提出後、裁判所より補正を求められたため、掲載訴状は、訂正後のものとなっています。
    部は、掲載時伏せ字。
(書面は、A4版・全5ページ)
訴   状
 
 
2007年2月7日
宇都宮地方裁判所民事部 御中
 
 〒321−1421 栃木県日光市所野1541番地285(送達場所)
電 話           
 FAX            
                  原  告    籠 宮  益 樹
              同所
                  原  告              
 
〒321−1292 栃木県日光市今市本町1番地 日光市役所
               被  告         日光市
          上記代表者兼処分行政庁  日光市固定資産評価審査委員会
          上記委員会代表者委員長  川 村  太 一
 
  固定資産評価審査決定取り消し請求事件
    訴訟物の価額     160万円(算定不能)
    ちょう用印紙額     金1万3000円
 
第1 請求の趣旨
 被告が原告らに対し2006年8月10日付けでした別紙物件目録記載の建物に係る2006年度固定資産台帳の登録価格についての審査申出に対する決定を取り消す。
 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
 
第2 請求の原因
 当事者
1) 原告らは、地方税法(以下、「法」という)に基づく固定資産税課税対象となる栃木県日光市所野1541番地285所在家屋(以下、「本件家屋」という)の所有者であり、被告日光市から2006年5月15日付「平成18年度 固定資産税・都市計画税 納税通知書」添付の「土地・家屋課税明細書」にて、2006年度の本件家屋課税標準額を通知された納税者である。
2) 被告日光市(斎藤文夫市長)は、法に基づき、固定資産税課税標準額(以下、「課税標準額」という)を算出するとともに固定資産税を徴収する、地方自治法に定められた普通地方公共団体である。
 代表の日光市固定資産評価審査委員会(以下、「委員会」という)は、法第423条に基づき設置され、課税標準額について納税者から不服の申出があった場合、審査・決定する機関である。
 
2 本件決定の存在に関わり
1) 原告らは、固定資産税課税対象となる本件家屋について、日光市(被告)から、2006年5月15日付「平成18年度 固定資産税・都市計画税 納税通知書」【甲第1号証の1】添付の「土地・家屋課税明細書」【甲第1号証の2】をもって、2006年度の本件家屋課税標準額が 3,633,292円であることを通知された。
2) 本件家屋は、欠陥施工(瑕疵ある施工)された建物であり、被害(損壊)が生じている(後述)。
 よって原告らは、欠陥施工が露見していなかった1991年新築当時、通常家屋として実地調査され、これによる固定資産評価を基に算出された2006年度課税標準額は適正ではなく、再評価が妥当として、2006年7月13日、法第432条に基づき「固定資産審査申出書」【甲第2号証】を委員会に提出し、同書「別紙」申出の趣旨のとおり、課税標準額 3,633,292円を再評価され、適正な減額が為されることを求めて審査の申出を為した(以下、「本件申出」という)。
3) そして、本件申出は、日光市(被告)弁明【甲第3号証】、申出人ら(原告ら)反論【甲第4号証】が為されたのち、2006年8月10日付「固定資産評価審査決定書(正本)」(以下、「決定書」という)【甲第5号証】をもって、委員会より「棄却」との決定(以下、「本件決定」という)が為された。(原告らは、決定書を同8月12日簡易書留郵便にて受領)
 なお、納税通知書、及び委員会からの同8月10日付書面「固定資産評価審査決定書の送付について」において、『委員会の決定に不服があるときは、その取り消しの訴えを、処分又は裁決があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、日光市を被告として(委員会が被告の代表となります)裁判所に提起することができます。』旨の教示があった。

 本件決定理由に関わり
1) 決定書における「6 決定理由」には、(1)申出について、(2)家屋の評価方法及び手続き、(3)審査申出家屋の台帳価格の計算過程、(4)審査決定の理由、(5)結論、が記載されている。そして、「審査決定の理由」の(4)には、@実際の建築費との比較について、A家屋の評価方法に対する申出について、B経年減点補正率基準表における初期減価について、が記載されている。
2)(4)審査決定の理由」中、@及びBは評価方法等の説明であり、「理由」が示されているのは、Aにおいてであり、以下のとおりであった。
『 審査申出人の、審査申出家屋の評価額の再評価を行い適正な減額を求める旨の審査申出により、家屋の損壊状況を把握するために実地調査を必要と認め、調査の結果は、地方税法第349条第2項各号による「原則とした方法が適当でないと認められる場合」に該当するものでは無いと判断いたしました。
 なお、家屋の評価において「欠陥」又は「瑕疵」の影響を考慮する場合とは、「構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分等」の「欠陥(瑕疵)により、当該家屋の現状が通常の家屋よりかなり大きく損耗が進んだ状態である場合に限られるものであります。』
3) 前記、2) 被告の「理由」は、以下のとおり合理性及び正当性が無い。
@ 法第349条第2項各号は、次のとおりである。
第1号「地目の変換、家屋の改築又は損壊その他これらに類する特別の事情
第2号「市町村の廃置分合又は境界変更
 よって、原告らが本件家屋について、欠陥施工(瑕疵ある施工)され、被害(損壊)が発生している「特別の事情」のある家屋である事実をもって、上記、法第1号に基づき再評価され、適正な減額が為されることを求めた本件申出を、『法第349条第2項各号による「原則とした方法が適当でないと認められる場合」に該当するものでは無い』として「棄却」した被告の判断は、法に照らして、合理性及び正当性が無い。
A 被告が、『家屋の評価において「欠陥」又は「瑕疵」の影響を考慮する場合とは、』として限定する判断は、本件決定書及び添付された「資料1〜4」のいずれを見ても、説明記載したものは全く無い。
 よって、被告の判断は、根拠が明示されておらず、合理性及び正当性が無い。 

