2007年度

成長の過程で気がついた点

1月   アレっと思うほど暖かい正月だった。夜はー8度くらい下がるものの、日中は3〜4度くらいまで上がることが多かった。雪も降らない。また昨年のように凍って寒いのか、それとも本当に暖冬なのか?コニファーたちは冬色にはなってきたものの、まだ少し緑がかっている。 

 2006年度の年度末報告を読みました。私の場所も含めて寒い地域が3箇所で、後九州という離れて暖かい場所からの報告。皆さん、細かく観察し、上手に育てているなあ・・・ 私も頑張らなくちゃ!

 6日に降った雪がとけない。葉っぱは凍ると一気に色が冬色になった。

 19日、26日も雪。いつもはパウダースノーなのに春のようなべた雪。背の低い木たちが雪の下にもぐって何処にいるのかわからない。それでもエリアの中に踏み込んでみると、ロブスターグリーン,ブルーヘブンに緑の玉が出来ていた。12月にクリスマスツリーの様できれいだったウィンターグリーンの青い玉はしなび始めていた。

 昨年、何となく気になっていたのだが、シルバーダストは2005年〜2006年の冬に白い葉の部分が全て茶色く枯れてしまった。特に頭部は片面が白い葉だけで、そこだけ葉も枝も無くなった。暖かくなって成長が始まると、緑の葉ばかりでほとんど白い葉が出てこなかった。シルバーダストは白い葉が混じるからきれいで価値があるのに、ただの平凡な木になってしまった。よーっく見ると少しは白い色がすっと葉に、刷毛で書いたように入っている。木は学習したのだろうか・・・

 1月も終わろうというのに、今年は暖かい。最低気温がー12度。日中も5度くらいまで上がる。いつもなら最低ー15℃〜-18度、最高ー2度くらいなのに。でも土は凍っていますよ!つるはしが刺さらない!

 

2月   今月も暖かい。雪の量は今の所昨年並みで、昼間暖かいからとける。そのせいか、成長して枝が長くなり、雪の重みで折れてしまうかもしれないと心配していたが、そんなことは無い。このくらい暖かかったらサルフレアもレッドスターも枯れなかったろうに・・・ そう考えると悔しい。

 寒い中でも、春に出す葉の芽が着々と育っている。コニカ、サンキスト、ウィチタブルーなど玉のような芽が出来ている。春が待ち遠しい。

 来たときは情けないほど小さかったコニファーたちは、すっかり庭に馴染んで風格を増した。まだまだ背は低いが、本来の姿がどのようになるのか出来るだけ手を加えないで大きく育ててみたい。それぞれのコニファーは大きくなるとこんな様子になるんですよっていう、見本のガーデンを目指してみたい。初めに私がわからなかった、お店で売っている1m前後の苗が将来どんな風になるんだろう、植えるときにどのくらいの間隔で植えればよいのか、小さいときには枝葉がこんな感じだけれど大きくなって来るとそれが変わっていくこと(ビャクシンピラミダリスやゴールデンモップの葉の様子が変わってきた)、などがこのホームページを見たらわかるような、そんな報告をしていきたい。今年はどんな風に成長していくのか、とても楽しみだ。

3月   またまたやってきた寒暖の差が激しい3月。明け方はー10℃で昼間は+10℃ その差20℃という日も何回かある。朝、白くがちがちに凍ったコニファーが、昼にはたっぷりと温まり、、またがちがちに凍る。まったくもって体に(木に?)悪いと思う。それでも幸いなことに今年は枯れる木は無かった。でも、5月まではわからない。とりあえず、今の所は調子が悪そうな木は無い。それでも春は確実に来ているようで、すこしずつ成長が見られ始めた。枝の先端が白く色づいている木(ムーングロウ、ブルーヘブン、ウィチタブルー)、新芽が葉の先端につき始めた木(コニカ、ビャクシンオーレア、ビャクシンピラミダリス、サンキスト、イエローリボン)、葉の上のほうから緑に変わってきた木(コリンスゴールド)・・・ 2年前うちに来たときは高さが変わらなかったのに、明らかに成長の差が出てきて高さが違ってきた木(グリーンコーンとエメラルドの比較)・・・ 2年経って葉の形状が違ってきた木(ゴールデンモップ、ビャクシンピラミダリス)など、苗木から本来の姿を見さえ始めたものも多い。苗木を見て買っても、将来像とちょっと違うかもしれない。

 

4月   4月に入って1週間くらい。最高気温27.6度 最低気温−7.8度。 相変わらず差が大きい。 今の所、シルバーダストが白いところが無くなって、全体的に茶色くなった以外は変化は見られない。

 この冬は、テレビでも話題になっているが、鹿がとても多い。今まで口にしなかったいちいの葉すら食べている。毒のある草花(水仙、ジキタリス、すずらんなど)も食べてしまう。大体夜行性でめったに姿を見ないはずが、真昼間でも出てきて庭の芝や椿の葉を食べている。近くの畑では、畑の周りを柵を作っている。なんだか景観が良くないが、生活がかかっているからしかたがない。私も真似をしてお花畑にたくさん棒を立てた。それにしても不思議なのは、これだけ鹿の被害にあっているのにコニファーは全然平気であること。鹿の害で困っている所では、コニファーはお勧めです!

