スウェーデンハウス欠陥住宅
「固定資産評価審査決定取消請求事件」裁判
2007年2月 7日、宇都宮地方裁判所・提訴
  原告・・・被害建築主   被告・・・日光市  訴外会社・・・スウェーデンハウス株式会社
2009年3月12日、宇都宮地方裁判所・判決・・・今泉秀和 裁判長/原道子・田端理恵子 裁判官
2009年3月22日、東京高等裁判所・控訴
    同3月22日付「控訴状」、及び
    同6月 1日付「控訴人準備書面(1)」・・・こちらをクリック

2009年3月22日付
「控訴状」

宇都宮地方裁判所判決の欠陥住宅再評価認定の誤りと、固定資産評価審査手続の瑕疵否定認定の誤りについて
    部は、掲載時伏せ字。
(書面は、A4版・全10ページ)

控  訴  状
 収入
 印紙
 
 
2009年3月22日
東京高等裁判所民事部 御中
                         
            控 訴 人(選定当事者)   籠 宮 益 樹 
 
〒321-1421 栃木県日光市所野1541番地285(送達場所)
п@            Fax           
控 訴 人(原告・選定当事者)  籠 宮 益 樹 
 
〒321-1292 栃木県日光市今市本町1番地
被 控 訴 人(被  告)  日 光 市
上記代表者兼裁決行政庁  日光市固定資産評価審査委員会
上記委員会代表者委員長  川 村 太 一
 
  固定資産評価審査決定取消請求控訴事件
    訴訟物の価額    金160万円(算定不能)
    貼用印紙額      金  1万9500円
 
 上記当事者間の宇都宮地方裁判所 平成19年(行ウ)第2号 固定資産評価審査決定取消請求事件について、同裁判所で2009年3月12日言い渡された下記判決に対しては、全てについて不服であるから、控訴する。
 
第1 原判決の表示
主    文
 原告(選定当事者)の請求を棄却する。
 訴訟費用は、原告(選定当事者)の負担とする。
 
第2 控訴の趣旨
 原判決を取消す。
 被控訴人が、控訴人(選定当事者)及び選定者に対し、2006年8月10日付けでした別紙2物件目録記載の建物に係る2006年度固定資産課税台帳の登録価格についての審査申出に対する決定を取り消す。
 控訴費用は、第1、2審を通じ、被控訴人の負担とする。
との判決を求める。
 
第3 控訴の理由
 原判決は、以下のとおり、「事実及び理由」中「第3 争点に対する判断」の争点(1)・(2)に事実誤認、及び当該法に関わり不合理などあり、到底承服できない。
 よって、控訴を提起する。
 また、その余の「事実及び理由」の判断・認定及び「別紙3 瑕疵主張一覧表」の(原告の主張)に存在する事実誤認・不合理などの詳細は、口頭弁論時、準備書面をもって提出する。
 
