Thank you Yoshii Kazuya
12/2( SUT )・ 12/3( SUN )

REPORT/えまま

SET LIST

-opening. KREVA-
1I WANT YOU I NEED YOU 2LIVING TIME
3HOLD ME TIGHT 4人それぞれのマイウェイ
5LONELY 6黄金バッド
7CALL ME 820 GO
9PAINT IT BLACK (ROLLING STONES) 10 (2/2)ZIGGY STARDUST(DAVID BOWY)
(2/3)And your bird can sing(BEATLES
11SPARK 12ALL BY LOVE
13WEEKENDER 14 (2/2)楽園
(2/3)太陽が燃えている
15TALI 16BEAUTIFUL
17バラ色の日々 18BLACK COCK'S HORSE
19LOVE LOVE SHOW 20FINAL COUNTDOWN
-encore-
21恋の花 22PEARL
23BELIEVE SET LIST協力 けり様




今回、参戦はこの2DAYSとあって、気合入れて臨んだ、グランキューブ大阪。
土曜日、開演19:00を少しだけオーバーしてスタート。
いつもならSEに続いてメンバー登場となるところだが、今回は演出が凝っていた。
KREVA作成のラップと映像によるオープニング。
一瞬、何のライブに来たのか判らなくなる(笑)。
この演出についてもどうやら賛否両論のようだが、私は音楽単体としての日本人ラップはあまり好まないが、
盛り上げる手段としては有効だと思っているから、普通に楽しかった。
一躍それで盛り上げ、メンバー登場。暗転に続き、モニターの光の前に立ちはだかる吉井和哉。
沸き起こる歓声に包まれての最初の曲は「I WONT YOU I NEED YOU」。
やはりライブは弾け系から始まるのがいい。土曜は真正面の7列目だったので、
吉井やエマちゃんの表情までよく判った。
―――――・・・が。
どうしたことか、吉井。大阪は2日とも声が掠れきってる。
ここ暫く、ライブでの声がどんどん良くなってきていただけに、ガザガザの声が不安を煽って辛い。
この時点で体調が恐ろしく悪かったであろうことは、5日の静岡公演、
6日・7日の四国が延期になったことで明らかではある。
声は全く伸びていなかったものの、『39108』の曲が続き、会場は盛り上がっていく。
「こんなキラキラの格好してますが、靴下は5本指ソックスです」などの
くすぐりを交えたMCを挟んで『CALL ME』『20 GO』。
この日は本当に喉の調子が悪かったらしく、『CALL ME』は本当に辛そうだった。
この手の伸び系の曲は全般にわたって言えたこと。

ただし、ライブ自体はきっちり楽しませてくれた。
『20 GO』のあと、エマちゃん独壇場と名高い、ながーい前奏から始まったのは、ROLLING STONESのカバーで『PAINT IT BLACK』。ちょっとやらしい訳詞をつけた曲は、後半に入るにつれ吉井がノリノリになって面白い。
続けて『ZIGGY STARDUST』。やったぁ、デビッド ボウイだ!

吉井もこのツアーから金髪に戻っているので、とっても素敵。やっぱり彼はこういう世界がよく似合う。
そして・・・。
ごく自然に、『SPARK』が始まった。
夏フェス以降、イエローモンキーをたくさんやってるのは聞いてたけど、やっぱり感慨深い。
オーディエンスも爆発した。歓声も、みんなの踊り狂い方もここまでの比ではない。
やっぱりみんな、イエローモンキーが大好きなんだ。
それにしても、やっぱり『SPARK』は体が勝手に踊るなぁ。

『ALL BY LOVE』では、かねてより他の公演で聞いていた通り、エマちゃんがノリノリ。
既に入っていた何かのスイッチに拍車がかかり、エマ反り、キック、腕まわしと、往年のエマパフォーマンス炸裂。

曲の終わりのほうは、エマが腕を回すのに合わせて、吉井も回していた。
相変わらず恐ろしいほどの息の合いかた。角度からタイミングまで完璧におそろ。
このタイミングから、ソロ曲とイエローモンキー曲は完全に入れ子になってくる。
今年の初めのツアーファイナルであれほど重い重い意味を持った『バラ色の日々』や『楽園』などを自然に混ぜて。

こういう混ぜ方はその二つを、別物として扱わないという点で、ファンと吉井の、お互いの間に流れた時間の共有を感じた。
そう思うと、吉井の30代は本当に波乱ずくめだったんだな、と思う。
『楽園』をリリースした頃の、憂いのない絶頂期から、休止・解散の苦悩を経て、エマを伴ってソロとして蘇った。

