ナミダ



飛び散った雫が、いくつもの破片を水面に投げかけるように、
ざわめき、止まることの無い心を抱えて走っていました。

(俺はただ、お前に向かって流れていく心に逆らうことしかできなかった)


こんなに苦しい気持ちを持て余して、自分を見失うくらいなら

(届かない。どんなに手を伸ばしても交わっても、皮膚が二人を妨げる。
そんなコトを考えてしまう自分が、如何にも自分らしくなくて大嫌い)


これ以上、その輝きを見せないで。
追いつめないでいて。

(細胞が全部、お前を欲しがる。もう身動きなんかできない)


あなたの涙は水性の十字架。
大空を飛べる僕の足枷。

(背中の羽根を毟っても、この地上に繋がれていたいと願望する・・・それは堕落?)


染まった掌を水に浸しても、二度と戻らない。

(お前を知らなかった頃には戻れない。戻りたくない)


ホログラムみたいに。

(いつか俺は、お前の涙で溺死してしまうのかもしれない)



end



『あなたの涙は水性の十字架』というフレーズは、空白ワインにも使ってるのね。
なんでこんなにしつこく使うかというと、実はこのカッコ内のエマのモノローグ以外は、自分の中でだけ、すごく思い入れがあって、どういうことかと言いますと、コレは実は、私が初めてロビエマというものを意識した頃に、ふわふわと湧いた、エマ視点でのインスピレーションでできた『詞』なのです。まだお話とか一回も作ってない頃にできたヤツで、どこにも書き留めてないんだけど、一字一句忘れないまま、6、7年ずっと脳内にあるので、一回文字にしておこうか、と。
実はコレ、メロディーもあるのよ(誰も聞きたくねぇよ・笑)

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