2006年度

成長の過程で気がついた点

1月   22年ぶりに山中湖が全面凍結した。今年は昨年と打って変わってほとんど雪が降らない。ただただ凍っている。雪が降らない分湿度が足らないため、更に寒く感じる。不用意に金具の取っ手に触ったら湿り気のある指先は取っ手に張り付き、無理に手を離したら皮が向けてしまった。 

 コニファーの葉を触るとちくちく硬く、曲げると折れてしまう。見事に根の先からてっぺんまで凍っている。まるで作り物のおもちゃのようだ。ただ見守るしかないのだが、とりあえずみんな変わりは無いようだ。以前枯れた葉は、そこだけ白く変色しているから、色のある葉は大丈夫なんだと思う。だけど凍っている期間が長いとどうなるか、心配だ。

2月   相変わらず雪は少ない。湿度が無いから樹氷も出来ない。湖も一部融けたり、また凍ったりしながらワカサギ釣りでにぎわっている。まだ夜も明けないうちから一箇所に異様に人が集まっている。「穴のお客さーん 開きましたよー」の係りの人の声。そこから糸をたらして釣りをする。その近くをスケートをする人、アイスホッケーをする人、はたまた何故か自転車で走る人とそれはにぎわっている。不思議な光景だ。気温ー17度。6時をまわると日の光を受けて、富士山が真っ赤に染まる。

 2月にはいってなんだか気持悪いほど暖かい日があったり、雨が降ったりで、地面がアイスコーティング状態だ。背の低いウィルトニーやマザーローデはまさに氷の下で美しい置物のようになってしまった。本当に大丈夫なんだろうか・・・ 

 レッドスターの色が薄茶色に変わっていた。枯れてきたのかなんだかとにかく春がきてみなければわからない。 なすすべなし。 みんな氷になっている。

3月   3月とはいえ、まだまだ寒い。2月とほとんど状態は変わらない。

 レッドスター、サルフレア、ブルーアイスが枯れたような色になってきた。特にレッドスターの茶色加減はすさまじい。赤茶色だ。触っても葉が落ちないから、大丈夫なのかな?などと思いながら、見守るばかり。コリンスゴールドが心なしか黄緑色に戻ってきたようだ。

 3月下旬少しは暖かくなったと思ったら、また雪が降った。サルフレアとブルーアイスの色が一段と枯れたようになった。シルバーダストの葉の白い部分が茶色になってしまった。

4月   東京は桜も終わろうとしているのに、とっても寒い。-5度〜-8度がたびたびある。 いつもはこぶしの花が咲き、落葉樹の中で白いかたまりがひときわ目立つのだけれど、今年は遅霜のせいで、たくさんのつぼみが落ちてしまい、花がまばらだ。 寒肥をやろうと土を掘るが、10cmも行かないで氷にぶつかる。

 そんな気象の中で、ビャクシンオーレア、コニカに小さいつぼみがついてきた。ゴールデンモップも黄色くなってきた。

5月   いよいよモニターになってコニファーを植えてから1年。 ゴールデンウィークに入り、あらためてコニファーたちを見てみた。

冬の間、あれほど茶色くなっていたラインゴールドがこの1週間くらいで緑色になっていた。枯れているのではと心配していたコリンスゴールドは驚異的な復活を見せ、また鮮やかな黄緑色に変身していた。

 どのコニファーも4月末からの変容がすごかった。場所が別荘のため、毎日観察できなかったのが残念。

 そんなコニファーの強さ、たくましさを感じる中で、レッドスターだけは濃い赤茶色のままだ。昨年はこんな色ではなかったのにと思いながらなんとも嫌な予感。

 大好きなサルフレアも葉の一部が薄い黄緑色が残っているものの、復活できるかどうか見守るばかり。ブルーアイスも同様だ。

 コニカの脱皮が始まった。昨年びっくりした、茶色い薄い皮が破れて中からきれいな黄緑色のおいしそうな葉が出てきた。コニカが一番元気に見える。

6月   今年って春があったっけ と思わせるほど、5月のゴールデンウィークの3,4,5日に晴れたきり週末は全部雨。山に雨が降るときは、ものすごい土砂降りか、霧が出てしとしと降るか、とにかく世界がモノトーンに沈んでいる。