「事実及び理由 第3 争点に対する判断」について
1.「2 争点(1)(本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方法を用いるべきであったか)について」に関わり
その1
(1) 原審は、次のとおり判示する
「本件家屋には本件審査決定時において様々な不具合が存在したものであるが、これらの不具合は、家屋の評価を低下させ得る事情ではあるものの、個々としても総体としてみても、家屋の著しい損傷あるいは破壊に該当するほどの重大な不具合に該当するものとは到底いえない。」13ページ・3〜6行目
(2) ところで控訴人(原告・選定当事者。以下「原告」という)が審査申し出時に提出した証拠写真は、被控訴人(被告。以下「被告」という)が乙号証として原審に提出している乙8写真の1〜55である。
 これらの中には、瑕疵(欠陥)を認定した別件訴訟(後述3.(4)・7ページ)の証拠に用いた写真もある。
 その中には、例えば、屋根の雨漏り(乙8・10,11)、瓦ズレ(乙8・6)、土流出(乙8・12,13)があるが、撮影は1996年10月〜2003年6月(写真中日付)であり、審査申し出時におけるこれら損壊の証拠は、2006年8月、本件審査決定時の3年以上前のものである。
(3) 前記(2)、乙8の55枚に対し、日光市固定資産評価審査委員会(以下、「審査委員会」という)が、実地調査を行い事実撮影した写真は、被告提出の「写真撮影報告書」(乙第14号証)によると、計11枚であった。
 この報告書は、本裁判において長く隠蔽され、原告が原審裁判所に「文書提出命令」を申立て、結果、被告が裁判に提出した経緯があることを忘れてはならない(「原告準備書面(11)」の「第1 本件決定の不当に関わり」1ページ)。
 そして驚くべきことに、11枚の中には、乙8のうち、基本構造体に存在する次の損壊現場を撮影した写真は無く、実地調査の撮影から除外されていた(「原告準備書面(11)」の「第1 本件決定の不当に関わり 3.事実審査中、「実地調査」に関わり(2)」2ページ同様)。
@ 屋根(施工仕様「カラーモルタル」に偽り「土」で施工)
雨漏り・・・乙8・10,11
瓦ズレ・・・乙8・6,14,15,16
土営巣・・・乙8・7,8
土流出・・・乙8・12,13,17,18
A 外壁(施工図書に偽り支柱が無く、外壁に直付け施工)
浸水 ・・・乙8・23,24
B 基礎(釘、木片など混入施工)
亀裂 ・・・乙8・39,40,41,42
破壊 ・・・乙8・30
C 床下(施工仕様「砂」皆無。同「ビニールシート」が一部。/同「人通口」寸法偽りのため通行不能。床下はその大半が点検不能。)
カビ ・・・乙8・26,27,28,29,32
D 基礎(玄関ポーチ)
亀裂 ・・・乙8・43,44,45
E 耐力壁
亀裂 ・・・乙8・53,54(4ヶ所)
 以上、審査委員会の実地調査では、@Eの損壊の事実は明らかにされていない。
 よって、原審の判断は、公正・公平を旨とする地方税法(以下、「法」という)433条1項に基づく調査時の損壊の事実に基づいておらず、理由がない。
(4) ところで家屋の損壊は、年月が経てば進行し、悪化するのは通常であり一般的である。
 そして例えば、屋根の雨漏りについていえば、北西棟の瓦ズレ(乙8・6)、土営巣(乙8・7,8)箇所で雨漏り(乙8・10,11)が生じている事実がある。
 よって、もし、審査委員会が調査時に、北東棟の土流出(乙8・12,13)箇所を撮影していたならば、瓦ズレはもとより雨漏りは撮影可能であった。控訴に当たり、この北東棟の瓦ズレを甲57の1〜3、雨漏りを甲58の1〜6として提出する。
(5) 別件訴訟判決(乙10の1・2)は、スウェーデンハウス株式会社(以下、「スウェーデンハウス」という。)が前記(4)雨漏り北西棟の補修を拒否したため、やむなく原告が補修した代金を請求したとおりに認め、同社に賠償を命じている。
 よって、雨漏りは、家屋の著しい損壊に当たる重大な不具合である事実は疑う余地はない。
 したがって原審の判断は、家屋損壊の評価を誤っており、理由がない。
 
 なお、原審裁判では、被告申立による審査委員会委員長の証人尋問が、傍聴人のいる中行われた。
 原告籠宮は、証人に対し前記(3)@E損壊に関わり、法349条「特別の事情」に関わる家屋の評価について尋問を始めたところ、被告代理人は必要ない旨発言して制止し、原告が唖然とする中、裁判長が同意したため、原告はやむなく尋問を他の内容に変えねばならなかった経緯がある。(「原告準備書面(11)」の「第2 「証人調書」に関わり」4ページ)
 
 以上、審査委員会が調査時に基本構造体に存在する前記(3)@E損壊現場を除外せず撮影していたならば、法349条2項各号に定めた「特別の事情」にいう著しい損傷、又は破壊は写真にその事実が残り、証明できたはずである。
 
