部は、掲載時伏せ字。
(書面は、A4版・全2ページ)
平成19年(行ウ)第2号 固定資産評価審査決定取消請求事件
原 告   籠 宮 益 樹  外1名
被 告   日 光 市
 
裁判官忌避の申立
 
2008年1月21日
 
宇都宮地方裁判所 御中
 
申立人(原 告)  籠 宮 益 樹  外1名
 
申立の趣旨
 
 宇都宮地方裁判所民事第1部に係属している平成19年(行ウ)第2号 固定資産評価審査決定取消請求事件について、裁判長裁判官 福島節男、裁判官 原道子、裁判官 小林礼子をいづれも忌避する。
 
申立の理由
 
第1 申立人らと当該裁判官の関わり
.申立人らは、スウェーデンハウス株式会社設計施工の欠陥住宅に関わり、日光市を被告に、宇都宮地方裁判所に提訴し、現在審理中の「平成19年(行ウ)第2号 固定資産評価審査決定取消請求事件」(以下、「本事件」という。)の原告らです。
.福島節男、及び原道子、小林礼子は、裁判長、及び裁判官として、本事件を担当しています。(以下、「当該裁判官ら」という。)
 
第2 理由
.2007年2月21日、宇都宮地裁において、当該裁判官らが担当する破産事件の審尋が行われました。
 この時、園尾隆司 同地裁所長(最高裁判所総務局長、静岡地方裁判所所長)が裁判に介入する事件が起きました。
.前記1.地裁所長裁判介入事件は、報道され、次の経過を辿っています。
1) 2007年7月17日、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史と公民の教科書採択取り消し等を求め、栃木県や大田原市などを被告に、同地裁に裁判を起こしている原告団は、裁判官の独立侵害を黙認した行為は、本件に裁判干渉が為されない保証は全く無い等を主張し、当該裁判官らの忌避を申し立てました。
2) 同年10月27日、栃木県弁護士会は、憲法第76条裁判官の職権の独立を侵害するとして、同地裁所長、及び当該裁判官らの猛省を促し、同地裁所長を裁判官分限法に定める懲戒に付することを求める決議を行いました。
3) 前記2)決議に対し、同年11月21日、東京高等裁判所は、同地裁所長と福島節男裁判長を厳重注意とする処分を公表しました。
4) 同年12月21日、「とちぎ教科書裁判を支援する会」会員らは、同地裁所長と当該裁判官らに対する弾劾裁判による罷免を求める訴追請求を、裁判官訴追委員会に送付しました。
 
 以上、申立人らは、宇都宮地裁所長の裁判介入事件を2007年12月21日報道で知り、本事件の当該裁判官らが関わっていることを知りました。
.裁判所所長による裁判介入事件は、1969年自衛隊の合憲性が裁判に問われた「長沼ナイキ基地訴訟」に関わる「平賀書簡事件」があります。
 この訴訟では、平賀健太札幌地裁所長が担当裁判長であった福島重雄裁判官に、「国側の裁量を尊重すべき」旨書簡を渡し、裁判官の独立を侵害しました。福島重雄裁判長は、この事態を公表し、地裁所長による裁判官の独立侵害は国民の知るところとなり、ひいては三権分立の根幹にも関わる大きな社会問題となりました。
 申立人らは、法治国家の市民の一人として、又裁判員の義務化が進行する社会にあって、宇都宮地裁所長の裁判介入事件は、平賀書簡事件とともに、裁判の独立性及び公共の福祉に照らし、重く受け止めざるをえません。
 
 以上、憲法32条の裁判を受ける権利に基づき、憲法第76条に規定された裁判官の独立を信じ提訴した申立人らは、介入事件に関わる本事件当該裁判官らに対し、前記1)申立てに同じく信頼を維持することは到底できず、又本事件が公正・公平に裁判される期待は打ち砕かれました。
 よって、申立人らは、三度(みたび)裁判官の独立が侵害されることのないよう、又裁判に対する信頼と公正・公平の期待が回復されるよう求め、当該裁判官らの忌避を申し立てます。
以上