4月3日、18日、26日と3回も雪が降った。おかげでコニファーたちの育ちも今ひとつのようだ。見ていても何が変わったかわからない。

5月   ゴールデンウィークになってようやく暖かい日が続いた。あたりは観光客でにぎやかなためか、山に草木の芽が芽吹いたためか、鹿による害はなかった。コニファーたちの芽も伸び、コニカは茶色い殻が破れて中からそれは美しい萌黄色の葉を出していた。だけど、例年に比べてとても小さかった。このホームページをアップするために恒例の5月の写真を貼り付けながら感じたのは、昨年は草もいっぱい伸びて地面がうっそうとし始めているのに、今年はあまり草が生えていない。コニファーの葉の色も今ひとつ生気が無い。4月に、しかも終わりにも雪が降ったせいだろうか・・・

 アトラスシーダグラウカははっきりとわかる新芽を木一面につけているが、新芽の長さが短い。 久々に花工房に買い物に行った。そこではコニカが一面に新芽を付けて年1度のきれいな色に着飾っていた。その新芽の長さが、うちの倍ぐらいあった。びっくりした。寒いせいなのか、今年の気象のせいなのか???

6月   近所のみんなの印象 今年は暖冬だった。 初夏なのに雨は少ない。不思議なことに、アトラスシーダグラウカの新芽が今が一番美しい。 あらためて毎年気候に気を使って追ってみると、毎年全然違うんですね。これもモニターをして始めて知ったことだと思います。なんか農家の気分を味わっています。去年はあまり咲かなかったこぶしが今年は良く咲いて、雪柳や富士桜があまり咲かない。ラインゴールドが枯れた葉が目立つ。そんな中、サンキスト、ウィンターグリーン他、多くのコニファーたちはマイペースで育っているようです。ただ、心配なのは、とても成長の早い富士桜が大きくなってロブスターグリーン、 ムーングロウ、ブルーヘブン、デクルートスパイアにかぶさり、日光をさえぎってしまっていること。富士桜の枝を切ったのですが、あくまでも対処療法で、富士桜を何とかしなければ(移動)いけないみたいです。
7月   今月はコメントに写真を載せてみました。今まで決まった時期の写真しか載せていなかったのですが、今年は今が一番成長しているのでその様子を見てもらいたいと思ったからです。去年までは5月のゴールデンウィーク明けから一気に成長したと思うのですが、今年は成長が遅く、あまり大きくならないのかな?と思っていました。ところが6月の中旬以降から7月中旬にかけて一気に成長し、その成長の仕方が今までと違っていました。成長点の伸び、枝の伸び、葉の密集の仕方など今までと段違いに成長しました。3年経つと一気に成長すると言うのはこのことかと思います。

初めてうちに来たときにはひ弱な苗たちが、今は2m近い高さまで伸び、姿も変わりました。本来の姿になってきたという感じです。枝や葉の伸び方が一番変わったのはゴールデンモップだと思います。伸び方が雄大になりました。地味でどうなってくのか想像できなかったスパルタン、デクルートスパイア、ロブスターグリーンはそれぞれの特徴がはっきりとしてきました。また、季節によって美しさが違い、春はビャクシンオーレアの色と新芽が美しく、コリンスゴールドの色の移り変わりにうっとりします。冬はウィンターグリーンの緻密で深い緑と青い実に魅了されました。あれほど枯れかかって心配したブルーアイスの幹が裂けて力強い成長の後を見せてくれました。

 うちは森に隣接しているので、超20m級の木がうっとうと茂っています。その中に入ると、一抱えもあるような幹が私の目の高さに延々と続きます。思いっきり上を向けば黒いかたまりがあって、それが葉だとわかります。そんな景色とは違い、コニファーガーデン(コニファーの森?)は目の高さに葉があり、木がとても身近に感じられます。この二つの森の雰囲気の違いもとても楽しいものです。大きな森は圧倒されるけれど、コニファーの森は安らぎます。最近は木一本一本を見て楽しむより、コニファーたちの中に入って、雰囲気を感じるのが好きです。木の形、葉の形、匂い、色、どれをとっても違う木の中に入って埋もれるのが好きです。これこそがコニファーガーデンの醍醐味ではないかと思います。他の草花や小低木でも小さな森をつくって楽しむことは出来るけれど、一年中葉が落ちず、しかも季節で色が変わり、季節を問わず楽しめるのはコニファーだけです。ここがすごい!初めはわけがわからなくて、とにかく一定の間隔をあけて植え込んでしまったけれど、それはそれで世界に1つしかない私だけのコニファーの森ができました。今後木はもっと大きくなっていくでしょう。でも目の前に葉があります。今の状態は好きだけれど、これからもどんな雰囲気になっていくのか楽しみです。もう1つ、どんな木や草花も食べてしまう鹿や猪もコニファーだけは荒らしません!