 コニファーの葉の色は緑になってきたものの、昨年みたいに目に見えて伸びている気がしない。とにかく日が差さない。

 昨年あれほどびゅんびゅん枝を伸ばしたシルバーダストはほとんど葉が伸びず、トレードマークの白い葉は茶色に枯れたあとハラハラと落ちている。緑の葉の部分も本来は鮮やかなのにくすんだいろのまま戻らないでいる。もともと寒さに弱いときいていたので、枯れなかっただけよかったのか・・・

 同じく寒さに弱いと言われていたゴールドライダーは新芽を出して元気にしている。

 サルフレアは、残っていた葉も枯れてしまい、だめになってしまった。ブルーアイスは、かなり枯れているものの、まだ生き残っている枝があり、少しずつ成長しているが、どうなるか・・・かなり葉の少ない変な木になりそうだ。

 モニター用のサルフレア、ブルーアイス以外に、サルフレア1本とブルーアイスが5本ある。それもすべて枯れてしまった。まさにアリゾナイトスギ系で何とか生きているのはモニター用のブルーアイスだけ。要するに、アリゾナイトスギ系は寒さに弱いということがはっきりした。私の最も好きな木だから何本も植えていたのに、悲しい。

7月   なんでこんなに雨ばかり降っているんだろう。何か日本は寒い乾季のあと、5月から雨季に入りましたっていう感じ。日が差さないからバラのつぼみもみんな落ちてしまい、花が見られなかった。1個だけ咲いたけど、雨に当たってぐしゃぐしゃだった。

 ブルーアイスは、とりあえず枯れずに頑張っている。シルバーダストは少し新芽が伸びてきた。コニカはふわふわだった新芽が少しずつ硬く、しっかりしていた。背の低い木たちは元気だ。シルバーダストがダメージを受けたというのに、エクスパンサー・バリエガータはきちんと白と緑のきれいな葉で元気にしている。

 今心配していることは、マリソンサルファの横に生えているたらの木がすごい勢いで大きくなってきて、コニファーを侵食しそうになってきた。また、もともと植わっていた富士桜もどんどん枝を広げ、周りにあるムーングロウ、ビャクシンピラミダリス、ロブスターグリーン、スパルタンの上に覆いかぶさってきた。コニファー以外の木は一緒に植わっていてはいけないのかなあ? この時期草もどんどん伸びているが、だいたい草のほうがコニファーより背が高い!ただでさえ今年は日照時間が短いのに、ますますコニファーに日のあたる時間が短くなる環境にどうしたものかと悩んでいる。

8月   太陽が照りつけ、熱くなりやっと夏が来た気がする。お盆休みにずっと別荘に来て、ゆっくり見てまわったり草を引いたり・・・ 今年も夏の計測をした。今回の計測で昨年植えつけたときからの比較をしてみたのだが(成長記録参照)、マリソンサルファが176→240(64↑)、ブルーヘブン173→212(39↑)で2mを越えたこと。だけど成長が著しかったのは71cmのブルーアイス、コリンスゴールド、60cm台でマリソンサルファ、50cm台でグリーンコーン、サンキスト、アトラスシーダグラウカ。幅は、冬を越したためか、葉先を摘んでも無いのに狭くなった物が多かった。しかし、ウィルトニーの75cmは驚きだ。横に広がるタイプの木は(エックスパンサーバリエガータ、ウィルトニー、マザーローデ、イエデロ、グレイオウル、ゴールデンモップ)旺盛な成長を示した。心配だったブルーアイスは上半分しか葉をつけないまま成長をしていた。シルバーダストは8がつに入ってようやく新芽を伸ばしだした。