その2
(1) 原審は、次のとおり判示する。
「これらの証拠によっても上記原告の主張を認めるには足りず、他に上記不具合により本件家屋の価値に大幅の減少が生じたことを認めるに足りる証拠はない。」13ページ・12〜14行目
(2) そこで、以下に前記(2)「これらの証拠」の甲号証について見てみる。
@ 例えば屋根に関わり、損壊の事実が次のとおり存在する。
屋根瓦の落下          ・・・甲7の1・2/甲37の1・2
屋根雨漏りによる軒天のシミ・カビ・・・甲25の1〜3
A 又、新聞記事(甲19)は、1997年3月27日通商産業省令第52号「電気設備に関する技術基準を定める省令(1965年通商産業省令第61号)」(甲20)出火防止に反する電気配線欠陥工事施工(乙8・4,5)の危険性を、一級建築士が指摘し警鐘をならしたものである。
B そして、甲34の1〜6、及び甲35は、前記A欠陥施工で万が一出火した場合、火気厳禁油槽施設と国有林など隣地環境から大惨事となる恐れがあり、人命・財産はもとより、国立公園・観光施設・世界遺産「日光の社寺」などに、計り知れない損害を及ぼす恐れがある事実を示したものである(「原告準備書面(6)」の「第4 3.まとめ」10ページ)。
 したがって、原審判断は、屋根瓦の落下及び雨漏り、及び欠陥電気工事について、公正・適正に評価しておらず、理由がない。
 
 以上、本件家屋の価値は大幅の減少をきたしているのは明らかであり、
 審査委員会が法349条2項「特別の事情」を認めず、部分別評価方法を用いなかった違法を容認した原審判決は妥当性がない。
 
2.「3 争点(2)(本件審査決定の手続に瑕疵があるか)について」に関わり
その1
(1) 原審は、次のとおり判示する。
「原告は、審査委員会が実地調査において原告の指示した箇所すべてを調査せず、調査時の写真撮影も十分に行わなかったとしてこれらが本件審査決定の違法事由に当たると主張する。」14ページ・13〜15行目
(2) しかし、前記(1)判示は、以下のとおり事実に相違する(原告、各「準備書面」)。
@ 原告が主張したのは、前述その1(3)のとおり、損壊の存在する基本構造体の事実が実地調査時に撮影されておらず、審査委員会が審査、及び決定を公正・公平に行わなかった瑕疵についてである。
A そして、屋内及び屋根一部の調査は、出向いてきた審査委員会委員3名のところ2名で行われ、前記@のとおり、損壊の事実は隠蔽されたまま審査及び決定は行われ、公正・公平に行われなかった瑕疵についてである。
 
 よって、原審の判断は、原告主張の事実を誤認しており、理由が無い。
 
その2
(1) 原審は、次のとおり判示する。
「審査委員会が上記期限の明示をしなかったという点は、本件審査決定の手続を違法とするほどの手続的瑕疵に当たるとはいえない」15ページ・11〜13行目
(2) 前記(1)は、以下の書面に関わる。
@ スウェーデンハウスが原告に対し行った通知(甲11・判決でいう「本件提案文書」)
 これには次のとおり記載されている。
『1 本年10月3日の籠宮様宅におけるお話し合いの席上でご提示した、
イ. 籠宮様邸を修補させていただくことによる解決
ロ. 籠宮様が、他社住宅に建て替えるというお考えであるならば、スウェーデンハウスに9年間住んだ利益は求めず、支払代金全額を利息なしで返還する
という案のうち、ロの方を選択されるということですので、以下ロに関しまして、その内容の骨子をご提案を申し上げます。』
 
A 被告がスウェーデンハウスに行った照会(乙13)
 これには次のとおり記載されている。
『   籠宮益樹氏住宅に関する施工について(照会)
 
 何分にもよろしくご回答をお願いいたします。
1 貴社代理人栗林信介弁護士からの平成11年10月29日付文書の信憑性について
2 貴社の籠宮益樹氏申出中の欠陥施工住宅の認否について』
 