8月   先月の末までは朝夕が13度位と涼しく、雨ばかりで日照が少なかった。花もほとん咲かないでさびしい庭だった。ところが、8月には入っていきなり夏になった。日中が27度。30度という数字が出たときにはびっくりした。ここがそれ程暑い時は、東京はプラス10度をテレビで放送していた。ここは暑かったけれど、東京よりははるかにましだが・・・ 草はいっせいにたくましくなったが、コニファーたちの成長は止まるようだ。ほとんどのコニファーの葉の先端は次に伸びるための丸い葉のもとが出ていない。ウィチタブルーやブルーヘブン、ムーングロウは葉の先端に葉のもとが出来ていて、少しづつ伸びている。ブルーヘブンにたくさん青い玉が出来た。

 1週間以上雨が降らないとさすがに心配になるが、ここは別荘で、普段は水をあげることが出来ない。ここに昔から生えている木たちは、富士火山灰の水はけのよいところのためと思われるが、掘ってみると根がとても深い。たぶん水を求めて根を伸ばすのではないかと想像する。コニファーを植えてから2年と4ヶ月が終わった。結局水を人為的にあげなかったのに、デクルートスパイアの幹に近い所が葉が枯れて茶色くなった程度だった。

 高さ、幅の測定をした。目に見えて大きくなったとは思っていたが、実質この3ヶ月でこれほど伸びているとは思わなかった。びっくりした。これが3年目からは力強く成長するということなのでしょうか・・・ 軒並み2mを越えてきて、特にマリソンサルファは270cm。これ以上大きくなったら方法を考えないともう測れません!

 中間報告を気合を入れて書くのに、2005年5月からのデーターを見ていました。概してコニファーは寒さに平気のようです。でも数字をよく見ていると、気候によって成長にむらがあるもの、あんまり関係ないもの、ある程度大きくなれば丈夫になって心配なくなるものなど、いろいろ見えてきました。苗からある時大人の木に変わるんですねえ・・・ 苗から育てていて、その時を見ました。初めは日照不足でひょろひょろしたのではと心配したり、病気になったのかと心配したり・・・ 今、うちのコニファーは何の問題も無く、元気に成長しています!

9月   まるで夏のように暑かった! それでも朝夕はだいぶ気温が下がってきました。下旬は日中は27〜28度で夜は15度くらいまで下がって寒暖の差が激しくなってきました。雨も多く、今月初めの台風の時はすごい雨で、道路が潅水して通行止めになったとか・・・ 台風後に行ったらなんとブルーヘブンがななめになっていました。3年も経つのに根張りが弱い木なんですねえ・・・ お勉強になりました。すぐに真直ぐにしてきました。東京に戻って花工房さんのホームページを開いたら、台風で倒れた木の修復方法がトップページに書かれていて、添え木をしなければならない。やってこなかった!その後行けなくて心配しています。

 ラインゴールドに枯れた部分があることを以前書きましたが、思い切って枯れた枝を切りました。中もだいぶ枯れていて、風通しが悪いのが原因と思われます。コニカの葉が虫の糞のような黒いかたまりがついて、その部分の葉がとけていました。それをきれいに落としました。

 今月は何時行っても雨で、たいして観察が出来ませんでした。草も伸び放題。でも草の中には、ホタルブクロ、げんのしょうこ、おだまきなどがあり、むやみに草刈機で刈れない状態。グリンコーンの途中からひょこっと花が出ているのもかわいいんですよね。もとから生えている草を全て雑草と思えば抜かなければならない気がするけれど、山野草と思えば(実際山野草として何百円かで売っている物ばかり!)メドウガーデンと思ってはえていてもいいのかなと思うようになりました。

10月   秋だというのに割りと暖かい日が続きました。中旬になってようやくあたりの山の紅葉が始まりました。日中は10度以上あるけれど朝晩は氷点下になると紅葉も見ごたえがあり、コニファーも新陳代謝やら色が変わる現象が見られます。紅葉の後の落葉が大変!特に背が低くて横に張るコニファーに落ち葉が積もると取るのが大変です。しかも葉が痛いとなれば熊手を使ってガサガサ 葉が千切れてしまうのではと心配しましたがだいじょうぶでした。

