部は、掲載時伏せ字。
(書面は、A4版・全6ページ)
平成20年(行コ)第353号 違憲確認等請求控訴事件
 
控 訴 人   籠宮 益樹   籠宮 千恵子
被控訴人   日本弁護士連合会
 
控訴理由書
 
2008年11月25日
 
東京高等裁判所 第2民事部 御中
 
                                 控 訴 人   籠 宮 益 樹 
 
                                 同       籠宮 千恵子
 
 上記当事者間の違憲確認等請求控訴事件における控訴の理由は、次のとおりである。
 
 原審は、以下のとおり、「事実及び理由」に事実の誤認、及び判断の誤りがあり、且つ審理が尽くされておらず、又裁判に拭いがたい偏頗が存在する。
 
第1 原判決「事実及び理由 第2 事案の概要」に関わり
1.「5 争点に関する当事者の主張の要旨」「(2) 争点(2)(本件各決定の違法事由の存否)について」「ア 原告らの主張の要旨 (ア)」(8ページ)に、次のとおり認定がある。
    『別件訴訟1を提起したところ、その判決では、スウェーデンハウスの原告らに対する損害賠償責任は認められたものの、請負契約の解除は認められず、スウェーデンハウスは、その後も賠償金を支払わず修理を申し入れてきており、これに対し、原告らはスウェーデンハウスに対し請負契約の解除(本件建物の解体撤去)を申し入れている。』
 
.しかし、前記.認定は、本件書証のとおり事実を誤認したものである。
1) 東京弁護士会の「議決書」甲4・5ページ15〜17行目には、
「(同年4月15日スウェーデンハウスは忠二郎及び益樹に対し、支払いを命じられた金額をいずれも支払った。)。」と認定されている。
 よって、原審が『スウェーデンハウスは、その後も賠償金を支払わず』、とする認定は事実に反する。
2) 控訴人(原告、以下同)らのスウェーデンハウス宛書面例は、甲7・甲21であるが、いずれも控訴人らは、スウェーデンハウスに対し、「控訴人らが望むなら建て替え(解体)し、請負代金を全額返金して解決する」旨記載のスウェーデンハウス表明に基づき、解体を実行して、道義的・社会的責任を取るよう申し入れている。
 よって、原審が『原告らはスウェーデンハウスに対し請負契約の解除(本件建物の解体撤去)を申し入れている。』、とする認定は事実に反する。
 
3.なお、原審が認定する「修理」とは、「原告準備書面(3)」「第6 本件請求の公益に関わり」(8〜11ページ、各号証)に述べた、次の旨の事件である。
@ スウェーデンハウスが「補修」拒否から「補修」、「補修」から「解体」、「解体」から「修理」と二転三転する中で、「修理」については、訴外高裁判決に従うとして申し出てきた。
A しかし、スウェーデンハウスは、いまだに判決の根拠を示さず、又、判決を見ればスウェーデンハウスに「修理」を命じた事実は無い。
B そしてこの「修理」は、後述、第21.3)のとおり本訴請求以外に、救済の方法はない事実に関わる。
 
第2 原判決「事実及び理由 第3 当裁判所の判断」に関わり
1.「1 争点(1) (本件各決定の違憲確認の訴え及び本件各決定の取消しの訴えの適法性)について」に関わり
1)@ 原審は、懲戒制度に関わる弁護士法第58条、及び第64条の請求権、申出権について、『公益的見地から特に認められたものであり、懲戒請求者個人の利益保護のためのものではない。』旨判示している。
A そこで控訴人らの懲戒請求をみると、東京弁護士会宛「懲戒請求書」(甲26)の趣旨、及び「まとめ」、被告宛「異議申出書」(甲5)の「Y異議申出の理由」、及び「まとめ」と「綱紀審査申出書」(甲6の1・2)の「Y綱紀審査申出の理由」に明記のとおり、次の3点を目的としたものであり、『公益的見地』に基づくものである。
     むろん『懲戒請求者による対象弁護士に対する報復の手段』(「判決書」第3・14ページ)では全くない。
    @) 弁護士法第1条、及び第6条に規定された、弁護士の規律の確立と信用の確立
    A) 本件スウェーデンハウス建物の欠陥施工に起因する、死傷出火大惨事公害の防止
    B) 深刻な社会問題となっている欠陥住宅・建物被害及び被害者の防止
     
B しかし、原審は、前記A 控訴人ら請求の公益目的と『公益的見地』を顧みることなく抹殺し、『個人の利益のためのものではない』旨を、本件判断の基として判示している(「判決書」第31(1)・11ページ、(3)・12ページ/2(1)・13ページ、(2)・14ページ)。
 
