グリーマ

アイスランドの民族格闘技らしい。

 さて、アイスランドは言わずと知れたヴァイキングの末裔によって形成されている国です。当然民族格闘技も存在します。名前をグリーマ(Glima)と言うのだそうです。アイスランドは主としてノルウェー系の植民者によって形成されたので、グリーマもその影響下にあると考えられている様です。
 アイスランド語で格闘技は「Fang」と言うのだそうです。サガの時代のアイスランドは今の感覚からいえばそれなりに野蛮だったと思われます。そのため「Fang」は殺し合いになっていたと推察されます。しかし、格闘技を娯楽として捉える向きもいた様で、娯楽としての格闘技は「Leikfang」と言われます。当然グリーマはこの範疇に入ります。

 グリーマは平和的なものだとわかったところで次に何時頃どの様に成立したのか?と言う疑問が沸きます。これには二つの説があるようで、ひとつはキリスト教の導入に伴って「野蛮な」格闘技が教会から排斥され、今の形になったと言う説。もうひとつは、スカルホルト、ホーラル(両方とも司教座があった)に集まった神学生達が、地元の格闘技を紹介しあい今の形になったとする説です。どちらの説を採るにしてもグリーマ成立にキリスト教が影響を与えていることは否定できない様です。

 続いて、どのような競技であるか問題となります。現在グリーマは、ランニングシャツとタイツがつながったものを身につけ、皮製のベルト付きブルマーのようなものと革靴を履き行われます。次に規定通り、相手のベルトを直立に近い姿勢で掴み、スティーガンディと呼ばれるステップを踏みながら、開始の合図を待ちます。合図があったら競技開始です。グリーマは投げ技主体の競技なので「身体の前腕及び手または下腿及び足以外の部分が接地した場合倒れたもの」と見なされ勝敗が決まる様です。因みの板の間で行われるため倒されたらかなり痛そうです。

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