 本件家屋の欠陥施工(瑕疵ある施工)、及び本件申出に至る経緯に関わり
1) 原告らは、1990年7月5日、スウェーデンハウス株式会社( 近藤征夫社長/羽山定克会長)(以下、「スウェーデンハウス」という。)と本件家屋の工事請負契約を交わし、同社は同年11月に着工、手抜き工事のやり直しなどで契約引渡し日を2ヶ月も先に延ばして、翌91年6月8日、原告に引渡し、同月入居に至った。
 しかし、スウェーデンハウスは、入居後、目に見える不具合を手直ししただけで、保証書にある「アフターサービス .引渡しの日より起算し、1カ月、3カ月、6カ月、12カ月、及び24カ月を経過する各期日に、訪問による点検または文書による調査を行い、保証条項に従った補修を行う。」に反し、「定期点検」を履行せず、見つかった手抜き・欠陥施工の補修をすることを拒否し続けた。
2) そこで、原告らは、1994年に東京品川にある「国民生活センター」に出向いたり、県内の宇都宮に出向いたりして複数の弁護士に相談する等した結果、スウェーデンハウスに補修を求め続けた。
 しかし、スウェーデンハウスは補修を拒否し続け、原告らは泣き寝入りをするしかないのか・・・ と、半ば諦めていた。
 しかし、隣地の造成工事をきっかけにして原告らは、本件家屋の屋根瓦のズレを発見し、その後1998年にズレた瓦の下に鳥の巣があったこと等を発見して(雨漏りしていたことは、その後発覚)、施工仕様にある「カラーモルタル」に偽って「土」が使用された欠陥施工であることを知り、愕然とした。
 そして、保管してあった本件家屋の設計図書や施工仕様書と本件家屋を照らしてみると、あるはあるは、両者に偽って施工された欠陥は次々と発覚した。
3) ここに至り、スウェーデンハウスからよもやの欠陥住宅をつかまされたことがわかった原告らは、泣き寝入りをやめ、スウェーデンハウスに補修を要求していくことを決意した。
 そして、原告らは多大な労力をはらい出費を重ねて、粘り強く要求をし続けた結果、定期点検不履行から8年にわたる補修拒否を止めさせ、スウェーデンハウスに全面的補修を認めさせるに至った。全面的補修は合意事項となり、補修の日程等決めるために、面談日が1999年10月3日に設定された。
 しかし、当日になってみると、驚いたことにスウェーデンハウスは建て替え(建物解体)を提案してきた。そこで、原告らは解体の方を選択し、そして、スウェーデンハウスは、原告らの解体選択を認めた。
4) 以後、原告らは、本件申出に至る6年余にわたり、今年こそは今年こそはと、解体の責任を果たすだろうとスウェーデンハウスに実行するよう求め続けてきた。しかし、スウェーデンハウスは、解体の責任を果たすことなく拒否し続けているため、本件家屋は欠陥施工と、これに起因する損壊の状況を晒して現在も残っている。
 そこで原告らは、やむなく、課税標準額算出の基準年度に当たる2006年度において、欠陥施工が為された本件家屋について再評価され、適正な減額が為されることを求め、欠陥施工と損壊の証拠をもって本件申出に踏み切った。

 まとめ
 欠陥施工(瑕疵ある施工)が露見し、欠陥施工に起因する損壊の状況にある本件家屋について、再評価と、これによる適正な減額課税を求めた本件申出を棄却とする被告の決定は、前述3 3)に述べたとおり、その決定理由に合理性及び正当性が無い。
 また、欠陥住宅・建物が横行し、ために少なからぬ国民が居住や家計など生活が圧迫され、近隣を巻き込む生命の危険に晒されるなど辛酸をなめている社会にあって、本件申出に対する被告の決定は、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定めた憲法第30条によって、納税を公正・公平のもとに行う納税者の権利を侵害し、課税に対する納税者の信頼を侵害するものである。
 よって、原告らは、本件決定に不服であるから、法第434条の規定に基づき、請求の趣旨記載のとおりの判決を求めて本訴に及んだ次第である。
                                    以上
 

証 拠 方 法
 
 甲第1号証の1  2006年5月15日付
              「平成18年度 固定資産税・都市計画税 納税通知書」
 甲第1号証の2  上記通知書添付「土地・家屋課税明細書」
 甲第2号証     2006年7月13日提出 原告ら「固定資産審査申出書」
 甲第3号証     2006年7月18日付  被告 「弁明書」
 甲第4号証     2006年7月27日付  原告ら「反論書」
 甲第5号証     2006年8月10日付「固定資産評価審査決定書(正本)」
 甲第6号証     建物全部事項証明書
 
※上記書証の外、「請求の原因」の事実を証す書証は、口頭弁論にて随時提出する。
 
添 付 書 類
 
 訴状副本                      1通
 甲第1 〜6号証(写し)             各1通