     よって原審の判断は、弁護士法第58条及び第64条に反し、判決は違法である。
     又、原審判断は、控訴人らの法の下の平等を保障した憲法第14条、及び公正・公平に裁判を受ける権利を保障した憲法第32条を侵害し、判決は違法である。
     さらに、行政事件訴訟法第9条第1項・第2項(後述4))に反し、判決は違法である。
2)@ 原審は、次のとおり判示している。
    『当該決定の効力を争う訴えを裁判所に提起することは許されず、そのような訴えが提起されたとしても、訴訟形態のいかんを問わず、不適法な訴えであるというべきである。』11ページ
A しかし、2006年9月25日、最高裁判所判決は、次のとおり判示している。
    『ある事実関係が「品位を失うべき非行」といった弁護士に対する懲戒事由に該当するかどうか、また、該当するとした場合に懲戒するか否か、懲戒するとしてどのような処分を選択するかについては、弁護士会の合理的な裁量にゆだねられているものと解され、弁護士会の裁量権の行使としての懲戒処分は、全く事実の基礎を欠くか、又は社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り、違法となるというべきである。』
     
     よって、裁判所に提起することが許されているのは明白である。
     したがって、提起を許さないとする原審は、最高裁判例に違反し、又、提訴することは許されないとして控訴人らの訴えを不適法とする判断に合理性は無く、行政事件訴訟法第9条に反し、判決は違法である。
3)@ 原審は、次のとおり判示している。
    『なお、懲戒請求者が弁護士の行為等によって権利を侵害されたとしても、その救済を求める方法は別途に存在するから、その保護に欠けるところはないものと解される(最高裁昭和38年10月18日第二小法廷判決・民集17巻9号1229頁、最高裁昭和49年11月8日第二小法廷判決・判例時報765号68頁参照)』11〜12ページ
     
     しかし、原審は、本件に「別途に存在する」と判示した根拠を全く示していない。
     根拠の無いところで行われた「救済の保護に欠けるところはない」旨判断に合理性は無く、行政事件訴訟法第9条に反し、判決は違法である。
A ところで、控訴人らが求めた権利侵害の救済のうち、社会の安全と安心、及び固定資産税の適正課税構築に関わる公益的見地は次のとおりであり、これらを解決するために、本件各決定の違憲が確認され、各決定の取消しが認められる以外に方法は無いのである。
    @) 「電気事業法」に基づく「電気設備に関する技術基準を定める省令」甲8に反する、スウェーデンハウス株式会社の欠陥施工に起因する出火など大惨事発生回避の不能に関わり
    ・・・「原告準備書面(2)」第12.2)B・3〜5ページ、各号証
    A) スウェーデンハウス申し入れの「修理」(前述、第1.)について、出火など大惨事を回避できる保証は全く無い(死傷事故発生の恐れがあった屋根瓦落下など、「修理」の欠陥、危険具体例提示)事実に関わり
    ・・・「原告準備書面(3)」第6・8〜11ページ、各号証
    B) 欠陥住宅業者による固定資産税評価機関の照会に対する虚偽・偽装回答の再発防止に関わり
    ・・・「原告準備書面(3)」第31.・2〜4ページ、各号証
    C) 裁判所悪用の再発防止に関わり
    ・・・「原告準備書面(3)」第31.2)3)・3〜4ページ、各号証
     
     しかし、これら@)・A)・B)・C)に対し、被控訴人は全く反証していない。
     又、原審は全く判断していない。
     よって、原審は、審理を尽くすことなく被控訴人を利し、控訴人らの法の下の平等を保障した憲法第14条、及び公正・公平に裁判を受ける権利を保障した憲法第32条を侵害し、判決は違法である。
4) ここで、原告適格を保障した行政事件訴訟法第9条を見ると、第1項に続き第2項は、次のとおり規定されている。
『裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。 』
     
