☆ AFTER ☆
後になって思う。今回のショウで会ったDavid Bowieはなんだったんだろう。重ね重ね不遜な私は、この人はいつの間にこんなに大きな人になったんだろうと感じていた。
ほぼ一曲毎におどけて見せたり言い訳をしてみたり、饒舌なスター。体調が悪いのに、喉と鼻が邪魔しようとするのに、機嫌を崩さず、終始笑みを絶やさず、ショウは暖かい陽だまりのようだった。実力は知ってる、戦略家なところも知ってる、でも、こんなに安定した人だっただろうか。
キャリアの中で様々な方向を向いて来た彼を、メディアはカメレオンと呼び白い眼で見た。それでも彼は自らが赴くままに進むのを忘れることがなかった。それこそ私が最も憧れること。そして今、直前のGlastonburyでメディアは過去の過ちを結果的に認めた。そうは絶対言わないだろうけど、掌を返すような称賛の嵐が証拠。ここに来てやっとBowieは正しい評価を得たのだ。また、音楽やアート以外にも最近のBowieNetなどの活動の順調な成功。さらに勿論、ここ10年間の私生活上の安定した関係と幸福。8月の誕生が待たれる新しい命。そんな今の最高に自信に満ちた姿は、これまでの彼の中で一番格好良い。このまま彼の挑戦と成功が続いて、幸せなままでいて欲しいと願う。

この日のショウは、BBCのTVとラジオの両方で9月に放送される。これに関しては、うまく編集されて中断や喉の調子をととのえるような部分はなかったかのようになればいいのにと思う。すべてを見て疑似体験したいと思っている、参加できなかった多くのファンが大勢いるだろうけど、一般大衆にばらまかれる内容としては、完全無欠のBowieであっていい。この日のパフォーマンスの完成度は本当にそうだったのだから。
今年の数少ないライブで体調に問題を抱えてしまって、完全主義の彼はもしかして悔やしがっているかもしれない。でもその状態でも文句のつけようがない無欠のライブだったことは誰にも真似出来ないこと。受け手としては、完敗・脱帽以外に何が言えるだろう。流通するものは、その重要なところが強調されてしかるべき。
正直にいうと、個人的にはもう一度追体験したいから・・・私の頭はふっとんでいたので、もう一度、今度は目と耳をしっかり神経につなげて受信したいから・・・ただただ全てを含んだビデオが欲しいけれど・・・。でも、プロとしてはそういうものは出せないだろう。
Bowieサイドにとって十分に満足のいくもので、かつ少しでもカットが少なく、この日のパフォーマンスの充実度と、彼の余裕とが十分に伝わるようなものになることを願う。
また、同じく9月にイギリスで発売が予定されている2枚組CD"Bowie at the Beeb"は1968〜72年の間にBBCのスタジオで様々な番組の為に収録されたBowieのパフォーマンスを収めたもの。そのLimited Editionだけに追加される3枚目のCDに、この日のライブから15曲が収録される。でもどうしてLimited?全く意地悪。みんなに聴かせてくれればいいのに。
悔しいけどどれも逃せない。なんといっても本当に絶対に間違いなく素晴らしい最高のライブだったのだから!

☆☆☆ SET-LIST ☆☆☆
Wild is the Wind
Ashes to Ashes
Seven
This is not America
Absolute Beginners。
Always Crashing In The Same Car
Survive
The London Boys
I Dig Everything
Little Wonder
The Man Who Sold The World
Fame
Stay
Hallo Spaceboy
Cracked Actor
I'm afraid of America

<Encore>
Ziggy Stardust
The Jean Genie(instrumental)
All The Young Dude
Starman
'Heroes'
Let's Dance

 


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newsの2000年6/28付け