そう、そしてエマといえば。
吉井のソロにおけるエマの位置を、これほど瞠目の思いで見たのは初めてかもしれない。
エマは自分がバンマスと言われるのに困惑してるようだが、何故そう言われたのか判ったような気がした。
イエローモンキー時代のエマの陶酔っぷりは有名。今もそれが消えたわけではないし、消えてほしくない。
だけど今回の彼の仕事っぷりは、本人がどう思っているのかは判らないけれど、すごくバンド全体を見ていたように思う。
ドラマーやキーボードが入れ替わったりしている所為もあるのだろうが、流石につきっきりでリハを重ねたというだけあって、エマのステージへの気配りが顕著に目についた。
その所為か、吉井は過去2本のツアーの時より、演奏をバンドに委ねているように見えた。
(勿論その様をえままは『内助の功』と言い切っているのだが・笑)

『WEEK ENDER』『楽園』とライブは益々加熱していくなか、『TALI』で急にステージからメンバーが消える。
キーボードだけを残して、アコースティックに。
「シングルを出した頃、「育子は誰なのか?」という質問をよく受けましたが、これはNYのことです」
と吉井。
この話には色んな回答があるらしいが、NY云々というのはよく言ってるので、これが本当に正解なのかな?
どうだろう。なんせ、吉井の言うことだから(笑)。
ともかく、これには背景にPVが流れていた。
家にはあるものの、多分1回くらいしかマトモに見たことのなかったPVだけど、ライブで見ると
「ああ、なるほどな」と思う部分もある。やっぱりこの曲は単なるラブソングではない。
余談だが、グランキューブはどうやら元々ライブ目的で作られたホールではないだろうと思う。
踊れば会場が船酔いレベルで酔いそうなほど揺れてしまうし(まみはや本気で壊れるんじゃないかと心配していた・笑)、前列のほうはバスドラとベースが腹に響きすぎてヴォーカルが聞き取りにくいという難点がある。
その所為か、『TALI』はとても聞きやすかった。
曲中、吉井がマイクに向かって「・・・愛してる」と囁く。
会場が「おおっ」とどよめく中、えままは「おっ!材料もーらい」と思う。
こういう囁き声で囁くのね、なるほど、参考になった・・・と・・・(ごめんなさい)。

いらないことを考えつつも、その囁き声がうっかり腰にきてしまったことに自己嫌悪(ファンの癖に・笑)。

『TALI』が終わると、メンバーがステージにもどってきて、しっとりと『BEAUTIFUL』。
このときもPV撮ったときの別撮りと思われる映像が流れる。
思えばあのとき、吉井の画像が公開された折、「よし!美麗ロックスター吉井和哉復活だぁ!」と思ったが、現在の金髪に戻った吉井は、やはり格段にカッコイイ。映像よりナマ吉井のほうがかっこよかった。
しかし本当に、あれほど長身でスタイルが良くてオトコマエなのに、Tシャツ・ジーンズ・黒髪の似合わない男はそういない。どうしてなんだろう?

『バラ色の日々』。
今年の初めの2/28大阪城ホールが脳裏に蘇る。が、流石に今度は普通に楽しかった。
会場の合唱もキレイだった。でもイエローモンキーのライブに馴染んでると、最後のフレーズにリピートがないのがちょっと寂しい。つい身体がもう一回繰り返されると思って準備してしまう。
と、余韻に浸ってる間に、耳慣れない曲が。
えーっと、これは?これは何だ?またカバーか?と、戸惑いながら聞いていると、なんと、『BLACK COCK'S HORSE』だった。
アルバムの曲のライブアレンジは当たり前なんだけど、これはそのレベルの話ではない。
あの、とっても吉井らしい構成の曲が、なんと激しくパンク色の強い楽曲に変身していることか!
サビの「今 静寂な森の中を・・・」の部分は「ALL RIGHT!」に変わっている。アルバム収録時の曲の醍醐味は見事に死んでいるが、このアレンジは大好きだ。音源で出してたら「は?」ってなったかもしれないけれど、ライブ曲としてはめちゃくちゃ楽しい。これはまたやってほしいな。
勢いのまま、『LOVE LOVE SHOW』。
これは――――・・・とにかく笑った。会場が一体になって大笑いした。