 したがって、前述3)A 救済に対し保護に欠けるところはないとし、控訴人らが原告適格を有していないとする原審判断は、行政事件訴訟法第9条に反し、判決は違法である。
 
 以上、原審が不適法と原告不適格を理由に行った、本件各決定の違法確認の訴えと各決定の取消し訴えにたいする却下の判決は違法である。
 
.「争点(2) (本件各決定の違法事由の存否)について」に関わり
1) 争点(2)は、控訴人らの損害賠償請求に関わる。この請求にあるのは、公益的見地である。
・・・「原告準備書面(3)」第54.1)2)・8ページ
 しかし、これに対し、被控訴人は全く反証していない。
 又、原審は全く判断していない。
 よって、原審は、控訴人ら請求の公益的見地を顧みることなく抹殺し、公正・公平を欠いて、憲法第14条、及び同第32条に反し、判決は違法である。さらに行政事件訴訟法第9条に反し、判決は違法である。
2) 控訴人らが、「原告準備書面(2)」第1、及び「原告準備書面(3)」第1第6に事実証拠(各号証)を示した、各決定が憲法及び法令に反し違法となるべき事件は次のとおりである。
@ 弁護士法第1条及び第6条に関わり
A 最高裁2006年9月25日判決(前述、第21.2)A)に判示された、決定が違法となる場合に関わり
 しかし、これら@Aに対し、被控訴人は全く反証していない。
 又、原審は、控訴人らが法的保護に値する利益の侵害はない(原告不適格)として賠償請求に理由がないと結論づけ、棄却と判決した。
 
 しかし、前述.に述べたとおり、控訴人らに対する原告不適格の判断は違法であるから、原審が行った棄却は、行政訴訟法第9条に反し、判決は違法である。
 
第3 原審裁判の偏頗に関わり
1.原審の2008年4月18日、第1回口頭弁論期日は、定刻を過ぎても被告(被控訴人、以下同)代理人の出廷はなかった。
 すると、裁判官らは、書記官らが右往左往しながら携帯電話をかけて代理人に連絡する中、退廷した。
 そして、幾度めかの電話の後(弁護士会館調査室で調べものをしていたという)代理人と連絡がついて出廷させ、再び開廷となった。
 この間の事実は、携帯電話の通話記録を見れば判明する。
 ところで、初回口頭弁論期日に被告側が出廷しなくてもよいことは、民事訴訟法第158条に保障されている。
     
 よって、裁判所の行為は、出廷の強要・強制であり、原審裁判は、違法のもとに開廷された裁判である。
 
.そして開廷すると、裁判長は原告(控訴人、以下同)らに対し、本日で結審し次回に判決する旨を言い渡した。
 しかし原告らは、訴状「第2 請求の原因」の「3 本件決定が違憲である理由[その1]」4) に、「原告らの権利侵害については、口頭弁論において述べ、明らかにしていく。」と明記しているとおり、権利侵害や関わる公益的見地を立証するのは、これからのことであり、原告らは口頭弁論の必要性を訴え、次回を口頭弁論期日とすることができた。
 
 よって、原審は、被告答弁書の主張のみで審理を切り上げ、立証を排除しようとしていたのであり、公正・公平を欠いて、憲法第14条、及び同第32条、さらに行政事件訴訟法第9条に違反する。
 
.又、2008年6月18日、第2回口頭弁論期日において、裁判長は、原告らが提出した書証を持った右手を上下に振りながら、原告らに対し、証拠説明書は提出しなくてもよい旨、言い渡した。(法廷には傍聴人がいた)
 
 よって、原審は、原告らの被告に対する反論や、公益的見地を立証する証拠を軽視し、公正・公平を欠いて、憲法第14条、及び同第32条、さらに行政事件訴訟法第9条に違反する。
 
.以上、原審裁判には拭い難い偏頗が存在するところ、原告ら提訴にあたっては、2008年2月1日付、大門 裁判長の補正命令に関わり、原告らが含むべき事項が、次のとおり原告らに連絡されている。
『本件では、弁護士に対し懲戒請求をした者がの本弁護士連合会の異議申立を棄却する旨の裁決に不服があるとしても、裁判所に出訴することはできないとされていること(最高裁判所昭和49年(行ツ)第52号同49年11月8日第二小法廷判決)との関係が問題になると考えられますので、お含み置きください。』
 
 原審裁判は、岩井伸晃 裁判長に交替して開廷しているが、含むべき事項と前述.〜.及び前述、第21.1)4) とあわせてみれば、2006年9月25日最高裁判決(前述、第21.2)A)を考えず、初めに結論(出訴することはできない)ありき−−予断をもって行われた、被告・日本弁護士連合会有利の暗黒裁判と言っても過言ではない。
 原告らは、2008年2月1日付連絡書面を甲28として提出する。
     
まとめ
 控訴人らが公益的見地をもって行った懲戒請求と本訴請求は、本書面に述べたとおり理由があり、本件各決定の違法確認の訴えと各決定の取消しの訴えを却下、損害賠償の訴えを棄却と判断した原審判決は、弁護士法違反、憲法違反、最高裁判例違反、行政訴訟法違反を、それぞれ免れるものではない。
 
以上

添 付 書 類
 
 「控訴理由書」副本                   1通
 甲第28号証の写し                   1通