 今年は気象が変だ。私のイメージは、雪のほとんど無い凍てつく寒さが緩んだ後、ゴールデンウィークに富士桜が咲き、その後は雨季に入った感じ。ずーっと雨だった。ほとんどの週末に別荘に行くのだが、富士桜が散ってから夏になるまで行く度に雨だった。日照時間も短かった。バラの花は5月についたつぼみを咲かすこと無く落とした。そして8月に入って、まるで春のように咲き出した。近所を見てもいつもなら7月から咲き出す芙蓉の花が全く咲かず、8月もお盆の時期になってようやく咲き出した。季節が狂ってきている気がする。 そういえば春一番に花を咲かせて農期を知らせるこぶしの花も咲かずにつぼみのまま散った。最低気温が低いまま寒暖の差が大きかったためだ。夏も暑い日が2週間ぐらいしかなかったような木がする。雨がよく降った。病気が発生するのではと心配している。

 気象のせいかどうかはわからないが、庭に来る鹿が多くなった。特に繁殖期の秋が多く見られ、おととしは4頭ぐらいだったのが、昨年は多いときには11頭。今年は毎日来るのが1〜2頭で、最近私も鹿の鳴きまねが上手になって呼び合いをしている。鹿は庭に来て刈った芝や花を食べていく。今年の冬は白樺の幹を食べて2本枯れた。春には葉を食べ、5本幹を折った。まったく被害が大きい。気象のせいで山に食べ物がなくなって来るのか、頭数が増えすぎてくるのかわからない。今まで鹿を見たことが無い所まで鹿は来ている。

 花工房さんのHPに今年度の中間報告がアップされた。本当は一本も枯らすものかという勢いで取り組んでいたのに2本も枯らしてしまったので、特に北海道のモニターの方の報告に注目していた。サルフレアだめでしたか。。。 また、その他の品種についてのブログでのコメントも参考になります。3年越したゴールドライダーは怪しくなってきましたか。。。 確かに我が家のゴールドライダーは冬問題なく越しましたが、まだまだこれからですね。木を相手に生活していると、本当に人間の寿命の短さを思い知らされます。日々きりきりと働いて余裕の無い生活をしていることとのギャップが激しくて、木を見て癒されるというより、そのギャップについていけなくなるような気がすることがあります。

 枯れたレッドスターとサルフレアを抜きました。初めて根を見ました。二つの根の違いにびっくりしました。根にも個性があるんですね。

 コニファーにはあこがれの白い木があるという所からコニファーに興味を持ち、何にもわからないままモニターを始め、ここにきてようやく自分の何がわからないのかとか、これからの課題とかが少し見えてきました。まず、基本的な木の成長のメカニズムを知ること。それがわかれば対処の仕方がわかるのではないかと思います。たとえば、肥料は何時あげるのかとか、これから冬に向けて耐寒性をあげるために人為的には潅水しないとか。また、我が家の場合、コニファー以外の木が10m〜20数メートルあり、コニファーがとっても小さく見えます。そのため、早く大きくなれと思って剪定をほとんどしませんでした。1回ビャクシンピラミダリスの飛び出している枝を切ったら変になってしまって、それ以来剪定が怖いと思ってしまいました。オジサンから剪定が必要と言われ、どうして剪定が必要なのか、どのように剪定をするのかも勉強の必要が出ました。「オジサンの独り言」に今後のモニターの課題が書かれています。ずっしりと重さを感じました。始めの1年は名前を覚え、観察して終わってしまったように思います。今後は育てる方法や美しく見せる方法、もしかすると移植の仕方など、どのように勉強して実際に自分が行い、その結果どうだったか報告していかなければと感じています。一生懸命勉強してベストを尽くせば、きっと納得出来る結論が出ると思います。2年目からがモニターとしての仕事が始まるんだと、あらためて気を引き締めています。

