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平成21年(行コ)第133号 固定資産評価審査決定取消控訴事件
控 訴 人 選定当事者 籠 宮 益 樹
被控訴人 日 光 市
控訴人準備書面(1)
2009年6月1日
東京高等裁判所 第20部民事部イA係 御中
控訴人 選定当事者 籠 宮 益 樹
記
控訴人は、本書面をもち以下のとおり、「第1」で控訴理由の補完、「第2」で被控訴人「答弁書」に対する反論、「第3」で求釈明、「第4」で証拠調べに関わり、各々を述べる。
第1 控訴理由
控訴人は、2009年3月22日付「控訴状 第3 控訴の理由」に、以下の控訴理由を述べ補完する。
1.原判決「第2 事案の概要」に関わり
@ 原審は、「3 争点」で本件家屋の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったかとする「争点(1)」に関わり、次のとおり判示している。
『本件家屋の評価額の算定に当たり、損耗の状況による減点補正率(前記2(1))として、損耗の程度の応ずる減点補正率(評価基準第2章第2節一、五。損耗減点補正率)を用いなかったことの違法をも主張するかどうかにつき、平成19年8月20日の第3回弁論準備手続において主張しない旨述べ、平成20年10月23日の第2回口頭弁論において当裁判所から同趣旨の釈明を求められたのに対しても、同年12月4日の第3回口頭弁論において主張しない旨述べており、損耗減点補正率を用いるべきであったかどうかは争点となっていない。』4ページ・3〜10行目
A しかし前記@判示は、次に述べるとおり、根拠に欠け合理性がない。
ア.本件家屋において控訴人が求めている評価算定は、「原告準備書面(1) 第1・2」1〜3ページのとおり、地方税法(以下、「法」という。)第349条第2項第1号の「特別の事情」に基づく、欠陥施工とこれに起因する損壊の部分別評価方式による再建築費評点数算出である。
イ.そして、本裁判に訴え主張しているのは、「訴状 請求の原因」にあるとおり、法349条第2項第1号の「特別の事情」に基づく部分別評価方式を用いなかったことの違法についてであり、「損耗減点補正率を用いなかったことの違法」ではない。
ウ.さらに控訴人は、裁判所から求められた釈明に対し、2008年11月17日「原告準備書面(8)」を提出して釈明しているとおり、裁判所が求めた釈明は、『原告らは欠陥施工を原因として生じた損壊を「損耗」とする考えはあるや旨、お尋ね』であり、損耗減点補正率を用いなかったことの違法を主張するかどうかではない。
したがって、原審の判示は、事実無根であり、争点(1)の真実を歪め合理性がない。
2.原判決「第3 争点に対する判断」に関わり
(1) 「1」の事実の認定について
@ア.原審は(1)で次のとおり認定している。
『 その後も補修等に関する両者の交渉は続き、平成11年10月ころには、スウェーデンハウスが本件家屋代金を原告に返還し、原告が本件家屋を他社の施工により建て替える方向で話が進んだ。しかし、その後両者は合意に至らず、平成12年10月には、スウェーデンハウスが原告の妻に対して民事調停の申立てをし、平成13年9月には、原告及び選定者がスウェーデンハウスに対して、本件家屋の補修費用や慰謝料等の損害賠償を求める別件訴訟を提起するに至った。』7ページ・末〜8ページ・6行目
イ.しかし前記ア.認定は、「建て替える方向で話が進んだ」経過に、次の事実を判示していない。
@) 控訴人及び選定者とスウェーデンハウスの補修交渉は進んで補修は合意し、1999年10月3日が補修工事の打ち合わせ日として合意していた事実。(別件東京地裁判決書・乙10の1「第3 裁判所の判断 本件の経過について(22)〜(25)」10〜11ページ)
A) しかし、当日になって、スウェーデンハウスは控訴人らに対し、甲11に記載されているとおり、
『イ.籠宮様邸を修補させていただくことによる解決