B スウェーデンハウスが審査委員会に行った回答(乙11)
 これには次のとおり記載されている。
『2 上記@(前記A『1』…註:籠宮)について
 当社代理人の「平成11年10月29日付文書の信憑性」ということですが、この書面が、当社の了承の下に代理人弁護士が発送されたものであることは当然のことであります。
3 上記A(前記A『2』…註:籠宮)について
 本件建物が「欠陥施行住宅」であることにつきましては、否認いたします。
 当社はそのようなことを認めておりませんし、本件建物はそのような建物ではありません』
(3) 前記(1)判示は、審査委員会がスウェーデンハウス宛照会乙13に回答期限を明示しなかった事実についてである。
 ところで、この照会には、次のとおり記載がある。
『審理において、地方税法第349条第2項各号による「原則とした方法が適当でないと認められる場合」、家屋の評価において「欠陥」又は「瑕疵」の影響を考慮する場合に該当するものかどうか、大きく影響いたしますので、下記の項目につきましてご照会いたします。何分にもよろしくご回答をお願いいたします。』
(4) 前記(3)のとおり、欠陥住宅であるか否かは、審査決定に重大な影響があった。
 しかるに原審は、次のとおり認定判断している。
@ (スウェーデンハウス回答乙11について)「欠陥住宅でないというものにすぎない」15ページ・5〜6行目
 しかし、この回答に添付されてきた別件訴訟の高裁判決書(乙10の2、確定)は、その13ページ・1行目で瑕疵(欠陥)を認定している。地裁判決書(乙10の1)も同じである。
 よって、スウェーデンハウスの「欠陥住宅でない」とする回答は虚偽であり、又、回答内容については、別件訴訟の判決を偽装している事実が判明している。(「原告準備書面(6)」の「第4「スウェーデンハウス回答書」(乙11)の不当に関わり」4〜10ページ)
 
 以上、原審の判断は、欠陥住宅の重大性及び判決の重大性を軽視し、公正、及び公平を欠いて理由がない。
A (別件訴訟の各判決内容について)「本件審査申出に関連する事項としては、原告及び選定者とスウェーデンハウスとの間で本件建物に補修を要する箇所があること等について争いがないことを理由中で認定したものにとどまり」同・7〜9行目
 しかし、同判決内容にある本件審査申出に関する事項は、前述(3)及び前記@のとおり欠陥住宅であり、補修ではない。
 又、同判決は、前記(2)@、甲11ロの建て替え「解体」に関わる提訴に対し行われたものであり、補修はスウェーデンハウスの補修拒否も含め経過として出てきたものである。(原告は、請負契約にある原告の解除権を認めなかった同判決に従い、甲11、ロのとおり、スウェーデンハウスの建て替え「解体」表明に基づき、解体を求め、道義的・社会的責任を果たすよう求めているが、スウェーデンハウスは表明を反故にして解体せず現在に至っている。)
 
 以上、原審の判断は公正・公平を欠いて理由がない。
 なお、原審の同判決内容誤認については、追って明らかにする。
B 「仮に本件審査決定前に到着していても、前記2(本書面、前述2に関わり…註:籠宮)に判示したところに照らしていずれもその結論に影響するものであったとはいえない」同・10〜11行目
 しかし、審査委員会は、回答書が決定前に届いていたなら、前記@のとおり欠陥住宅の事実を知り得、欠陥住宅でないとして出された結論に、前述(3)のとおり『大きく影響』したのである。
 よって、原審の判断は誤りであり理由がない。
 
 以上、審査委員会の本件審査決定の手続きは、公正・公平に行われていない。
 審査委員会が法433条1項に定めた審査決定の公正・公平にもとる違法を容認した原審判決は妥当性がない。
 
.まとめ
 原判決は、いづれも、固定資産税について定めた地方税法に照らし理由がない。
 原判決は破棄され、控訴人の請求が認められて然るべきである。
 
第4 証拠の方法
 第1審摘示の証拠を提出し、控訴審においても新たな証拠を提出する。
 
附 属 書 類
 
  控訴状副本                     1通
  書 証     甲57の1〜3          各1通
            甲58の1〜6          各1通   
以上
 
別紙1
選定者目録
 
栃木県日光市          
選  定  者                
別紙2
物件目録
 
所  在    栃木県日光市所野1541番地285
家屋番号             
種  類    居宅
構  造    木造スレート葺2階建
床 面 積        1階  67.55u
2階  67.55u
 