「さぁ、乗りなよ」のところで、吉井が「乗りなはれ!」と、妙な関西弁で放ったのだ。
会場も笑ったが、もっと笑っている人がいた。
そう、日本一吉井のギャグで笑う男、地球で一番吉井を面白いと思っている男だ。
その男、エマちゃんは、もはや全身で笑っていた。
それに気を良くしたのが、銀河系で一番エマちゃんを笑わせることに命をかけている男だ。
そこから「乗りなはれ!」の一点集中攻撃が始まった。
吉井、完全に客席を置き去りに、エマに「乗りなはれ!」を言いまくる。
最終的にエマはもう前を向いていられなくなり、後ろを向いて二つ折れになって笑っていた。
その姿に吉井さんご満悦。でも気の毒なほど笑っちゃってるエマにちょっとだけ焦る。
結局吉井はあの部分、「乗りなはれ!」ばっかり言ってて、「・・・馬!」くらいしかまともに歌っていない。
楽しい気分のまま『FINAL COUNTDOWN』。
前のツアーでは吉井にマイクを向けられてやっと歌ったエマだったが、今回はもうネギさんもいないので、完全にコーラスパートを受け持つ。
この曲以外にも、今回のツアーではエマはかなりコーラスも受け持っている。
デビューから幾星霜。やっとエマの前のマイクスタンドが役にたった。
このとき、ギターソロの折に「バーニー!」「エマ!」と紹介するのはいつものことだが、またしても客席、あの2人に置いてけぼりにされてしまう。
吉井はエマに近づいていって、何かちょっかいをかけてるらしく、二人だけに判るいちゃつきをご披露してくださいました。・・・ごちそうさま。ありがとう。来て良かったよ。

――――と、思っていたが・・・。
アンコール。
吉井、バーニーと腕を手をつないで登場。・・・いらんから、そんな演出は。その人とそういうことしてくれても、なんの潤いもないから。全く嬉しくないから。(断言)。
でも、MCは面白かった。
全開のツアーでも「東京の人がなかなか言えない大阪弁講座」をやっていたが、今回はグレードアップしていた。
なんと、ツアーの曲順が決まるよりも先に、ここで言う台詞が決まっていたとのこと。
それほど重要な台詞は、吉井の長いウォーミングアップから始まり、やっと出た言葉が
「ほな、チ○○ン見せましょか」
・・・・・・・・。
前日のラジオで「見せてって言うんだよ」とだけ言ってたらしいが、それはここでの話だったとのこと。
会場からすかさず「見せてー」の声が上がる。
吉井は笑って「見せられへんて」。
はっきり言いまして、吉井の関西弁は相変わらず下手。発音が違う。東京人が考える大阪弁の発音だ。
だけど「見せられへんて」は上手かった。
「明日は女の子バージョンでやります!」と言った、それが翌日の悪夢を招くことになろうとは、吉井はまだ的確に予想していたとは言えなかっただろう・・・・。

その後、SM○Pのキ○タクさんのモノマネで会場を沸かせる吉井。TAKAYOによるとだんだん上手くなってきているらしい。

えー、『恋の花』についての感想はどうでもいいので割愛します。
(だってバーニーとやられても微塵も萌えない。しかも踊れないし、この曲)

アコースティックの『パール』は、確かに綺麗だったけど、なんというか、やたらと胸のあたりがスカスカしてしまって、物凄く寂しくなってしまった。あの曲が出た時期が時期だっただけに、悲しいとか寂しいとか、そういうネガティブな気分になって・・・ちょっと辛かった。
最後にまたメンバー登場して『BELIEVE』。
エマちゃんおかえりーって気持ちにはなるものの、この曲もしっとりなので、終演後の余韻は聞いていた通りどうもすっきりしない。人によるんだろうけど、この構成はちょっとえままの好みではなかった。
アンコールに一個くらい盛り上げ系があったほうが、クールダウンした気分を浮上させてくれるんだよなぁ・・・なんて。
個人的な好みの話なのだが。

ええ、どうせロビエマ派です。
ステージにエマがいないのが気にくわないのです。
判っていますとも、ええ。
だが、翌日3日は、そんなロビエマ派には受難の日(?)となった。