ロ.籠宮様が、他社住宅に建て替えるというお考えであるならば、 スウェーデンハウスに9年間住んだ利益は求めず、支払代金 全部を利息なしで返還する』(同上)と提示表明した事実。
B) そしてスウェーデンハウスは、控訴人らが『ロの方を選択されるということですので、以下ロに関しまして、その内容の骨子をご提案を申し上げます。』旨を提示表明(甲11)した事実。(同上)
ウ.前記イ.経過は、原判決の「争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるか」に関わるスウェーデンハウス回答書(乙11)の「2」及び「4」が虚偽である事実を証明している。(「原告準備書面(6)」第4・4〜11ページ)
したがって、原審の認定は争点(2)に関わり公正を欠いた偏頗なものであると言わざるを得ない。
Aア.原判決は(1)で次のとおり認定している。
『 原告は、別件訴訟において、本件家屋の施工の瑕疵として別紙3瑕疵一覧表1ないし5,7及び13記載の事項等を主張したところ、東京地方裁判所は、平成15年3月26日、原告及び選定者の請求を、原告につき103万1610円及び遅延損害金、選定者につき13万1000円及び遅延損害金の限度で容認する判決を言い渡し、同判決理由中で概要以下@ないしCのとおり判示した(別件地裁判決)。』8ページ・7〜12行目
イ.前記ア別件地裁判決は、別紙主張整理表(争点1について)2「設計図書に適合しない施工の有無(1)〜(26)」28〜30ページに、欠陥施工とこれに起因する損壊を多々明示している。
しかし、原審が摘示したのは、Bの2箇所のみである。
ウ.前記イ.判決の箇所には、被控訴人が事実調査で写真撮影を行いながら、撮影を行わなかった屋根(Bを含む)・基礎・外壁・床下・内壁などがある。(「原告準備書面(11)」第1・2ページ)
したがって、原審の認定は、争点(1)本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったか、及び争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるかに関わる欠陥施工とこれに起因する損壊のうち、前記ウ.被控訴人の行為を利するものであり、公正・公平を欠いて合理性がない。
エ.又、原審が摘示したC損害は、損害賠償の2箇所が本件建物の欠陥に過ぎない旨被控訴人が主張するところである(被告「第6準備書面」2ページ)。
しかし、この損害賠償は、雨漏り・出火原因の緊急事態にやむなく控訴人らが補修を行った代金の請求が認められたのであり、前記イ.判決の箇所どおり、欠陥は2箇所だけではない(「原告準備書面(6)」第3 3.〜6.・3〜4ページ)。
Bア.原審は、(1)で次のとおり認定している。
(別件高裁判決)『その後、スウェーデンハウスと原告とは補修の実施等について交渉したが、本件審査決定時点で、スウェーデンハウスによる本件家屋の補修は行われないままであった。』9ページ・7〜9行目
イ.しかし別件高裁判決のその後の控訴人らとスウェーデンハウスの交渉は、次に述べるとおりである。
@) 別件高裁が支持した地裁判決は、請負契約の解除条項にある控訴人らの解除権を認めなかった。(別件地裁判決書乙10の1・15〜17ページ)
A) よって別件高裁判決後、控訴人らは前記@)判決に従い、スウェーデンハウスに対し、請負契約の解除権に基づく建て替え(解体)を求めることを諦め、前述@イ.、甲11に記載されたスウェーデンハウスの『ロ.籠宮様が、他社住宅に建て替えるというお考えであるならば、スウェーデンハウスに9年間住んだ利益は求めず、支払代金全部を利息なしで返還する』とした提示表明に基づき、建て替えるための解体を求め続けている(甲32)。
しかし、スウェーデンハウスは、「ロ.建て替え」表明を反故にする補修を控訴人らに強要し続けている(甲33)。
以上、判決後、控訴人らは『補修の実施等について交渉した』事実はないから、原審の認定は事実無根であり、又本件家屋は建て替え(解体)されないままなのである。原審の認定は合理性がない。