 

9月   振り返ってみると、夏があっという間に終わったなあっていう感じ。お盆が過ぎて風が秋の風に変わって、そのままの状態で9月が終わった。コニファーたちに大きな変化は見られない。昨年枯れ葉が出たのはそろそろだったかなと思いながらも、まだみんな元気。日中はまだ暖かく、半そでで過ごしている。

 剪定という言葉と、新陳代謝という言葉が気になりだしている今日この頃・・・  ちょっとだけ葉っぱの先をつまんでみた。いやーびっくりしたことにすごくにおうんですね。今頃何を言ってるかって感じなんだけど、とにかく大きくしたかったから、葉っぱを摘むことはしないできてしまったので、触れて匂ったとか、よほど飛び出した枝を切ったという他は匂いを嗅ぐことはなかった。あれやこれや片っ端から葉の先端をちぎって匂いを嗅いだ。それぞれに匂いが違うんですね。今度匂いについて書いてみたいと思います。

10月   第1週にコニファーを見たら下葉がかれているじゃあありませんか! 9月の最終週は仕事で来られなかったので、どうだったかはわからないのですが、突然枯れ始めていました。やっぱり今年も来たかという感じです。この新陳代謝って毎年起こるんですかねえ・・・ちょっと心臓によくないです・・・ 何せとんちんかんの私は、グリーンコーンすら枯らしてしまいそうな、コニファーを植える資格の無い人ではないかと思い始めているのですから。

 失敗しながら学ぶという言葉がありますけど、効率よくやるためにお勉強をするということもありますし、お利巧に行うとしたら私は勉強が足りない!と思いつつも、なかなか勉強をしないのは、何がわからないかわからない。だったら先ず、とにかく花工房さんのホームページのQ&Aをよく読もう!ということで、「新陳代謝」なんていう言葉を使い始めました。「マルチング」ということで木屑を寒さに弱い木の根元にまいてみました。来月には枝をまとめて縛ろうかと思います。少し手を加えてここの冬が越えられるのなら、それに越したことはありません。

11月   枝を縛るにはまだ暖かく、あたりも紅葉の真っ盛り。第2週まで紅葉が見られた。月の後半になって気温が氷点下になり、コニファーたちが冬の色に変わった。逆に言うと、氷点下にならなければ色が変わらないらしい。何となく気になって根元が見えている木全てにマルチングを敷いた。

 剪定したつもりが変になってしまったビャクシンピラミダリスの根元に、チマチマした葉が今になって生え始めていた。

 ブルーアイスやウィチタブルービャクシンオーレアなどの線のような葉の木に小さい玉のような芽がついている。もう春の準備をしているのか、今年が暖かいのか、良くわからない。そういえば、ユリや水仙の球根からどんどん芽が出だして、これから寒くなるのに大丈夫か心配している。

12月   寒波が来ればー7度〜-8度位まで下がるが、結局第一土曜日に雪が少し降っただけだった。昨年も雪が少なかったから、また寒くなるか心配している。だけど、いつも凍る湖の岬はまだ凍っていない。

 冬が寒すぎるだけに、この時期はとにかく雪が降ってくれと祈る気持だ。コニファーたちはみな冬色に変わっている。今年、少しずつコニファーの根元にいろいろな種類のアジュガを植えた。増えてきたので、その様子を地面を這うようにしてみていたら、青いテープがそこここに落ちていることに気がついた。何のテープかと思ったら、コニファーがうちに来たときに幹に巻かれていたテープだった。信じられないことに、マリソンサルファに至っては幹の直径の4分の一の長さしかなかった。ブルーヘブンも同様。背が高くなっただけでなく、確実に幹も太くなっていることに、あらためて驚かされた。みんな立派になったなあ! 3度目の冬、頑張って枯れることなくこの冬を乗り切って欲しい。