MCや構成は前日と殆ど変わらないものの、『ZIGGY STARDUST』がビートルズの『And your bird can sing』に、『楽園』が『太陽が燃えている』にチェンジ。
この日のメンバー紹介で、エマのことを
「昔はこの人とキスしてました」と紹介。
「でももう今はキスする関係じゃありません。・・・もう俺のものじゃないから」
と暴言。客席からは「えー!!!」と非難の声が。
当たり前だ。世の中には言っていいことと悪いことがある(笑)。
「えー、じゃないよ!42と40だよ?」と吉井。
・・・あの、今年の夏のことじゃなかったかしら?エマに「ちゅーv」をねだっている吉井の写真が公開されたのは。
まぁ、吉井がこの手のことを言うのは珍しくもなんともないので単純に笑っていたものの、アンコールでやってはいけないことを吉井はしでかした。
バーニーの髪にキスしたのだ。
・・・吉井さぁ、あんた、誰にやってもいいってもんじゃないのよ。
ええ、会場はどよめきましたよ?でもね、あれ、ごく一部よ?
(しかも私の近所からは「いやーっ!」「やめてーっ!」という声も炸裂していた。明らかにお仲間だ。
その辺が相変わらず今回の大阪でも「えっまちゃーん!」という、男性からの野太い声援が飛んでいた姫との違い)
まぁ、その後吉井はすぐにバーニーを離して
「・・・お前かよ!」
と一言。
安堵する我々。
が、そんな吉井に恐ろしいしっぺ返しもあった。
前日のアンコールで「○ンチ○見せましょか」の女の子バージョンをやると言った吉井が言った言葉が
「ほな○ンチ○見せてみーな!」
会場からは当然「えー!」という非難の声。
多分吉井的にはそこで笑って終わり、くらいの気持ちだったんだろう。
まだ非難の続く会場に苦笑しながら「あの、曲やってもいいですか?」と。
だが、関西人は許さない。
益々ブーイングが強くなる。
どうしても曲に行かせてくれないオーディエンスに、本気で困った様子の吉井に若干すっきりする。

その後『恋の花』と『パール』がえままにとって完全なお休みタイムとなり、もはや客席に座ってしまった。
(この日は同じくアンコールで座った人が近所で目についた。報復と思え、吉井・笑)

でも、きちんとラブラブもあったので安心するように。

『20 GO』の曲終わり、ギターでラストのフレーズをエマが弾いているとき、何を思ったのか吉井、エマの隣にささっと寄って、終わるまでずっと頭をぽふぽふと撫でていた。
エマちゃんも何をされているのか微妙に判らなかった様子で吉井を伺う。その後、どの曲でだったかは忘れたけど、吉井は何故かエマの後ろのタオルを広げ、汗を拭くでもなく見せびらかしている。
見ているこっちが「?」となってしまう。
しつこくタオルを広げ続ける吉井の意図はわからなかったが、どうやらエマに向かっていた様子。が、エマは素無視でした。全く気付いていない。
どうするのかな?って思ってたら、意味もなくタオルを仕舞う吉井。
・・・なんだか普通に気の毒になってしまったひとコマだった。

ほかにも、『FINAL COUNTDOWN』のギターソロのとき、今度はエマのフットスイッチを勝手に踏んで音を変え、走って逃げる吉井。「こら!」という風情で数歩追いかけるエマ。
相変わらず2人の世界だった。

ライブ全体として、新しい試みが目立った今回のツアー。
エマが登場しないシーンが多いのは寂しいが、配分としては妥当だろう。
そもそもエマの音はアコースティック向きではない。その上、本編でのエマの占める比重は、ツアーを重ねる毎に増えているので、確かにこれ以上エマ偏向の配分になると、既にソロとは言いがたくなる。

(実際、メンバーがコロコロ変わるので、今回などメンバー紹介の際に他のサポメンさんが気の毒になったほどだ)
でも、ああいうふうに「今ここにエマがいない」ことを意識させられると、却って意識がエマに向いてしまうのだが、どうしたもんだろう。実際、えままは今回自分がエマファンなんじゃないかと思うくらい、エマエマ言ってる。
願わくばエマの立場をきちんとしたものに確定してほしいと思うのだが、こればかりは判らない。

楽しめる箇所は確実に増えているものの、課題も多いと思う。
一つは前述したとおり、本編とアンコールに極端な温度差があることだ。
アコースティックもいいのだけれど、事実上のラストが3曲続けてしっとり系のフェードアウトは、なんとなく寂寥感が残りすぎてしんどいのだ。
更には演出の都合もあるのだろうが、暗転時間がとても長いこと。
集中力がそらされてしまう気がした。

吉井和哉としてのいいところを充分に意識した上で、今回の試みを次のステージに活かしてくれると、もっと素晴らしいライブになると思う。
12/7現在、体調不良で3本も休演してしまった吉井。
過去にないことだけに、メンタル面でも後半しんどいと思うが、是非頑張ってほしい。
年明けにはまたアルバムを製作してツアーをやるとのこと。
次はどんなふうに私たちを楽しませてくれるだろう。


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