依存症



-EMMA-


「オマエは本当に仕方ないね」
って笑いながら、心の片隅でほっとする。

「・・・エマちゃぁん・・・」
っていう情けない声を聞いて安心する。

オマエは自分でも自分が弱いことを知っていて、そのくせ張る虚勢が人並みのレベルじゃないから。

疲れれば疲れる程、激しく。
悩めば悩むほど、笑い、
上手くいけば行くほど不安になる。

そんなオマエに、全てを預けたフリをして、逆に護ってやってる・・・と、見せかけて。

「怒った?怒っちゃった?」
仔犬みたいな表情に安堵し、自分の居場所を確認する。

「怒ってないよ」
「ホント?」
「本当」

そんな俺は依存症。
吉井和哉シンドローム。

オマエなしでは、この世はつまらない。






-LOVIN-


「調子に乗りすぎたのは判ってる・・・ごめんなさい」
って謝りながら、許してもらえる確信を武器にする。

「オマエは本当に仕方ないね」
って笑ってくれたのに安心して、情けない声で呼ぶ。

アナタは本当はとても寂しがりやで、そのくせ飄々としているように見せかけるから。

不安なら不安なほど、軽々と。
苦しければ苦しいほど、強がり、
でも本当はすごく、愛されることに貪欲だから。

そんなアナタにメロメロなふりをして、だけど本当はそんなことも無いんだよ・・・と、見せかけて。

「怒ってないよ」
すぐにそんなふうに困ったように微笑むアナタの、虚勢の奥に見え隠れする、柔らかい空気を胸一杯に吸い込む。

「ホント?」
「本当」
「・・・俺のこと、好き?」
「・・・好き」

その言葉が欲しいだけ。

そんな俺は、依存症。
エマ症候群。

アナタなしでは、この世界は全て無意味だ。





end



単なるノロケ。

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