ここが見所かも?
売れても居なければ有名でもない、殆ど人に知られていないすみっこマンガ家belne。
売れないままに40年間マンガ界の隅っこに棲息していたマンガ家生活の切れっ端を展開する展覧会。

◎面白いところ?その1

初期作品を見るとなんで売れないのかが何となく判ります。
マンガの人気って、当たり前のあんまり上手じゃない絵だと出ないのですね?
けっこう掲載させて頂いたので、アンケートはそんなに下じゃなかったんだと思います。
今読んでも古いけどお話はまあ面白く作ってあるんです。
編集さんには、「アンケートはいいけど、取って置きたいような絵じゃないから単行本は出せない」って
言われました。
本当に人気が出た作家さん達は「本当に自分が描きたい作品で編集さんと読者を説得する力が有った」ということ。
デビュー当時の私にはそれが出来ていなかった。
そんなことがほんのりと判ります。
◎面白いところ?その2
マンガ描きって実はツブシが効くのでした。というのが判ります。
売れない少女漫画家の私は、食えないのでイラストの仕事をしました。
最初について下さったイラストの仕事の編集さんはマイバースディの編集さんで、歯に衣着せぬ厳しい編集さんでした。
プロの仕事の仕方を学びました。
食えないころに学んだテキスタイルの彩色方法が、後にファッション誌で マットな塗り方を要求されたとき役に立ったりしました。
イラストの仕事は最初に「一点の単価」を提示されたりというマンガの仕事の習慣とは違うコトも学んだりしました。
かといって、けっして良い仕事ばかりではなく単価の低い仕事も来ました。しかしそこで手を抜かなければ、同じデザイン事務所から良い仕事も来ました。本当に評価に情緒抜きのダイレクトさがある仕事でした。
商業イラストで、名前が大きく出る「イラストレーター」とは違う手間賃仕事もあればキャリアになるような大きな仕事も(今はあまりお声が掛かりませんが)ありました。
また大きな仕事ながら、「名前がクレジットされない」という買い取り仕事もありました。
イラストの仕事は、ずっと続けています。
牧神たたたの別名でパズル誌のイラスト、Belne の名前で単発のジュニア誌の仕事もしています。

◎面白いところ?その3

同人誌とプロワークにそんなに隔たりが無いと言うことが判ります
展示している原稿は殆どがプロワークですが、同時に自費版出版の原稿を展示しています。
作家にとって、その二種類の作品の間は殆ど隔てがありません。
出版社プロデュースか、自分プロデュースかの違いだけです。というのがなんとなく判ります。
◎面白いところ?その4
マルチタスクのごった煮感が味わえます。
今回展の基本展示設計は自分でさせて頂きました。5月のコミティア・6月新潟コミティア・今展
展示会場の規模、展示パネルの種類も全部違います。自分の展示力の集大成。
豪華でもなく、親しみやすく、belneっぽさも、プロっぽさもアマっぽさもある展示。
中村公彦氏が書いて下さったように、多面体な自分をごった煮感を隠さず展示しました。

◎面白いところ?その5

【JUNE考】
「お嘆美JUNE」と呼ばれたモノの一端がちょっぴり判ります。
1980年代に再出発した本当に描きたいモノ、こちらはコアな読者に評価して頂きました。 単行本も出ました。
でも自分が「お嘆美」だとは、思ってなかったりしたのです。
今はそう呼ばれることも佳いことじゃないかなと思ってますし、「違えねえ」とも思ってます。
自分の中には、多分JUNE誌が出来る前からそんなものを描いていたという拘りもあったりしました。
Belne's Loveが、JUNEかどうかは自分でもちょっと違うのでは内かな?という意識で絵が来ています。読者も多くはなく、自費版で出し続けている作品です。でもそれが、自分がマンガを描き続けているエネルギーになっています。
面白いところエクストラ
竹宮惠子先生・山本航暉先生・荻原征弥先生・定宏美香先生の色紙が見られます!。お得。