「文学横浜の会」

 文横だより

<6月号>

過去の「文横だより」

平成24年6月4日


関東地方の梅雨入りももうすぐだろう。

最近、昔と比べて天気予報の当たる確率は向上した、と感じている。
コンピュータの性能向上によって以前は数十時間かかった計算が数分に短縮され、
予報を出す為のシュミレーション計算が昔と比べて格段に早くなった結果だ。

そのコンピュータが更に早くなって気象庁に導入されたそうだ。
どれだけ速いかと言うとスーパーコンピュータ“京”は1秒間に1京回の演算能力があろと言う。
(1京回=10,000,000,000,000,000回)

そうしたスパコンで天候のシュミレーションをすると、地点毎の予報が可能になるのだそうだ。

斯様に科学技術の進歩は目覚ましいが、人の心はどれほど進歩しただろう。
紀元前に書かれた孔子・老子の思想や、千年以上前に書かれたマキアヴェリの君主論・政略論は未だ現代人の心に響く。

               ★

文横だより2012年6月号を送ります。

◆出席者
 浅田、遠藤、岡部、金田、河野、三宮、佐藤、清水、篠田、山下/藤野

◆読書会テーマ
 「受け月」伊集院靜、文春文庫
 6月2日(土)
 担当、遠藤

 【感想】
良かった点
・表現が巧い
・男の理想像が書かれている
・古風、頑固さと併せて、人が人を大切に思う事が描かれている
・各所に、伏線が張られている(冒頭部分etc)

悪かった点
・好きでない作家である(すかしている)。女性の描き方が独断的である。
・思想がない。訴えかける物がなかった。
・悪人が出てこない。抑揚がない。小手先で書いている。
・強烈なキャラがいない。
・何のために小説を書いているのかが見えない(ポリシーがない)

【自分の感想】
野球がテーマという事で、男女での評価が分かれるだろうことは、予想された。
人数比だけでは物語れないが、やはりその傾向は見られた。
同世代の参加者が多い為、同時期を生きてきた事による人物に対する好き嫌いが出ている現象には驚いた。
「頑固で寡黙」な親父は、今のこの世の中では化石のようなものかもしれない。
いなくなったからこそ、個人的には、このような主人公が好ましく感じるのかもしれない。

    以上、遠藤記

◆次回
 次回は43号の合評会となります。
 日時;7月8日(日)13時〜
 場所;幸ヶ谷集会所(神奈川公園内)、1階会議室
 場所の判らない方は連絡して下さい。
 (簡単な地図を送ります)

◆その他
 43号は執筆者以外の方には届き次第送ります。
 8月は休みです。
 9月の読書会担当者は熊坂さんとなります。

(金田)

◆次回(8月はありません)
 9月1日(土)18時〜
 読書会担当は熊坂さんです。
 読書会テーマ;国木田独歩「春の鳥」
  「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」(新潮文庫)に掲載。
 青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)にも掲載されています。

◆その他
 44号は10月末締切とします。
 8月は休みです。
 10月の読書会担当者は河野さんとなります。

(金田)


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