「文学横浜の会」

 文横だより

<5月号>

過去の「文横だより」

平成25年5月7日


今年は寒暖の差がはげしい。
夏日を体感したと思ったら暖房が恋しくなる気温になったり、
北海道や東北では思わぬ雪で観光客も震え上がった日もあったとか。

そんな自然のきまぐれもPM2.5による大気汚染をはじめ、
地球環境を破壊し続ける人類への意地悪か。

それでも確実に真夏はやってくる。

           ★

文横だより2013年5月号を送ります。

◆44号出席者
 浅田、岡部、金田、桑田、佐藤、三宮、篠田、清水、山下

◆読書会テーマ
 「少女には向かない職業」桜庭一樹、担当者(三宮)
 5月4日(日)18時〜

ゴールデンウイーク真っ最中、9名の出席は多い方か(?)。以下に、かい摘んでお知らせします。

男性A まったく共感が湧かない。しかし中学生の年頃の子どもには受け入れられるのだろう。題名が内容と違いすぎる。

男性B 書評の対象になりえない。読書会のテキストには向かない。

女性C とても面白かった。物語世界にぐんぐん引き込まれる。最後のあたり、ふりしきる雪の中の血の色の描写など、目に見えるようだ。

男性D 最初は読みにくかったが、だんだん引き込まれた。13歳という年頃の、少女の恐ろしさを感じた。ただ、葵と静香、女の子二人が殺人まで一緒にしようとする動機が、この作品では読み取れない。

男性E 文章に無駄がなく、色彩感、リズム感がある。作者の身体には鋭い感性が詰まっているのだろう。

女性F 前半部に描かれた、義父殺しに至る少女葵の感性には共感した。しかし後半部の、静香の従兄を葵が一緒になって殺す状況は理解しにくい。

男性G  静香の従兄を、葵が一緒になって殺す設定には無理がある。リアリティがない。

男性H  すごい作家だと思う。軽いタッチの裏にある読書量の多さを感じさせられる。新しい感覚の文学だ。

    以上、三宮記

◆次回
 6月1日(土)18時〜
 読書会担当者は金田です。
  (テーマは「鍋の中」著者名 村田喜代子
  「八つの小鍋」にも掲載、文春文庫、出版社 文藝春秋社)

 ・文学散歩、5月12日(日曜日)
  江戸の怪談、七不思議を巡る予定。

 ・7月の読書会担当者は遠藤さんです。
 ・45号の原稿締切は9月末です。

(金田)


[「文学横浜の会」]

禁、無断転載。著作権はすべて作者のものです。
(C) Copyright 2007 文学横浜