「文学横浜の会」
文横だより
<9月号>平成23年9月5日
9月になって早々、12号台風が強風と豪雨を伴って四国に上陸し、ゆっくりと中国地方を抜けて日本海に去った。
3・11を境に自然災害の恐ろしさを我々は身に染みるほど味わっているが、今またその脅威を感じている。
そうだとしても余りに惨い仕打ちではないか、とぼやきたくなる。
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文横だより2011年9月号を送ります。
◆出席者
◆読書会テーマ
今さらの感無きにしもあらずですが、「野菊の墓」いかがでしたでしょうか?
昭和30年発行の新潮文庫だけで平成21年版・110刷に到達しておりますので、老若男女にいまだに読み継がれていることは間違いありません。
読み継がれる訳について当日もご指摘がありましたが、たぶん明治十年代と想定される封建的な土壌のなかで芽生えた少年少女の恋心のいぢらしさ、今日的にも共有されるみづみづしさ。やがてイトコである民子が歳上ゆえに大人たちによって引き裂かれる悲運。
そして死。とくれば、おびただしく流される涙は作中人物だけにとどまらず、主に同居人などの目を気遣い、タオルで顔を隠す者、トイレに移動する者など、110刷の新潮文庫だけでもどれだけの涙が文庫本のページに滴り落ちたか知れません。
と思いきや、当日7名ご出席のうち、半泣きを除いて、3名の方が「泣かなかった」ということでしたので、伊藤左千夫先生もどう思われることやら、カタルシスの快感を堪能できたのは4名ということでした。
以上をもちまして、今回「野菊…」と「奈々子」のささやかな「まとめ」とさせて頂きます。
以上、河野記
◆次回
◆その他
以上
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