ウ.又、前記イ.経緯は、原判決の「争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるか」に関わるスウェーデンハウス回答書(乙11)の「3」及び「4」が虚偽である事実を証明している。(「原告準備書面(6)」第4・4〜11ページ)
したがって、原審の認定は争点(2)に関わり公正・公平を欠いた偏頗なものであると言わざるを得ない。
Cア.原判決は「1」で次のとおり認定している。
『 その後、審査委員会は、欠陥住宅の評価方法について栃木県へ照会し、同10日までに回答を得た。
(6) 審査委員会は、同10日に3回目の委員会を開催し、欠陥住宅の評価方法についての栃木県の回答及び実地調査における調査結果を確認した上で、本件家屋に存在する不具合の状況についての判断が上記(5)のとりであることを確認した。』11ページ・22行目〜12ページ・1行目
イ.しかし、審査委員会が行ったとする栃木県への照会、及び栃木県の回答は、それら証拠が本裁判に提出されていない。
したがって、原判決の認定は事実に基づいたものではない。
(2)「2 争点(1)(本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったか)について」に関わり
控訴状「第3 控訴の理由 1.「2 争点(1)(本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方法を用いるべきであったか)について」に関わり」の「その1」「その2」に加え、次に「その3」を述べる。
その3
原審は、前述1.及び2.(1)ACのとおり、合理性がない判示認定を行い争点(1)を結論づけている。
したがって、原判決に合理性がないことは明らかである。
(3)「3 争点(2)(本件審査決定の手続に瑕疵があるか)について」に関わり
控訴状「第3 控訴の理由 2「3 争点(2)(本件審査決定の手続に瑕疵があるか)について」に関わり」の「その1」「その2」に関わり、次に「その3」を述べる。
その3
原審は、前述2.(1)@ないしCのとおり、合理性がない判示認定を行い争点(2)を結論づけている。
したがって、原判決に合理性がないことは明らかである。
3.「別紙3 瑕疵主張一覧表」に関わり
(1) 原審が(控訴人の主張)として判示認定した瑕疵の箇所は、控訴人が行った瑕疵の主張のうち、(被控訴人の主張)に出てくる箇所のみである。(「原告準備書面(4)」第2・1〜5ページ)
(2) 前記(1)の箇所、及び(1)に漏れた控訴人主張の瑕疵の箇所は、屋根・基礎・外壁・内壁・床下など構造耐力上重要な部分があるところ、これらは審査委員会が現地調査で写真撮影を行いながら撮影をしなかった箇所でもある。(同上)
したがって、原審が別紙に行った判示は、公正・公平を欠き偏頗であると言わざるを得ない。
4.まとめ
原判決は、いづれも、固定資産税について定めた地方税法に照らし公正・公平を欠いて合理性がなく失当である。
原判決は破棄され、控訴人の請求が認められて然るべきである。
第2 「答弁書」に関わり
1.「第2 控訴の理由に対する答弁、反論」に関わり
(1)「1.控訴人提出の写真(甲第57号証の1ないし6)について」に関わり
@ まず、被控訴人は、甲57の1ないし6を摘示している。
しかし、甲57は1ないし3であり、4ないし6は事実無根である。
よって、被控訴人の主張は、証拠を蔑ろにして杜撰極まりないものである。
A 「(1)」に関わり
控訴人が雨漏りに関わる証拠として提出したのは、被控訴人が摘示した乙8の10・11に加え、乙8の12ないし18である。
そして審査委員会は、「写真撮影報告書」(乙14)のとおり現地調査時に写真撮影を行いながら、雨漏り現場の屋根については、基礎の亀裂や破壊・外壁侵水・内壁亀裂・床下カビ等現場と同じく、全く写真撮影を行っていない。
したがって、「雨漏りは確認されなかった」とする被控訴人の主張を裏付ける証拠はない。(「原告準備書面(11)」第1・2ページ)
よって、被控訴人の主張は根拠に欠け合理性がない。
B 「(2)」に関わり
