紋章で一番重要なのは真ん中に鎮座している楯である。この楯はエスカッシェン(Escucheon)と呼ばれる。 またこのエスカッシェンの図案を描く部分はフィールド(Field)と呼ばれている。エスカッシェンはいくつかに 分割され部分毎に名前がある。分割の仕方には国毎にやり方があり若干の相違が見られる。よってここでは本当に基本的な ことしか述べない。
エスカッシェンの上下左右をそれぞれチーフ(Chief)、ベース(Base)、デキスター(Dexter)、シニスター(Sinister) と呼ぶ。なお、フィールドは場所的に見て優位劣位が決まっている。チーフはベースに対して優位であり、デキスターはシニスターに対して優位である。
よってフィールドを四分割した場合、序列は左上、右上、左下、右下の順に、右上の図でいえば赤、黒、黄色、青の順になる。そしてこの順番に従って、格の高い紋章が入る。これは結構重要なことで、連合王国であるイギリス王室の紋章を見ればよくわかる。通常国王は赤と青の部分にイングランド国王の紋章を、黒にスコットランド国王の紋章を、黄色にアイルランドの紋章をいれる。
しかしスコットランドではイングランドとスコットランドの紋章を入れ替える。スコットランド住民の気持ちを逆なでしないためである。以上の例からフィールドの位置のランクの重要さがおわかりいただけたかと思う。
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