「文学横浜の会」

 文横だより

<4月号>

過去の「文横だより」

平成25年4月13日


6日に予定していた読書会は台風まがいの低気圧の接近により、1週間延期した。

13日は早朝のラジオから緊急地震予報があり、 身構えていたら淡路島を震源とするM6弱の地震が発生したとのことだ。

この国で生きて行くということは、 これからも自然災害とつき合って行かなければいけないのだとつくづく思う。

スパコンの能力向上によって天気予報の確度は向上したが、 地震予知は実感としてまだまだだ。

せめて緊急地震予報は1時間前、
いやせめて30分前、いやいや正確度をともなって10分前に…、とならないだろうか。

そんな時代が来ると信じつつ、
我々はこの土地で生きていく。

               ★

文横だより2013年4月号を送ります。

◆44号出席者
 浅田、遠藤、岡部、金田、桑田、佐藤、篠田/藤野

◆読書会テーマ
 「岬」中上健次、担当者(佐藤)
 4月13日(日)18時〜

今月の読書会は、春の嵐により当初の予定日が1週間順延されたため参加者は7名と少なかった。
この作品は76年の芥川賞受賞作品であるが、中上には4度目の芥川賞候補作品であった。

「岬」は「枯れ木灘」(1977年)と「地上の果て至上の時」(1983年)と共に秋幸(主人公の名前)サーガ3部作といわれている一番目の作品である。分量的には、篠田さんがページ数を提示されたが、「岬」は他の2作に比べ圧倒的に少ない。

「岬」は秋幸と姉、母、親戚、そして実父の存在=複雑に絡み合う血族関係を、この一群れの集団の日常生活を描く中で浮き上がらせていく。

現代の作家の中では、西村賢太が中上の文学に近いのではないかと複数の参加者から感想が出た。

46歳の若さで亡くなった中上ではあるが生きていれば今年は67歳。その3歳年上には丸山健二、その3歳下には村上春樹がいて両者ともその創作意欲は衰えを知らない。中上が生きていれば、どのように今の時代と向き合ったのかと思うと残念でならない。

今回は2度目の読書当番ということで、前回の丸山健二に続き二人目の「けんじ」 である中上健次の「岬」を取り上げたが、三部作の他の2作を読了していない私は、中上文学の入り口に立ったばかりである。

    以上、佐藤記

◆次回
 5月4日(土)18時〜
 読書会担当者は三宮さんです。
  (テーマは「少女には向かない職業」著者名 桜庭一樹
   出版社 創元推理文庫など)

 ・文学散歩、5月12日(日曜日)
  江戸の怪談、七不思議を巡る予定。

 ・6月の読書会担当者は金田です。

(金田)


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