2009年6月1日付
「控訴人準備書面(1)」

宇都宮地方裁判所判決の欠陥住宅再評価認定の誤りと、固定資産評価審査手続の瑕疵否定認定の誤りについて
    部は、掲載時伏せ字。(書面は、A4版・全8ページ)
平成21年(行コ)第133号 固定資産評価審査決定取消控訴事件
控 訴 人   選定当事者   籠 宮 益 樹
被控訴人   日 光 市
 
控訴人準備書面(1)
 
2009年6月1日
 
東京高等裁判所 第20部民事部イA係 御中
 
            控訴人   選定当事者   籠 宮 益 樹
 
 
 控訴人は、本書面をもち以下のとおり、「第1」で控訴理由の補完、「第2」で被控訴人「答弁書」に対する反論、「第3」で求釈明、「第4」で証拠調べに関わり、各々を述べる。
 
第1 控訴理由
 控訴人は、2009年3月22日付「控訴状 第3 控訴の理由」に、以下の控訴理由を述べ補完する。
 
1.原判決「第2 事案の概要」に関わり 
@ 原審は、「3 争点」で本件家屋の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったかとする「争点(1)」に関わり、次のとおり判示している。
『本件家屋の評価額の算定に当たり、損耗の状況による減点補正率(前記2(1))として、損耗の程度の応ずる減点補正率(評価基準第2章第2節一、五。損耗減点補正率)を用いなかったことの違法をも主張するかどうかにつき、平成19年8月20日の第3回弁論準備手続において主張しない旨述べ、平成20年10月23日の第2回口頭弁論において当裁判所から同趣旨の釈明を求められたのに対しても、同年12月4日の第3回口頭弁論において主張しない旨述べており、損耗減点補正率を用いるべきであったかどうかは争点となっていない。』4ページ・3〜10行目
A しかし前記@判示は、次に述べるとおり、根拠に欠け合理性がない。
.本件家屋において控訴人が求めている評価算定は、「原告準備書面(1) 第1・2」1〜3ページのとおり、地方税法(以下、「法」という。)第349条第2項第1号の「特別の事情」に基づく、欠陥施工とこれに起因する損壊の部分別評価方式による再建築費評点数算出である。
.そして、本裁判に訴え主張しているのは、「訴状 請求の原因」にあるとおり、法349条第2項第1号の「特別の事情」に基づく部分別評価方式を用いなかったことの違法についてであり、「損耗減点補正率を用いなかったことの違法」ではない。
.さらに控訴人は、裁判所から求められた釈明に対し、2008年11月17日「原告準備書面(8)」を提出して釈明しているとおり、裁判所が求めた釈明は、『原告らは欠陥施工を原因として生じた損壊を「損耗」とする考えはあるや旨、お尋ね』であり、損耗減点補正率を用いなかったことの違法を主張するかどうかではない。
 
 したがって、原審の判示は、事実無根であり、争点(1)の真実を歪め合理性がない。
 
2.原判決「第3 争点に対する判断」に関わり
(1) 「1」の事実の認定について
@ア.原審は(1)で次のとおり認定している。
『 その後も補修等に関する両者の交渉は続き、平成11年10月ころには、スウェーデンハウスが本件家屋代金を原告に返還し、原告が本件家屋を他社の施工により建て替える方向で話が進んだ。しかし、その後両者は合意に至らず、平成12年10月には、スウェーデンハウスが原告の妻に対して民事調停の申立てをし、平成13年9月には、原告及び選定者がスウェーデンハウスに対して、本件家屋の補修費用や慰謝料等の損害賠償を求める別件訴訟を提起するに至った。』7ページ・末〜8ページ・6行目
.しかし前記.認定は、「建て替える方向で話が進んだ」経過に、次の事実を判示していない。
@) 控訴人及び選定者とスウェーデンハウスの補修交渉は進んで補修は合意し、1999年10月3日が補修工事の打ち合わせ日として合意していた事実。(別件東京地裁判決書・乙10の1「第3 裁判所の判断 本件の経過について(22)〜(25)」10〜11ページ)
A) しかし、当日になって、スウェーデンハウスは控訴人らに対し、甲11に記載されているとおり、
『イ.籠宮様邸を修補させていただくことによる解決 
 ロ.籠宮様が、他社住宅に建て替えるというお考えであるならば、   スウェーデンハウスに9年間住んだ利益は求めず、支払代金   全部を利息なしで返還する』(同上)と提示表明した事実。
B) そしてスウェーデンハウスは、控訴人らが『ロの方を選択されるということですので、以下ロに関しまして、その内容の骨子をご提案を申し上げます。』旨を提示表明(甲11)した事実。(同上)
.前記.経過は、原判決の「争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるか」に関わるスウェーデンハウス回答書(乙11)の「2」及び「4」が虚偽である事実を証明している。(「原告準備書面(6)」第4・4〜11ページ)
 
