紋章とは紋章は甲冑に身を包んだ騎士の個体識別のために誕生、発展したもので、最初は具足の
一つである楯に描かれていた。それが徐々に他のものにも描かれるようにもなり、次第にあらゆる
階層に広がっていった。
紋章の最大公約数的定義として「中世ヨーロッパにおいてキリスト教支配の貴族社会に始まり、
楯にそれぞれ個人を識別できるシンボルをあしらった世襲的制度」というものがある。最大公約
数的と述べたのは紋章の定義は紋章学者の人数だけあるといわれている位たくさんの説に分かれている
という理由による。
この定義の中にある「個人識別」という要件により、基本的に複数の人間が同一の紋章を持つこと
は許されていない。 ただし、これは同一国内での話であって、他国に行きそこで同じ紋章を使って
いる人間がいなければ、その紋章を使うことができる。例えばイングランドでAという紋章が使われてい
たとしてフランスに同じAという紋章があってもそれは違反ではない。
また世襲という点も重要視され代々使われないマークのことは紋章(Arms)とはいわず、しるし(Emblem)
と呼ばれ紋章とは区別される。現在イングランドにはリチャードV世(在位1483〜1485) によって創設された
紋章院(College of Arms)という紋章を専門に扱う役所がある。因みにここの最高責任者である紋章院総裁
(Earl Marshal) はノーフォーク公世襲職位である。蛇足ではあるがノーフォーク公爵家はイギリスにある
26公爵家のうち席次はトップである。
さて紋章院総裁の話だが、この職位の宮中席次はなかなか高く第7位という。しかしここでなんだかんだ言ったって
所詮は名誉職だろうと侮ってはいけない。現在でもイングランドでは紋章院の許可がなければ紋章を使うことができない。
それにきちんと給料も出る。
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