フィールドの分割

 英国国王の紋章をご覧になったことのある方はお分かりになると思うが、西洋の紋章は日本の紋章と 異なり一つの楯をいくつかに分割することがある。それについて少し述べたいと思う。

パー・ペイル(Par Pale)

Par PaleTierced in pale
   これはフィールドを縦に二分割する方法である。この場合紋章の色のところで述べた金属色と 金属色を隣り合わせて用いても違反とはならない。フィールドは分割されたので隣同士に金、銀を配しても それは重ねたことにならないからである。縦の分割でも三分割はティアースト・イン・ペイル(Tierced in pale) と呼ぶ。この場合もパー・ペイルと同じ規則が適用されるが、分割されたフィールドはすべて違う色で ある必要がある。そうでない場合はペイルという模様と判断され、分割されたとは看做されないからである。

パー・フェス(Par fess)

Par fessnot Par fess
 これはフィールドの横の二分割のことをいう。これはフィールドの中央で水平に分割することをいい、 上三分の一で分けられているものは、パー・フェスとは異なるものである。パー・フェスが分割と認識され 彩色の方法がパー・ペイルと同じであるのに対して、上三分の一で分けられたものは色を上三分の一に乗せたもの と解され、紋章の色で述べた規則が適用される。

パーテッド・パー・ベンド(Parted Par bend)

Parted par bendPar bend sinister
 フィールドをデキスター・チーフからシニスター・ベースの斜めの線で分割することをいう。この方法で 分割された紋章をPar Bendの紋章という。シニスター・チーフからデキスター・ベースの線で分割された紋章は Par bend sinister の紋章という。

クォータリー(Quarterly)

QuarterlyQuarterly six
 水平線と垂直線で分割された紋章のことをいう。この場合四分割が基本型であるが四分割や八分割になることもある。その場合はQuarterly six、Quarterly eight等と呼ばれる。この形式は、あとで述べるマーシャリングで良く使われる分割方法である。分割した部分を更に分割していくのが容易なためと考えられている。英国王室もこの形で紋章を分割している。


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