 したがって、原審の認定は争点(2)に関わり公正を欠いた偏頗なものであると言わざるを得ない。
Aア.原判決は(1)で次のとおり認定している。
『 原告は、別件訴訟において、本件家屋の施工の瑕疵として別紙3瑕疵一覧表1ないし5,7及び13記載の事項等を主張したところ、東京地方裁判所は、平成15年3月26日、原告及び選定者の請求を、原告につき103万1610円及び遅延損害金、選定者につき13万1000円及び遅延損害金の限度で容認する判決を言い渡し、同判決理由中で概要以下@ないしCのとおり判示した(別件地裁判決)。』8ページ・7〜12行目
.前記別件地裁判決は、別紙主張整理表(争点1について)2「設計図書に適合しない施工の有無(1)〜(26)」28〜30ページに、欠陥施工とこれに起因する損壊を多々明示している。
 しかし、原審が摘示したのは、Bの2箇所のみである。
.前記.判決の箇所には、被控訴人が事実調査で写真撮影を行いながら、撮影を行わなかった屋根(Bを含む)・基礎・外壁・床下・内壁などがある。(「原告準備書面(11)」第1・2ページ)
 
 したがって、原審の認定は、争点(1)本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったか、及び争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるかに関わる欠陥施工とこれに起因する損壊のうち、前記.被控訴人の行為を利するものであり、公正・公平を欠いて合理性がない。
.又、原審が摘示したC損害は、損害賠償の2箇所が本件建物の欠陥に過ぎない旨被控訴人が主張するところである(被告「第6準備書面」2ページ)。
 しかし、この損害賠償は、雨漏り・出火原因の緊急事態にやむなく控訴人らが補修を行った代金の請求が認められたのであり、前記.判決の箇所どおり、欠陥は2箇所だけではない(「原告準備書面(6)」第3 .〜.・3〜4ページ)。
Bア.原審は、(1)で次のとおり認定している。
(別件高裁判決)『その後、スウェーデンハウスと原告とは補修の実施等について交渉したが、本件審査決定時点で、スウェーデンハウスによる本件家屋の補修は行われないままであった。』9ページ・7〜9行目
.しかし別件高裁判決のその後の控訴人らとスウェーデンハウスの交渉は、次に述べるとおりである。
@) 別件高裁が支持した地裁判決は、請負契約の解除条項にある控訴人らの解除権を認めなかった。(別件地裁判決書乙10の1・15〜17ページ)
A) よって別件高裁判決後、控訴人らは前記@)判決に従い、スウェーデンハウスに対し、請負契約の解除権に基づく建て替え(解体)を求めることを諦め、前述@イ.、甲11に記載されたスウェーデンハウスの『ロ.籠宮様が、他社住宅に建て替えるというお考えであるならば、スウェーデンハウスに9年間住んだ利益は求めず、支払代金全部を利息なしで返還する』とした提示表明に基づき、建て替えるための解体を求め続けている(甲32)。
 しかし、スウェーデンハウスは、「ロ.建て替え」表明を反故にする補修を控訴人らに強要し続けている(甲33)。
 