被控訴人が摘示した2009年撮影の写真(甲57の1ないし6)は、控訴人が控訴に当たり、前記Aのとおり被控訴人が撮影を行わなかった屋根雨漏りに関わる現場を明らかにしたものであり、提出したのは、2009年3月21日撮影の甲58の1ないし6、及び同22日撮影の甲57の1ないし3である。
しかるに被控訴人が摘示するのは、22日分のみであり、シミについては施工時から取り付けられている段ボールに言及している。
しかし、雨シミのついた段ボールは、21日分の甲58の1ないし3であり、22日分ではない。そして、雨漏りのシミ・カビは、甲58の4ないし6のとおり家屋構造上重要な屋根下地(野地板)にも発生しているところ、なぜか被控訴人が摘示したのは段ボールのみである。
よって、被控訴人の主張は、証拠を蔑ろにし杜撰極まりないものである。
C 「(3)」に関わり
ア.被控訴人は、『棟瓦の屋根は、7年ないし10年でメンテナンスが必要』としている。
しかし、その確たる証拠は示されていない。
又、前回の補修を『(平成10年8月31日)』としているが、当日補修を行った事実はない。
さらに、メンテナンスをしていれば雨漏りはしないと解される主張をしているが、メンテナンスが欠陥であることもあり得ることを考えれば、被控訴人の主張はナンセンスである。(「原告準備書面(11)」第2 3.3)・5ページ)
イ.本件家屋の屋根雨漏りは、瓦ズレ(甲14/乙8・6〜16)、土流出(乙8・17〜18)の損壊同様、スウェーデンハウスによって契約仕様「カラーモルタル」を「土」に偽装して行われた欠陥施工とこれに起因する損壊の1例である。(前記A同)
そして瓦は、審査委員会が行った事実調査の18日後に落下した事実がある。(甲7/甲37の1・2)
以上、本件建物に一般的なメンテナンスを当てはめる被控訴人の主張は理由がない。
また、法349条第2項第1号の「特別の事情」による部分別評価方式は、メンテナンスとは無関係である。
2.「その他」に関わり
被控訴人は、控訴状及び前述第1で、原判決の不合理を論証したものである。
よって、被控訴人が原判決を批判しているとする主張は的外れであり、被控訴人の答弁はいずれも合理性に欠け失当である。
以上、「控訴状」第3 控訴の理由、及び本書面 第1、第2と合わせてみれば、本件控訴は理由があり、控訴人の請求は認められて然るべきである。
控訴審は、被控訴人によって失墜させられた地方税法第349条の評価の信頼を取り戻し、憲法第30条に規定された納税の義務を履行する納税者の権利が保護されるよう十分に審議して、市民社会の基礎となる税の公正・公平な負担を図るべきである。
第3 求釈明
1.「第1」に関わり
(1) 前述、第1 2.(1)Cのとおり、審査委員会が栃木県に対して行った照会及び県が行った回答は、審査決定に関わるところ、その内容の証明は本裁判で行われていない。
よって、被控訴人に対し、照会と回答を証明するよう求める。
(2) 議事に関する調書、乙第15の37に記載された「県市町村課(鈴木)」の(鈴木)名について、去る5月15日、被控訴人総務課行政係担当者に問い合わせたところ、「本件代理人が個人情報であるので教える必要がないとしているので教えられない」旨であった。
(鈴木)は、公人であり、本件に関わる公職を担当した者である。
よって、被控訴人に対し(鈴木)の氏名を明示するよう求める。
2.「第2」に関わり
被控訴人は、答弁書「2 その他の主張について」で控訴人主張は原判決を批判したものである旨をもって失当としている。
よって、批判とする控訴人主張とその根拠を明確に示すよう求釈明する。
第4 証拠調べに関わり
控訴人は、証人の申し出を別紙行うが、証人の1人は、審査委員会の本件審査に関わる「県市町村課(鈴木)」である。
しかし、(鈴木)は、前述、第3 1.(2)のとおり、氏名が不明である。
よって、まず、「スウェーデンハウス株式会社 取締役社長 近藤征夫」を証人とする「証拠申出書(1)」を本書面と同日付で提出することにする。
以上
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