「文学横浜の会」

 文横だより

<7月号>

過去の「文横だより」

平成24年7月9日


ヒッグス粒子とみられる新粒子が発見されたそうだ。
正確にはヒッグス粒子であることが有力な未知の粒子を、それぞれ99%以上の確実さで発見したということらしい。

と言っても殆どの人間には何のことかさっぱりだが、
『ヒッグス粒子は、この宇宙の物質が質量を持つ理由を、ひいては銀河が、惑星が、 そして人間が存在し得る理由を説明し、それによって物理学の「標準理論」の最後のピースを埋めることになるかもしれない』
物質なのだと言う。

ヒッグス粒子と確定されるまでにはまだ時間が掛かるらしいが、 科学が発達した今日でも暗黒宇宙の謎は、まだまだ解明できていない部分が多く、 ヒッグス粒子が解明できたとしても暗黒宇宙のほんの一部に過ぎないらしい。

どんな説明文を読んでも解ったような気持ちなるだけだが、 宇宙の謎と人の心の謎、そのどちらがより謎に満ちているのかとふと考える。

               ★

文横だより2012年7月号を送ります。

◆出席者  浅田、上村、遠藤、岡部、金田、熊坂、河野、  三宮、佐藤、篠田、藤野、山口、山下  ゲスト(秋林哲也氏)

◆43号合評会  日時:7月8日(日)13時〜16時45分  場所:幸ヶ谷集会所(神奈川公園内)

 今回は創作6作、随筆2作、旅行記・探究記各1作の計10作。 遅れて出席した者を含めて13名の会員が出席した。

 集まった作品をどう掲載するか、毎回頭を悩ませる事だが、 自分が決める時はその作品が成功しているかどうかは別に、 作者の意図がはっきりしているかどうかを一つの目安としている。 それになるべく若いメンバーの作品を、との思いもある。

 同人誌に集まったメンバーが創作する動機は様々だが、定年後の時間潰し、と言うのも立派な動機だ。 しかし創作する事はただ机に向えばできると言うものではなく、それなりの訓練も必要だ。

それに活字にすれば、作者とは離れて色々な批判/感想が飛んでくる。それはどんな高名な作家の作品でもそうだ。 寧ろそうした批判/感想がある事は好ましい。読まれなければそうした“矢”は飛んでこないのだから。

 議論された時間の長さで作品をうんぬんする訳ではないが、 書かれた枚数と一番目と言うことで「幸せ者」、それにラストの「カツレツ荷風の歩いた道」が比較的に長い時間議論された。

「にっぽん… 四ツ谷」は女性陣の一部からは嫌悪感を持たれたが、それは作者の狙いの一つかも知れない。 また、「ネジの緩み」は作者の前作同様、評価が別れたように思う。

「心のすれ違い」は作者の実体験から書かれた作品で、 「遠い日のペット達」は作者の従来の作品とは趣を異にした子供の頃の体験から材を取った作品だ。 また「赤い月」は作者の思い入れの強い作品とみる。

随筆2篇はそれぞれ書き馴れた作者で、作者の日常断面を彷彿させている。 旅行記「マレーシア…」は作者らしさが出ている作品と言えるのではないか。

    以上、金田記

◆次回(8月はありません)
 9月1日(土)18時〜
 読書会担当は熊坂さんです。
 読書会テーマ;国木田独歩「春の鳥」
  「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」(新潮文庫)に掲載。
 青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)にも掲載されています。

◆その他
 44号は10月末締切とします。
 8月は休みです。
 10月の読書会担当者は河野さんとなります。

(金田)


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