 以上、判決後、控訴人らは『補修の実施等について交渉した』事実はないから、原審の認定は事実無根であり、又本件家屋は建て替え(解体)されないままなのである。原審の認定は合理性がない。
.又、前記.経緯は、原判決の「争点(2)本件審査決定の手続に瑕疵があるか」に関わるスウェーデンハウス回答書(乙11)の「3」及び「4」が虚偽である事実を証明している。(「原告準備書面(6)」第4・4〜11ページ)
 したがって、原審の認定は争点(2)に関わり公正・公平を欠いた偏頗なものであると言わざるを得ない。
Cア.原判決は「1」で次のとおり認定している。
『  その後、審査委員会は、欠陥住宅の評価方法について栃木県へ照会し、同10日までに回答を得た。
(6) 審査委員会は、同10日に3回目の委員会を開催し、欠陥住宅の評価方法についての栃木県の回答及び実地調査における調査結果を確認した上で、本件家屋に存在する不具合の状況についての判断が上記(5)のとりであることを確認した。』11ページ・22行目〜12ページ・1行目
.しかし、審査委員会が行ったとする栃木県への照会、及び栃木県の回答は、それら証拠が本裁判に提出されていない。
 
 したがって、原判決の認定は事実に基づいたものではない。
(2)「2 争点(1)(本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方式を用いるべきであったか)について」に関わり
 控訴状「第3 控訴の理由 1.「2 争点(1)(本件家屋の評価額の算定に当たり部分別評価方法を用いるべきであったか)について」に関わり」の「その1」「その2」に加え、次に「その3」を述べる。
その3
 原審は、前述1.及び2.(1)ACのとおり、合理性がない判示認定を行い争点(1)を結論づけている。
 
 したがって、原判決に合理性がないことは明らかである。
(3)「3 争点(2)(本件審査決定の手続に瑕疵があるか)について」に関わり
 控訴状「第3 控訴の理由 2「3 争点(2)(本件審査決定の手続に瑕疵があるか)について」に関わり」の「その1」「その2」に関わり、次に「その3」を述べる。
その3
 原審は、前述2.(1)@ないしCのとおり、合理性がない判示認定を行い争点(2)を結論づけている。
 
 したがって、原判決に合理性がないことは明らかである。
 
3.「別紙3 瑕疵主張一覧表」に関わり
(1) 原審が(控訴人の主張)として判示認定した瑕疵の箇所は、控訴人が行った瑕疵の主張のうち、(被控訴人の主張)に出てくる箇所のみである。(「原告準備書面(4)」第2・1〜5ページ)
(2) 前記(1)の箇所、及び(1)に漏れた控訴人主張の瑕疵の箇所は、屋根・基礎・外壁・内壁・床下など構造耐力上重要な部分があるところ、これらは審査委員会が現地調査で写真撮影を行いながら撮影をしなかった箇所でもある。(同上)
 
 したがって、原審が別紙に行った判示は、公正・公平を欠き偏頗であると言わざるを得ない。
 
4.まとめ
 原判決は、いづれも、固定資産税について定めた地方税法に照らし公正・公平を欠いて合理性がなく失当である。
 原判決は破棄され、控訴人の請求が認められて然るべきである。
 
第2 「答弁書」に関わり
1.「第2 控訴の理由に対する答弁、反論」に関わり
(1)「1.控訴人提出の写真(甲第57号証の1ないし6)について」に関わり
@ まず、被控訴人は、甲57の1ないし6を摘示している。
 しかし、甲57は1ないし3であり、4ないし6は事実無根である。
 
 よって、被控訴人の主張は、証拠を蔑ろにして杜撰極まりないものである。
A 「(1)」に関わり
 控訴人が雨漏りに関わる証拠として提出したのは、被控訴人が摘示した乙8の10・11に加え、乙8の12ないし18である。
 そして審査委員会は、「写真撮影報告書」(乙14)のとおり現地調査時に写真撮影を行いながら、雨漏り現場の屋根については、基礎の亀裂や破壊・外壁侵水・内壁亀裂・床下カビ等現場と同じく、全く写真撮影を行っていない。
 したがって、「雨漏りは確認されなかった」とする被控訴人の主張を裏付ける証拠はない。(「原告準備書面(11)」第1・2ページ)
 