 富士山も一気に白くなり長い冬になります。昨年は雪が無くてとても寒かったので木にとってはかなりつらかったと思うのですが、それでもみんな枯れることなく耐えてくれたので今年も大丈夫だという気持と、もう疲れてだめになってしまうのかなと思う気持で心配です。

11月   寒くなってきました。−10℃も何度か観測されます。こにふぁーの葉の色がどんどん変わってきました。地面も凍ってきました。

 この時期になると、お花屋さんでもみの木やらコニファーが多く売り出されます。どんな人が買うのかな?枯れずに育ててもらえるのかな?などとモニター根性が出てみてしまいます。もし私がモニターにならなければ、買ってきた鉢植えの木を日のささない部屋に飾り、クリスマスが過ぎたら邪魔だからいきなり寒い外に出し、水を適当にあげてそのうち枯らしていた様な気がします。でも、枯らす人がたくさんいるから毎年たくさん売れてお花屋さんの生活が成り立つと思うと、それも複雑な気持です。木は愛情を持って小さい変化に気がつきながら成長を楽しむものなのか、世の中の流行りすたりで消耗品扱いなのか考えてしまいました。

 冬になると必ず買ってきて飾るシクラメンの花。暖かくなって花が咲かなくなるとそのまま庭にほっぽて置いて枯らしていました。ずっとそうでした。花以外に価値を見いだせなくて毎年買っていました。コニファーを年間通して観察する癖がついたら、その習慣が変わっていることに気がつきました。昨年買ったシクラメンを涼しい別荘地の庭に植えました。春、夏、秋とずっと花が咲いていました。もちろん手入れもしました。寒くなり、鉢に植え替えて今年も東京の家の中でたくさん咲いています。大きくなって部屋で飾るには困るくらい育っていました。1つの植物の生態や育て方を調べて、育てていく・・・ そんな自分の変化に気がつきました。

12月   先月花工房のおじさんからモニターの最終報告について通知が来ました。最後になったんですね・・・ 

 先月から報告書にどんな内容を書こうかずっと考えていて、モニターになってから何が変わったかということを考えていたら、11月の文章もそんなことを書いてしまいました。木や草花に興味関心を持ち、育てるための基本的な習慣を自分なりに学んだように思います。そうでなかったら、どんどん枯らしてどんどん買ってということを繰り返していたと思います。

 モニターになる前に、花工房さんから別荘地の入り口に列植するためにウィチタブルーを11本買いました。その根元に花を植えていたのですが、今年はことのほかきれいに咲き、某花会社のフラワーコンテストに写真を応募しました。今月その結果が発表されました。信じられないことに、優秀賞を頂いたのです。私は花壇を作るのが苦手で花を枯らすことがとりえだと思っていたのに、励みになりました。今では「趣味はガーデニングです」と答えています。モニターから始まって草花、ガーデンデザインと興味はどんどん広がってきました。ステキなお庭を造りたい!木と花の調和の取れたステキなお庭を造りたい!

 庭を造っていく段階でコニファーを移植することもあるかもしれません。またオジサンの本を読みながら無駄な失敗をしないように頑張ってみます。

今、我が家のコニファーたちは元気にしています。でも、何年か経って寒さに弱い木は(ゴールドライダー、ブルーアイス、シルバーダストなど)枯れてしまうかもしれません。今回のモニター報告の内容(最終報告書もこのHPも)は始めて購入する人が、その人の住んでいるところでどんな木を選べばいいか、ある程度の参考になればいいなと思っています。

 測定をしていて気がついたことは、全体的に幅が狭くなったことです。今までは上にも横にも伸びていたのが、横に伸びていた枝が途中から上に向かって伸びだしました(シルバーダストは違いますが)。樹形がまとまってきたように思います。成長の過程で樹形が変わっていくんですね。高さも2mを越えてきて見ごたえがあります。3年過ぎると木はどんどん成長するということで、これからの成長も楽しみです。

 日々観察していて毎月の気づいたことで書くことが見つからない木たち。実はハラハラドキドキしない木が一番育てやすいということもわかりました。いくら好きでも育たない物は無理。無理しながら頑張るのも木も自分も疲れてしまう。初め、サルフレアやブルーアイスが好きだったけれど、寒さに弱かったり倒れやすかったりと、安心していられない。つまらないと好きではなかったスパルタン、デクルートスパイア、エメラルドなどは、丈夫で手もかからず、安心してみていられる。しかも成長につれてきれいになり、新しい発見もある。いろいろな種類の木を頂いたからたくさん発見がありました。コニファーを植えようと思っていて、自分の植えたい場所に欲しい木があわなくて一見好きではないかもしれないけれど、その場所にあった木が一番美しく丈夫に育つのも本当だと思います。

 ただただ一生懸命何かを見つけて書き続けただけで、どれ程の内容があったか、今思うと恥ずかしい限りですが、今まで読んでくださった皆様方 どうもありがとうございました。