細くなることがあります。
鉛筆画には推奨しません。
Photoshopで画像を開きます。丸の位置がゴミです。
まず、イメージ(I)→色調補正(A)→レベル補正(L)の順で開きます。
チャンネルという画面が表示されますので、そこの入力レベルというコマンドを使います。
出力レベルは使いません。
入力レベルの灰色(場合によっては黒色)の▲コマを右に少し動かします。これにより、黒の線の補強を行います。
動かす長さは各自調節してください。
それを必ず終わらせたあと、今度は白の△コマを左に向けて適度に動かします。
(白と灰色のコマの中間くらいが良いようです)
原稿にゴミが見えなくなれば完了です。
あと残ったものは、手作業でちまちま消してください。
OKボタンをクリックしてください。
これで完了です。
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