 よって、被控訴人の主張は根拠に欠け合理性がない。
B 「(2)」に関わり
 被控訴人が摘示した2009年撮影の写真(甲57の1ないし6)は、控訴人が控訴に当たり、前記Aのとおり被控訴人が撮影を行わなかった屋根雨漏りに関わる現場を明らかにしたものであり、提出したのは、2009年3月21日撮影の甲58の1ないし6、及び同22日撮影の甲57の1ないし3である。
 しかるに被控訴人が摘示するのは、22日分のみであり、シミについては施工時から取り付けられている段ボールに言及している。
 しかし、雨シミのついた段ボールは、21日分の甲58の1ないし3であり、22日分ではない。そして、雨漏りのシミ・カビは、甲58の4ないし6のとおり家屋構造上重要な屋根下地(野地板)にも発生しているところ、なぜか被控訴人が摘示したのは段ボールのみである。
 
 よって、被控訴人の主張は、証拠を蔑ろにし杜撰極まりないものである。
C 「(3)」に関わり
ア.被控訴人は、『棟瓦の屋根は、7年ないし10年でメンテナンスが必要』としている。
 しかし、その確たる証拠は示されていない。
 又、前回の補修を『(平成10年8月31日)』としているが、当日補修を行った事実はない。
 さらに、メンテナンスをしていれば雨漏りはしないと解される主張をしているが、メンテナンスが欠陥であることもあり得ることを考えれば、被控訴人の主張はナンセンスである。(「原告準備書面(11)」第2 3.3)・5ページ)
イ.本件家屋の屋根雨漏りは、瓦ズレ(甲14/乙8・6〜16)、土流出(乙8・17〜18)の損壊同様、スウェーデンハウスによって契約仕様「カラーモルタル」を「土」に偽装して行われた欠陥施工とこれに起因する損壊の1例である。(前記A同)
 そして瓦は、審査委員会が行った事実調査の18日後に落下した事実がある。(甲7/甲37の1・2)
 
 以上、本件建物に一般的なメンテナンスを当てはめる被控訴人の主張は理由がない。
 また、法349条第2項第1号の「特別の事情」による部分別評価方式は、メンテナンスとは無関係である。
 
「その他」に関わり
 被控訴人は、控訴状及び前述第1で、原判決の不合理を論証したものである。
 よって、被控訴人が原判決を批判しているとする主張は的外れであり、被控訴人の答弁はいずれも合理性に欠け失当である。
 
 以上、「控訴状」第3 控訴の理由、及び本書面 第1第2と合わせてみれば、本件控訴は理由があり、控訴人の請求は認められて然るべきである。
 控訴審は、被控訴人によって失墜させられた地方税法第349条の評価の信頼を取り戻し、憲法第30条に規定された納税の義務を履行する納税者の権利が保護されるよう十分に審議して、市民社会の基礎となる税の公正・公平な負担を図るべきである。  
 
第3 求釈明
1.第1」に関わり
(1) 前述、第1 2.(1)Cのとおり、審査委員会が栃木県に対して行った照会及び県が行った回答は、審査決定に関わるところ、その内容の証明は本裁判で行われていない。
 よって、被控訴人に対し、照会と回答を証明するよう求める。
(2) 議事に関する調書、乙第15の37に記載された「県市町村課(鈴木)」の(鈴木)名について、去る5月15日、被控訴人総務課行政係担当者に問い合わせたところ、「本件代理人が個人情報であるので教える必要がないとしているので教えられない」旨であった。
 (鈴木)は、公人であり、本件に関わる公職を担当した者である。
 よって、被控訴人に対し(鈴木)の氏名を明示するよう求める。
 
.「第2」に関わり
 被控訴人は、答弁書「2 その他の主張について」で控訴人主張は原判決を批判したものである旨をもって失当としている。
 よって、批判とする控訴人主張とその根拠を明確に示すよう求釈明する。
 
第4 証拠調べに関わり
 控訴人は、証人の申し出を別紙行うが、証人の1人は、審査委員会の本件審査に関わる「県市町村課(鈴木)」である。
 しかし、(鈴木)は、前述、第3 1.(2)のとおり、氏名が不明である。
 よって、まず、「スウェーデンハウス株式会社 取締役社長 近藤征夫」を証人とする「証拠申出書(1)」を本書面と同日付で提出することにする。
 
  以上